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モーター スポーツ コラム 2019年6月20日

今年もニュルブルクリンク24時間が始まる。日本勢の活躍にも期待

モータースポーツコラム by 平野 隆治
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今年も“グリーンヘル”にクルマを愛する人々が集まる。

6月20~23日、ドイツのニュルブルクリンクでADAC・トタル24時間レース=ニュルブルクリンク24時間レースが開催される。1970年が初開催で、他の24時間レースに比べると伝統という面では劣るが、完全にドイツの“お祭り”としてのステータスを確保しており、今年も決勝日は好天が予想されることから、多くのファンがキャンプをしながらレースを楽しみそうだ

さて、すでにサーキットではレースに向けた準備も進められており、ドライバーたちも続々ニュルブルクリンクに到着している。このレースはF1やWECで使用されるグランプリコースと、1927年に建設された今年もトップカテゴリーはSP9=GT3カーのクラスで、王者マンタイ・レーシングのポルシェ911 GT3 Rを中心に、メルセデスAMG、アウディ、BMWとドイツ車勢による熾烈な戦いが展開されそうだ。


そしてそこに割って入りそうなマシンも数多くあるなか、大いに注目したいのが、SP9クラスに参戦するふたつの日本チーム。まずひとつめは、スーパーGTやスーパーフォーミュラで活躍する、近藤真彦監督率いるKONDO RACINGだ。今季、長年の夢だったニュル24時間参戦を決め、日産GT-R NISMO GT3とヨコハマタイヤという組み合わせで参戦する。ドライバーはトム・コロネル/松田次生/藤井誠暢/高星明誠という4人だ。

もう一台は、こちらもスーパーGTで活躍するレーシングプロジェクトバンドウが、長年ニュルにレクサス車で参戦してきたNOVEL Racingと組み投入するレクサスRC F GT3。こちらもヨコハマタイヤを履き、RC F GT3の豊富な経験とニュルの経験をあわせもつ吉本大樹、ドミニク・ファーンバッハー、そしてマルコ・シーフリード、ミハエル・ティシュナーという4人が乗り込む。


この2台は、当然ながらニュルは初挑戦(GT-Rはこれまでも参戦したことがあるが、2018年モデルでは初)。当然ニュルはそう簡単に攻略できるコースではないため参戦してすぐに優勝……とはいかないだろうが、ひさびさに最高峰クラスに日本からのチャレンジャーが挑むことは、筆者としては長年待ち続けたことだけに、大いに応援したい。ちなみに、今季2台が履くヨコハマタイヤはドライで非常に速いそうで、こちらも楽しみにしたいところだ。

また、毎年ニュルブルクリンクを訪れ、クルマ作りに活かしている2メーカーの活躍にも注目だ。まず、TOYOTA GAZOO RacingはSP-PROクラスの56号車レクサスLCが土屋武士/蒲生尚弥/松井孝充/中山雄一の4人で参戦。昨年に比べ完成度が高まり、速さも増している。


そしてSP3クラスの86号車トヨタ86、さらにSP8Tクラスの90号車GRスープラは国内外から注目を集める一台だろう。今季は佐々木雅弘に加えて、あのドライバー“モリゾウ”が乗り込むことが急遽決まり、すでにサーキットに到着している。GRスープラのレース本格参戦は、すでに事前のVLNニュルブルクリンク耐久シリーズには挑戦しているが、ビッグレースは初だ。

また、スバル・テクニカ・インターナショナルが走らせる88号車スバルWRX STIは、今年もカルロ・バンダム/ティム・シュリック/山内英輝/井口卓人の4人で参戦する。SP3Tクラスは近年強力なライバルが減っているものの、そのなかでいかに速さをみせられるかがカギになるだろう。


その他にも日本人ドライバーが多数参戦するが、強力な本場のチーム、ドライバーたちを相手に、難攻不落のニュルブルクリンクでどんな戦いをみせてくれるか。今季はGT4カーやTCRカーも増えており、カスタマーレーシングカーの熱い競演になる。今年のニュルは、いつになく楽しみな戦いが展開されることになりそうだ。

文:平野隆治

平野 隆治

平野 隆治

1976年横浜市出身。モータースポーツ専門誌、サイトの編集部員を経て、2015年からモータースポーツを中心にした“自称なんでも屋”に転身。SUPER GTは10年以上ほぼ全戦現地で取材をこなしてきた。

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