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世は、戦国時代!
と言っても侍が闊歩していた時代の話ではなくて、全日本F3選手権のこと。
今や日本のモータースポーツ界はインバウンド。つまり、外国から多くのドライバー、チーム、スタッフが色々なカテゴリーに参入してきているのです。国内のトップ、スーパーGTやスーパーフォミュラ、そしてF3にも青い目の侍ならぬドライバーが参加している。ドライバー単体ではなくて、チームが丸ごと日本へ来て戦うという時代。F1やWECのようにシリーズの一戦として来日して戦うのではなくて、ワンシーズン腰を据えて国内、全日本シリーズに参戦。これは、海外勢にとってこれまでに無かったスタイルの参戦、参入ですね。
近年マカオのF3グランプリで躍進しているドイツをベースとしたモトパークやイギリスの名門カーリンが日本のチームとジョイントして外国人ドライバーや日本人をドライバーを起用して戦っているのです。
昨年のF3シリーズを振り返れば、トムスチームが全てのレースで優勝。しかし、今シーズンはトムスチームのエース、宮田莉朋選手(19歳)が8戦を終了時で2勝を挙げているのみ。トムスの最大のライバルは、B-MAXレーシングとモトパークがジョイントしたチームから参戦しているフランス生まれアルゼンチン育ちのサッシャ・フェネストラズ選手(19歳)。同8戦終了時で4連勝を含む5勝をマークしてポイントランキングトップを独走中。昨年マカオGPで3位となったその実力を発揮している。さすが!そして、カーリンチームを招聘し、参戦する片山義章選手がオーバーオールクラスで先日の第8戦で初優勝。今シーズン3人目のウィナーが誕生した。
今シーズンは、これまでマカオや世界選手権で優勝、トップチームとして君臨してきたトムスが窮地に立たされていると言っても良い状況となっている。フェネストラズ選手を含めて、計4人の外国人ドライバーが参戦している状況は、バブル経済の一時期以来。フェネストラズ選手以外の3人は、これまで取りこぼしやミスが多いけれど、爆発力はすごい。今後シリーズ中盤戦、後半戦へ進むとなると二巡目のサーキットも出てくる。そこで外国人ドライバー達が速さを増すことも十分に考えられる。日本チーム、日本人ドライバーはもうウカウカしていられない。
ドライバーのポイントランキングのトップ2は、フェネストラズ選手73ポイント。宮田選手43ポイント。この二人が中心になって2019年は今後も展開して行くでしょう。残す10レースも目が離せない状況。2019年のF3はかなり面白い。
さて、今週末はルマン24時間レース。今年も現地からリポートします。
文:高橋 二郎
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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