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モーター スポーツ コラム 2018年10月1日

2018 WRC 第11戦ウェールズ・ラリーGB “やや季節外れのGB戦”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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私のような高齢のラリー関係者から見るとGBラリーが10月上旬に開催され、しかもシーズン最終戦でなくスペインとオーストラリアを残していることに若干の戸惑いを感じます。WRC発足以来GBは栄光ある最終戦の名門ラリーのイメージが定着しているからです。

それでもイベントが新入ラリーを加えてローテーションを始めた頃からGBが2-3年に一度位最終戦でなくなるケースが出てきました。ラリーを経済的に転戦させるため部品キットやサービス施設をヨーロッパ内外に振り分けて輸送するために伝統的順番を守りきれないことがあるのです。ちなみに私の現役時代の年間イメージは、モンテとスウェーデンで1月・2月、春先はポルトガル、イースターの時期はサファリ、日本のゴールデンウイークはコルシカ、初夏はアクロポリス、初秋はフィンランド、その後オーストラリア、そして最終戦は晩秋のGBでこれが終わればFIA表彰賞式とクリスマス。こんなリズムで毎年暮らしておりました。その他にニュージーランドやアルゼンチンのようにメーカーチームの拠点があるヨーロッパからは最も長距離の戦場がありました。

最終戦の場合、年によって違いますが最後の着順でその年のチャンピオンが決定するなどスリルを楽しむことがあり、その一方で既に年間の勝負が付いている場合には伝統ある名門ラリーの名誉のみをかけて戦うこともあります。色々な楽しみ方がありました。

しかし今シーズンは違います。一昨年のVW撤退後のドライーバー移動が落ち着いて各ワークスが目一杯の激戦です。10戦終了時でメーカーポイントはトヨタが逆転リード、ドライバーポイントではヌーヴィル、タナク、オジェが僅少差で並んでいます。

秋口の英国は天候不順がよく話題になります。公道の自動車競技が禁止されているのでステージは全て林道です。ウエットでのグリップが難しく、伐採された材木などの障害物にも注意が必要です。SSは中距離と短距離の組み合わせでスプリント戦を印象づける“工夫”があり短いコースで数秒稼ぐ際にコースアウトの罠もあります。特筆すべきは土曜日のSS9本、合計150キロがタイヤ交換以外は中間点ノンサービスであることでしょう。車を壊さぬように速く走るラリーの本質が見られます。最終日も距離が短いのでノンサービスです。

ラリー概要は次のとおりです。

 SS本数SS kmLiaison kmTotal km
L-1 (10/4-5) 9 112.37 km 454.99 km 567.27 km
L-2 (10/6) 9 150.24 km 459.33 km 609.57 km
L-3 (10/7) 5 55.52 km 186.70 km 242.22 km
Total 23 318.13 km 1100.93 km 1419.06 km
福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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