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モーター スポーツ コラム 2018年9月13日

R.I.P. Barrie ‘Whizzo’ Williams

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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先週の日曜日の朝、雨の岡山国際サーキット。
英国紳士が朝の挨拶とともに「バリーについてのニュースだけれど…」
その口調から悲しいニュースであることが分かりました。

その英国紳士は、ジェレミー・ロシター。そうジェームス・ロシター選手の父。4年ぶりに来日、息子のレースを観戦しに来ていたのです。土曜日にロシター氏とバリー【ウィゾー】ウイリアムズ氏の話をしたばかりだった。ロシター氏もウイリアムズ氏も英国ではツーリングカーやスポーツカーレースで活躍したドライバーであり、イギリスやヨーロッパのモータースポーツファンには有名な御仁。共にイギリス レーシングドライバーズ クラブのメンバー。

ウイリアムズ氏が英国時間の8日朝に亡くなられた。

氏とは80年代の半ばに国内メーカーが参戦し、イギリスで行われた世界ラリー選手権の最終戦で出会った。レーシングカート、ラリー、シングルシーター、ツーリングカー、そしてスポーツカー。近年ではグッドウッドのヒストリックカーレースで数々の栄光に輝いたウイリアムズ氏が現地のヘルパーとして協力してくれたのです。初対面で、とても陽気な、冗談を飛ばしながら、よく喋るおじさんとしか思わなかった。しかし、ステアリングを握らせると、とてつもなかった。どんなクルマも乗りこなしてしまって、速い。氏の経歴を知って、凄い人が加わってくれたと驚いた。

「バリー【ウィゾー】ウイリアムズ氏のことはもちろんご存知ですよね」
「当たり前じゃないか!なんで君はウィゾーのことを知っているんだい?」
「80年代にRACラリーで協力してもらったんです。彼がサポートのチェイスカーをドライブしているのに、競技車をぶち抜いたんで、スピードダウンさせるのに苦労しましたよ」
「どうだろうな。バリーらしいよ(笑)。でも、今彼は、病床にある。知っているかい」
「いや、知りませんでした」

と土曜日にロシター氏と言葉を交わした。ウイリアムズ氏のことが不意に思い出されたのはすごく不思議でなりません。

【ウィゾー=Whizzo】は、ミドルネームのように皆が彼のことをそうニックネームで呼んだ。その語源は定かではないけれど、【とてつもない奴】【凄い奴】という英俗語のようです。その仇名のように豪快、破天荒で痛快なおじさんだった。それが氏のレーススタイルそのものだったのでしょう。海外の各紙、Webサイトは訃報を掲載しています。そのキャリアは、なんとレース700戦、ラリー250戦と報じています。

晩年はイギリスマーシャルクラブの会長職にあったそうです。2017年に現役引退を表明。79歳の生涯。天に召されてもWhizzoは、豪快に飛ばしていることでしょう。ご冥福を祈ります。

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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