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主なモータースポーツのシリーズが終わり、そのシリーズの年間表彰式があちらこちらで行われていますね。全世界モータースポーツの総本山、国際自動車連盟(FIA)では、12月2日フランスのパリで「FIAホール・オブ・フェイム(FIA殿堂)」の授賞式が執り行われたそうです。今回29人が殿堂入りを果たしたとのこと。ルマン24時間で活躍したドライバー達と世界耐久選手権チャンピオンが選定された。そう、WECの2018-2019のスーパーシーズンでチャンピオンに輝いた中嶋一貴選手も殿堂入りの栄誉を得たのです。日本人として初のサーキットモータースポーツの世界チャンピオンとなった中嶋選手ですからね。当然と言えば、当然。こ殿堂入りも日本人初。とても名誉なことです。めでたし、めでたし。
セレブレーションピリオドでこのようなことを書くのは、相応しくないと思うのですが、でも、書いておきたいので、書きます。FIAが行おうとしているF3レベルのシリーズ再編成のことです。
2019年をもって終わりを告げた全日本F3選手権。来シーズンからは全日本スーパーフォーミュラ・ライツとして新たなるスタートを切ります。現行のダラーラ製F3マシンのモノコックを発展させて、ヘイローを装着し、アップデイトキットを加えた構成。エアロダイナミクスが改良されて、ダウンフォースレベルが向上しているとテストドライバーがコメントしています。2020年のレース数、詳細は分かりませんが、6大会が行われることは公式発表されています。興味は、どれだけのエントリー台数があるのか。このスーパーフォーミュラ・ライツは日本独自のシリーズであって、FIAのフォーミュラヒエラルキーの中ではサイドラインにあるシリーズ。先日行われたマカオGPのF3とは異なるマシンですね。性能的には2019年までのF3マシンを上回っているけれど、参加を希望するチームが新たな資金を投じることができるかどうか。現時点では、エントリー台数の減少が心配される声も聞こえてきている。
また、F3、スーパーフォーミュラ・ライツと同じセグメントにある新たな国際エントリーフォーミュラカテゴリーが産声を上げる。FIAが展開するシングルシーターカテゴリーの地域(リージョナル)F3の仕様に適合するマシンを国産レーシングマシンコンストラクターである童夢が製作。2020年シーズンから「フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ」が6大会、14レース開催されると既に発表済み。パフォーマンスの詳細はわかりませんが。このリージョナルの特徴は、初期のハードコストの上限が決められていて、日本では1,200万円也。
二つのF3レベルシリーズが2020年に日本国内でスタートするのですけれど、現在までは両シリーズは協調するというポーズをとっているのですが、それは、蓋を開けるまで分からない。新たなるカオスがもたらされるのではと師走に入って心配な今日この頃。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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