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モーター スポーツ コラム 2018年8月23日

最速の2位ドライバー

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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宮田莉朋

デジタルが生活に入り込んで、久しいですよね。 今や、アナログの方が少数派かな…。ボクが仕事を始めた頃は、ラップタイムを表示してくれるモニターなど存在ししなかった。 順位&タイム表示以外にもモータースポーツはデジタル無くして成り立たなくなっています。 デジタルは、便利。だけど非情。

ツインリンクもてぎで先週末に行われた全日本F3選手権、第10、11、12戦。スーパーフォーミュラと同時期開催。サポートイベントとして行われるので、予選は早朝。決勝も最後の第12戦は、最終プログラム。チームやドライバーも大変なのは分かっています。でもね、取材する我々も結構辛い。

今シーズンも、チームトムスの若きドライバーの牙城を誰が崩すかというシリーズ展開がやっと後半戦に入ったところ。

ふっくらとした頬。ちょっと口を尖らせながら、実に言葉を選びながらコメントする19歳、宮田莉朋選手。レーシングカートで多くのチャンピオンを獲得、2015年から4輪レースにも参戦。2016、2017年とFI-F4選手権を連覇。F3は、今年2年目。第6戦富士、第7戦岡山で勝っている。

もてぎの予選でチームメイトであり最大のライバルである坪井 翔選手に対してセクターのベストタイムをセクター1、2、3で記録しながら予選結果は全て2番手。何故?とお思いかもしれませんね。それは、セクターベストを叩き出しているのが別のラップだったから。そして、第4セクターでは、常に坪井選手に負けていた。これがハッキリと分かってしまうのが、デジタル。坪井選手をセクタータイムで上回ることができたと喜ぶか、それなのにポールポジションを獲れなかったと落胆するか…。彼の場合、後者だった。走行中のデータがコンピュータの画面上で一目瞭然に分かるデータロガーで両者の違いが明白となり、最速タイムを記録するためには何が足りないのかが分かる。しかし、それをドライビングで実現して、結果としてタイムアップするのは、ドライバーの仕事。アナログ時代だったら、<頑張るしかないね>という言葉で終わったかもしれないけれど、現代は、<ここと、ここで負けているのだから、こことここで0.05秒づつ詰められていたらポール獲れていたのに>と明確な指摘をされてしまう。第12戦の決勝でも彼は、坪井選手に対してセクターベストタイムを1、2、4で記録している。しかし、3戦ともに2位ゴールで終えた。

若きドライバーは、<課題>という言葉を発し、常に自分に突きつけて予選と決勝に臨んでいる。課題を克服して、ホッペを紅潮させてインタビューに答えて来ることを期待しています。デジタルデータを味方につけて…。

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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