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モーター スポーツ コラム 2019年9月9日

2019年WRC第11戦ラリー・ターキー(トルコ) “シーズン終盤のハード・グラベル”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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シーズンも終盤に入って今年のタイトルが気になるところですが、ドライバーもメーカーも上位が激戦を続けています。ドイツ戦でトヨタがポディウム独占したところで大夫様子が変わってきました。ドライバー・ポイントではトヨタのタナクが205Pでリードを広げ、ヒュンダイのヌーヴィルが172、シトロエンのオジェが165Pで追っています。
メーカーポイントの方ではヒュンダイが289Pでリードしていますがドイツでのトヨタのフルポイントで281となり逆転寸前です。3位シトロエン216、4位フォードは168で大夫離されました。

昨年8年ぶりにWRC復帰したトルコは海岸線に美しい保養地が多くバカンス客が集まるところですが、今年はマルマリスがベースとなります。海岸線の背後に丘陵地帯がありますが路面はアクロポリスラリー匹敵されるほどの悪路です。カーブも多く速度が低いためエンジン冷却に苦労するところです。この時期はまだ30度以上の気温もドライバーには負担になるでしょう。現行ラリーカレンダー14戦の中で最も路面がラフで、ギリシャ、キプロス、サファリ並と思って下さい。ここでは各ステージの先行車は大変不利になります。最初はほどほどに、リピート走行でできるだけ上位に食い込んでレグ2―3で勝負といった上手く走ることが肝心です。コーナーカットの多い北欧系のドライバーは特に注意が肝心です。メーカーポイントが接近しているヒュンダイとトヨタはセカンド・ドライバーが確実に走りきることが重要です。

トルコの国際レベルのラリー活動はかなり古く1972年から開催され1999年FIAからWRC査察をうけWRCリザーブラリーになりました。その後JWRCやPWRC(グループN)などを開催し、2008年に初めてWRC戦を開催しました。その後はローテーションに巻き込まれWRC開催が途切れていましたが昨年8年ぶりに復活しました。WRC常連でないので各チームにはデーターが少ないと思います。

ラリー概要は下記のとおりです。

 SS本数SS kmLiaison kmTotal km
L-1 (9/12-13)7161.04325.79 km486.63 km
L-2 (9/14)4110.10 km235.80 km345.90 km
L-3 (9/15)438.96 km117.01 km155.97 km
Total17310.10 km678.40 km988.50 km

全走行距離が1000キロ以下つまりリエゾン走行が短いのも特徴です。車両トラブルのリエゾン中の点検や修理時間も限られドライバーにとってきついラリーです。

文:福井敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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