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モーター スポーツ コラム 2019年9月11日

小暮卓史が小暮卓史について語る小暮卓史のための小暮卓史 「SUPER GT第6戦オートポリス」

小暮卓史が小暮卓史について語る小暮卓史のための小暮卓史 by J SPORTS 編集部
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レースウィーク初日、twitterでお伝えした「小暮卓史が小暮卓史について語る小暮卓史のための小暮卓史」で、「表彰台には上がりたい」と意気込みを見せた小暮。台風13、15号の影響を受け、不安定な天候に見舞われたレースでは、チームの冷静沈着判断による戦略が当たり、大きくポジションアップ! 見事、有言実行となる3位表彰台を果たすこととなった。

優勝や2位が見えていただけに、その悔しさが残る

・チームは緊急ミーティングを招集
予選22番手からの追い上げ。荒れた展開が追い風になった
今回は、予選からクルマのパフォーマンスを100%引き出せなかったんですよね。ウェイトハンデが影響して、結果的に厳しい内容になってしまった。僕はノックアウト予選Q2担当だったので、今回はまったく仕事をせずに終わっちゃいました(苦笑)。

レースでは、途中、雨が降ったり止んだり、激しく降ったりと慌ただしかったですね。ちょうど僕たちの88号車がルーティンワークのピットインをしたとき、バーっと雨が降ってきたときだったんです。2回目のセーフティカーが入る直前です。スタートを担当した元嶋(佑弥)とチームがうまく判断し、ピットに戻ってきました。

このタイミングでレインタイヤにするか、引き続きドライタイヤにするかがポイントになりました。ピットインしたタイミングで考えたらレインでした。ただあくまでも結果論ですが、(優勝した)60号車の吉本(大樹)選手がドライを着けて頑張った(※2)のを見たら、やっぱりドライで頑張ったほうが良かったのかなとも思いました。でも、僕たちの状況を考えたら、レインを選択したことはやはりベストだったと言えます。

レース後半、僕らは雨になるだろうと読んでいたんです。そこでタイヤの内圧をレイン寄りに調整していました。それに、ピットインした後、コース上に止まったクルマやコースアウトするクルマが続出したことで、周りのクルマが慌ただしくピットインしました。結果、先にコースに戻っていた僕らはこれをきっかけにポジションを上げることができたんですよね。加えてセーフティカー明けのリスタートでも何台か抜きました。これでかなりポジションアップができたんです。それでクラス2番手まで上がりました。
・終盤、路面はドライへ
ところが実際には雨はあまり降らず、コースもどんどん乾いていった。結果的にタイヤには厳しいコンディションになっていきました。レインでコースに向かってからしばらくはペースがすごく良くて、いい感じだったんですけどね……。前を行く55号車もペースが速かったんで、追いつくのは難しいのかも、と思っていた矢先、55号車がいなくなる(※3)という無線を聞きました。これでトップに立つので、なんとかポジションキープしたいという気持ちが俄然強くなりましたね。

とはいえ、やはりタイヤのことが気になっていました。レインでコースインし、数周は問題なかったんですが、徐々に厳しくなっていたので。だから、トップに立ったあと、後方から720号車が来たときには向こうのペースが想定していたほど落ちなかったので、これはヤバいぞと思いました。先行されたときですが、ちょうど目前にGT500のクルマがいて、720号車にほんといいタイミングで先行されちゃいました。あのとき、ブレーキングでもうちょっと我慢しようと思えばできたんです。だけどGT500に追突しちゃう可能性もあったので(苦笑)。してやられました。

そのあと、スリックの60号車が来て……。もう圧倒的に速かったですね。最終コーナーであっさりやられました。違うクラスの車両が来たのか、と思うほどの速さでした。ウエットとドライとでは1周10秒くらい違ったようです。なのでこればかりはしょうがない。でも、720号車はなんとか押さえたかったなぁ。結果として目標にしていた表彰台には上がったけれど、3位でなくて優勝や2位が見えていただけに、その悔しさが残りますね。

・ランキングは暫定2位に
一方、シリーズランキングでは暫定でクラス2位に浮上しました。トップの55号車との差は5点。もし、今回2位に入っていたら、差がわずか1点になるので、これはデカいなぁ。ただ、まだ残り2戦ありますからね。次からはウェイト(※4)も軽くなるし、ここからが頑張りどころだと思っています。

僕自身、次のSUGOは好きなサーキット。公式テストも事前に行っていますが、ウラカンとコースの相性もいいですよ。気温が下がってもそれに見合うタイヤも用意できます。コースにマッチしたクルマをチームが作ってくれると信じています。雨になっても問題ない。ウラカンは雨が強いので、どんな天候でもいいレースができる。楽しみな一戦になります。

いい戦略を立てる力がチームにはあるので、着実なレースをすることで結果はついてくるはず。逆に、レース展開が荒れたら荒れただけ、それをチャンスに変える力が僕らにはあると思っています。クルマがどれだけポテンシャルを発揮してくれるのか、僕としても期待を寄せているんです。それがキーポイントになると思うんですが、SUGOでも表彰台、それもさらに高い位置に立ちたいと思っています。
※1:第6戦オートポリスでのウェイトハンデは51kg。
※2:60号車は、後半スティントでドライタイヤを選択。雨が上がった終盤、怒涛の追い上げを見せて逆転優勝を果たした。
※3:55号車はピット作業後、ピットレーンでGT500車両と接触。のちにファストレーン優先権違反によるドライブスルーペナルティを受けた。
※4:SUPER GTが定めるウェイトハンデ制では、第7戦から搭載する重量が変更される。第2戦〜第6戦までは獲得ポイント、1ポイントを2kgに換算したウェイトを積載。第7戦では、ポイントの換算が1ポイント1kgとなる。結果、55ポイント獲得の88号車は55kgのウェイトハンデを搭載する。


まとめ:島村元子
J SPORTS編集部

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