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モーター スポーツ コラム 2019年11月7日

小暮卓史が小暮卓史について語る小暮卓史のための小暮卓史 「SUPER GT最終戦ツインリンクもてぎ」

小暮卓史が小暮卓史について語る小暮卓史のための小暮卓史 by J SPORTS 編集部
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最終戦のもてぎで表彰台を! とtwitterでも誓っていた小暮卓史。チーム一丸となって有終の美を飾るべく、今シーズンラストレースに挑んだ。しかし、その戦いは”心残り”の結果に終わったという。晩秋の好天気に恵まれ、絶好のレース日和だったもてぎで、一体なにがあったのだろう。さらに小暮は、今シーズンの戦いを振り返る中で、GT500とはまた異なるGT300ならではの魅力を口にするのだった。


則竹さんにチャンスを頂いたことが、すべての始まりでした

・最終戦はタイヤに苦戦
土曜日の朝の公式練習で2番手だったし、予選も8番手ということで、少しばかり速さは取り戻しつつあったんです。最終戦だからもうウェイトハンデもないし。クルマもかなり良くなってたと思いますよ。ただ、ドライバーの立場からすれば、もうちょっとセッティングを煮詰める余地もあったのかな、と正直思う部分もあります。一方でスタート時のタイヤが柔らかかったんですよね。SUPER GTではスタートタイヤを抽選で決めるんですが、今回はそのタイヤがQA(※1)だったんです。なので、Q1を担当した僕が今回スタートを担当することになりました。

確かに、今回のもてぎはレースウィーク中の路面気温も例年より高めでしたが、それよりもまず88号車として選んだタイヤが柔らかかったんです。正直、アタックで一発の速さを狙って選んだタイヤですがその一発もなかったし、レースでの持ちも十分ではなかったですね。そこが心残りでした。パッケージとしての力を引き出せずに終わってしまったという感じですね。思うように決勝でペースを上げられなかったのは事実だし、結果的に16周でピットインすることになって……。当初は前半になるべくポジションを落とさないよう周回を重ね、(長く周回する)後半に硬めのタイヤで引っ張る、という作戦だったんです。ただ、その後半に着けた硬めのタイヤもそんなに持たなかったんですよねぇ。総体的に今回は硬めのタイヤを持ち込む必要があったということになるのですが、でもこれは、レースにある”タラレバ”の話ですから。作戦としてはチームとして採れる最善の方法だっただけに、悔しい結果でした。

・アップデート後、作業は想像以上に多忙を極めた
今シーズンは前半戦こそ流れに乗っていたんですが、クルマをアップデート(※2)してから、なかなか浮上のきっかけがつかめないままになってしまいました。ただ、チームは不調の原因をもう把握しています。なので、来シーズンはその反省を踏まえ、しっかり対策をした上で戦えると思いますね。とりあえずいいデータが獲れていることには間違いありません。来シーズンにつながると信じています。

チームスタッフのみんなは、アップデート後から本当に大変だったと思うんです。寝る間も惜しんで作業をしておられました。結構いろいろやることがありましたから。準備もそうですし、整備の時間も時間的に厳しかったんじゃないかと思います。パーツが来たり来なかったり、という中で作業されてましたからね。僕らドライバーもその様子を知っていたので、なんとか彼らの努力が報われて欲しいといつも思っていました。結果で返すことができなかったので申し訳ないんですが、たくさん感謝しています。
・GT300ドライバーとして振り返る今シーズン
88号車としては、第3戦鈴鹿でのタイヤバーストと、雨に翻弄された第7戦SUGOの結果がイタかった。ちょっと結果が残っていたら、最終戦までチャンピオン争いにも加われたわけですからね。それと、やっぱり表彰台の真ん中に立てなかったこと。これが心残りですね。

でも面白いシーズンを過ごすことはできました。僕はGT500へいきなりデビューしたので、GT300は今シーズンが初めてでした。でも今のGT300のクルマって、デビュー当時のGT500と同じくらい速いんです。だから、GT300に乗ってるという感じが最初しなかったんですよね。ただ、クルマの操縦からなにもかも違いました。GT300ならではの戦略は興味深く、勉強にもなりました。チームも環境も変わり、また、GT300という多種多様なクルマがそれぞれの特色を活かす戦いを繰り広げる中で、レースで勝つという難しさと面白さを改めて感じることができました。

レースをやる上で、”面白み”って大事ですよね。モチベーションにもつながるわけですし。探究心をくすぐられました。走らせ方にはじまり、戦い方もそうだし、新しい境地を見つけた感じがしました。とても充実していたからこそ、もうちょっと結果が残せていたら……という気持ちは強いですね。

・JLOCと過ごした2019シーズン
1年目の僕をチームのみんなが温かく受け入れてくれました。ときには厳しく、ときにはフレンドリーに、とオンとオフがはっきりとしていて、プロフェッショナルなチームとしての良さがとても伝わってきました。
まずはやはり僕にチャンスを与えてくださった則竹監督には本当に感謝しかありません。今シーズンを前に、一度はレースをお休みすることも考えたくらいですから。誘っていただいたことがありがたかった。このチャンスがなければ、今シーズンのSUPER GTには出ていなかった可能性が高いわけですからね。ここがすべてのはじまりだったので。

・ファンのみなさんへ
まず一番に、今シーズンも応援してくだってありがとうございました、という思いがありますね。なにしろ、昨シーズン末から色々ご心配をおかけしたので。無事に1シーズン、レースをすることができて良かったなという思いがあります。来シーズンはまだはっきりはわかりませんが、戦う可能性が高いと思います。なので、ぜひまた応援をよろしくお願いします!

今シーズンを戦う中、改めてGTレースの奥深さを感じたし、GT300の魅力を味わうことができて、僕の中でかなりやりがいを感じた一年になりました。まぁ、僕のキャリアも終盤にさしかかってきたと思うんですが(苦笑)、でもコースに出るからにはチャンピオンをなんとかして獲りたいと思ってます。50歳で夢を与える、っていうのもいいですよね(笑)。GT500に続き、GT300でもチャンピオンを獲るという気持ちで頑張れたらと思います。今後もベストを尽くします!

※1:SUPER GTでは、「予選セッションで指定された2セットのタイヤのうち、そのどちらかのタイヤを使用しなければならない」というレギュレーションがある。これに則り、予選終了後にはGT500クラスのポールポジション獲得チームドライバーが、抽選のくじを引いている。最終戦では、No.36 au TOM'S LC500の関口雄飛選手がくじ引きを行い、「A」が確定。この「A」とは予選Q1で装着したタイヤを意味する。仮にQ1敗退となった場合は、Q1で使用したタイヤを決勝スタートで使うことが定められている。
※2:チームは、第6戦オートポリスからランボルギーニ・ウラカンEvoへとアップデート。その前にはJLOCとして鈴鹿10時間耐久レースに参戦し、セットアップ等のデータ取りも行った。


まとめ:島村元子
J SPORTS編集部

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