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モーター スポーツ コラム 2018年5月14日

2018WRC第6戦 ポルトガル・ラリー “ラフ・グラベルの名門ラリー”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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WRC

このラリーは開催50年以上にもなる名門ラリーですが、古くはTAP(ポルトガル航空)ラリーという時代もありました。イベリア半島先端の縦に長い部分の北部の都市ポルト(オポルトとも言われますが)を中心にしたイベントで比較的表面の柔らかいグラベルの下層には瓦礫が潜んでいる路面です。天候が良ければものすごい埃でしばしばSSスタートが3分間隔の処置がとられます。

1967年に初開催、昨年50周年を迎えたポルトガル・ラリー。長い歴史のあるラリーですが一時は安全対策の問題で中断の時期があったり、再開後はしばらく開催場所を南の保養地アルガルベに移したりしましたが、現在では北部のポルトに戻りました。

10年間以上グラベルラリーのSSスタート順でFIAを悩ますこの問題、発端はオーストラリアでしたが長い議論の中でポルトガルとサルディニアもその主役でした。ドライバーやマシンが格段に優れている場合、先行車不利であっても最終日には優れたドライバーは高い能力でハンデを乗り越えてしまう。それがローブであり、VW時代のオジェでした。現在ではメーカー間の実力が接近してきましたのでこのハンデは簡単に乗り超えること困難です。そして混戦になります。見ている方はこれを面白いといいます。そんな時代に入ったのでしょう。

ポルトガル・ラリーを有名にしたのがファフェのジャンピングポイントです。フィンランドのオウニンポウヤやアルゼンチンのエル・コンドルそれにモンテのチュリニ峠などと共に名物SSになっています。本年も最終日のパワーステージを含め2度使用されます。この短い峠道に数万人の観客が歓声を上げる風景は名所と呼ばれるにふさわしいSSです。

第5戦までのポイントをおさらいしておきましょう。

フォードのオジェが3勝、ヒュンダイのヌーヴィルと先回アルゼンチンで移籍後初優勝したトヨタのタナクがそれぞれ各1勝です。5戦終了時のポイントは、オジェ 100pt、ヌーヴィル 90pt、タナク 72 pt、ミケルセン 54 pt、ソルド 45 pt、ミーク 43 pt、ラッピ 40 pt、ラトバラ 31 pt、と続きます。ヒュンダイ勢が堅調、トヨタは期待のラトバラとラッピが不運もあり低迷です。
上位2台合計のメーカーポイントでは成績堅調のヒュンダイが144ptでリード、フォード129ptとトヨタ124ptが僅差です。シトロエンはミーク孤軍奮闘気味で93ptです。

ポルトガル・ラリーはメーカーチームそれぞれ3台体制ですが、ミーク、ラッピ、ラトバラあたりの初日スタート順が有利なのでこれを活かせば面白い展開となりそうです。
各メーカーチームはこれまでに2018モデルの技術的問題を修正し体制としてのウオームアップができつつありますので激しい戦いになることを期待しましょう。

ラリー概要は次のとおりです。

 SS本数SS kmLiaison kmTotal km
L-1(5/17-18) 9 152.02 km 552.80 km 704.82 km
L-2(5/19) 6 154.64 km 446.96 km 601.60 km
L-3(5/20) 5 51.53 km 225.13 km 276.66 km
Total 20 358.19 km 1224.89 km 1583.08 km
福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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