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モーター スポーツ コラム 2020年2月20日

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今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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海の向こう、アメリカ大陸のフロリダ半島の東岸にあるデイトナビーチに近いデイトナ・インターナショナル・スピードウエイで先週末にNASCAR Cupのデイトナ500マイルレースが開催されたのですが、途中で雨が降ってきてしまって200周予定のレースは20周で中断&順延なってしまったようですね。順延は、長い歴史の中でも2回目ということだそうです。

順延も大きなニュースですけれど、アメリカ合衆国大統領、ドナルド・トランプ氏が専用機であるエアーフォース・ワンで飛んできて、専用車のビーストでサーキットに乗り付けた。何のために訪れたのか?「Drivers start your Engine」とかましたわけです。サーキットに足を運んだファンたちの全てが共和党の支持者であるわけはないけれど、かなり盛り上がったセレモニーだったらしい。おまけにビーストでコースを一周という大仰なパフォーマンスもしたらしい。

皆さんご存知のように彼の本当の目的はエンジンスタートの号令をかけるためではなくて、今年11月の大統領選挙のキャンペーン。アメリカで最も人気があるカテゴリーのNASCAR。それの中でもビッグイベントであるデイトナ500マイルは、大統領選挙戦の活動として大きくプラスになる故に現大統領が足を運ぶというわけですね。全米にテレビ配信されるし、選挙戦略としては絶好なイベント。そこには、アメリカ人の日常生活と近い距離に自動車レース、NASCARがあるからなのですね。よって、チームのスポンサーは、自動車関連のスポンサーも多いですが、他の多くが生活必需品、消費材だったり、スーパーマーケット、はたまた軍隊だったりという日本と状況が大きく異なる。結果としてビジネスとして流れ込むマネーは巨額になって、チーム運営、総じてNASCARのオーガニゼーションは、本拠地であるノースキャロライナ州シャーロットにはでっかい高層の自社ビルを有し、スケールが桁違い。

アメリカ流を踏襲しようとは思わないけれど、日本のレースビジネスも何か新たなる方向性を示して一気にメジャーとまで行かなくとも、もっともっと多くのファンを獲得して活性するような糸口が欲しい、喉から手がでるほど欲しいです、ハイ。

この勢いだと、アメリカンフォーミュラの一大イベント5月のインディ500マイルにも独特の髪型の大統領はいそいそと出向いて行くのかな?インディアナポリス・インターナショナル・スピードウエイの新オーナーとなったロジャー・ペンスキー氏の支持政党がどちらかわからないけれど、それもあり得るかな。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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