人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

モーター スポーツ コラム 2020年1月29日

徳勝龍はグッピーだ!

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
  • Line

幕尻の徳勝龍が優勝しましたね。
前頭17枚目とはいえ、立派な体格しているし、格上の力士に勝るとも劣らない。優勝した瞬間の涙にもらい泣きしてしまった。

と、その瞬間、同じようなレースがあったなと思い出してしまった。職業柄しょうがない。
それは、1984年の全日本耐久レース選手権シリーズ第2戦。サーキットは、【筑波】。そう、筑波サーキットですよ。コンパクトなサーキットで本当に耐久レース?とお思いのファンも多いでしょう。でもやったの。

現在の耐久レースの参加マシン達は大きく異なっていたし、なにせ、サーキットが2キロちょっとの筑波。このレースをなぜ思い出したかというと、仕事をいただいていたauto technic誌でメインレースのレースリポートを書かせていただいていたから。時代は耐久レースがグループCカー規定に移行間もなく。すでにポルシェ956や自動車メーカーが繰り出したC1カーも出現していたけれど、この筑波戦にはエントリーして来なかった。今場所に横綱二人が早々に休場したのと同じ。

勝ったのは、日本を代表する名レーシングカーデザイナーの由良拓也さん(何か背中がコソ痒い)が送り出すC2カテゴリーのマシン。MCS83Cマツダ(通称グッピー)。そのレースの大本命は、同じくC2マシンのロテックM1C BMW。レースの形態は4時間レースで優勝マシンはなんと232周した。レースの中盤まで2位以下を引き離して予想通りに優勝へまっしぐらと思われたロテックが3時間を過ぎるとペースが落ち始めて、2位走行のMCS83Cに1周以上あった差をつめられ、202周目に同ラップとなった。原因はブレーキの摩耗が進んでしまって、それがどんどんと悪化。最後は、2速走行で速度を上げられない状況となった。そして残り3分でトップが入れ替わった。

レース3時間を経過した頃から、<もしかして?>と思ったけれど、まだ1時間あるし、とレースを見守っていた。徳勝龍が勝ち越しを決めた頃が同じような状況か・・・。しかし、千秋楽に向けては格上力士や大関勢が控えている。14日目は勝星が並ぶ正代が勝つだろうと大方の予想だった。しかし、その正代を突き落とし。千秋楽は、大関貴景勝に左を差して寄り切りで優勝という快挙を成し遂げた。

筑波のレースは7月で暑かった。
ゴールしてグッピーから降りてきた赤池 卓選手が「燃費がキツかったよ」といいながら汗だくになって小さなマシンから出てきたのを思い出した。

MCS83Cマツダは、約1ヶ月後の富士ロングディスタンスシリーズ第2戦、富士1000Kmレースでも上位マシン達のC1カーを向こうに回して優勝を飾っている。と、いうことは、徳勝龍も次の三月(大阪)場所も勝つのかな?

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!

モーター スポーツの放送・配信ページへ