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前回の小欄でスーパーフォーミュラ(SF)放送の「予選だけを担当します」と書いておきながら、【予選すら担当しませんでした】それはスケジュールが変更されて出演のチャンスが無かったから。
九州の南部、その先の屋久島周辺では50年に一度の豪雨に見舞われていましたね。その影響もあって阿蘇の外輪山に位置しているオートポリスは、土曜日に雨、ウエットコンディション。SFの走行には危険が伴うほどの雨量だったので、予選が日曜日の朝へスケジュール変更されました。変則的な40分一本勝負の予選は、コースオフ車両が複数あり、3度のセッション中断。コースインして2周をクリアすることもままならず、まともにタイムアタックできたドライバーは皆無!?だった。予選セッションは、3度目の赤旗中断でそのまま終了。
決勝は、曇り、コースは一部ダンプ、その後ドライコンディションで行われました。16番手スタートの関口雄飛選手が終盤までステイアウトする作戦で優勝。スターティンググリッドに全車が並び、グリッドウォークでごった返すファンの中を一人闊歩する関口選手。各車が装着しているタイヤを自らの目で確認していたのか、ウイングの角度を確認していたのか。小柄な体からは、レースに向けての闘志とものすごいオーラが感じられましたね。
決勝レースが無事行われて良かったですが、今回の大会の運営面では多くのクレームが出されていたのも事実だったのです。天候に関しては、誰もどうすることもできないけれど、近年は、急激に天候が変わるようなことが多い。それへの対処は十分だったのか。突然終了を告げられた予選に始まって、競技するエントラントに対して大会中のインフォーメーションにも混乱があった。国内に複数あるサーキットの運営体制のレベルには、はっきり言って違いがあります。設備の安全性には国際的な規定があるけれど、運営に関しては事細かな規定はなくて、「質」に関してかなり格差があるのは事実。メディアルームに行くと、多くのプレスが「オーガナイザーからの情報が少なすぎる」と多く不満を漏らしていた。
今シーズンから導入されたSF19は、素晴らしい性能のマシンであってラップタイムがアップもしている。参加車両の性のアップに運営面の<性能向上&質の向上>が伴っていないことが露呈している。 速さの追求に対して、一度立ち止まって、モータースポーツのスポーツ性は速さだけではないことを考える時期に来ているのかもしれないと思います。
これは、主催者のサーキットだけの問題ではなくて、プロモーターの役割も重大だと考えます。日本のトップフォーミュラであるスーパーフォーミュラをプロモートする役割は、枠を超えて将来への賢慮が必要となっている。
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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