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モーター スポーツ コラム 2018年4月23日

2018WRC第5戦アルゼンチン・ラリー “最果ての南米冒険ラリー”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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WRC

シーズン始めの特殊路面や今年初めてのターマックを経験した各チームは、一路南米への冒険旅行に向かいます。早くも4戦を終えましたが、ファクトリー・チームは、はっきりとした先がみえていません。ドライバーポイントでは頭脳的ドライブのオジェが優勝3回と抜け出しつつあります。ヌーヴィルは1勝しましたが今ひとつ迫力に欠けます。ポイント3位以下はダンゴ状態です。上位2台の合計争われるメーカーポイントになると少し様相が変わってきます。チーム2番手、3番手ドライバーが支えないと優勝チームといえども大差がつかないのです。その結果ヒュンダイ111ポイント、フォード107、トヨタ93など1戦ごとの成績で逆転する範囲の争いになっています。フォードは第2ドライバー不足、シトロエンはローブ投入も不運の後退、ヒュンダイは第2、第3ドライバーが何とか交代で下支えしてメーカー・ポイントリーダーに、トヨタは3台体制が整ったもののエースのラトバラが不運で今一つの元気なく、今後に期待といったところでしょうか。このような状態でアルゼンチンは各ファクトリーが3台、計12台のフル・グリッドとなります。

このラリーは1980年から原型のコダスール・ラリーを含め今年で38回目の開催です。広大な国土と豪農に支えられた豊かな国ですが途中で革命もありました。ファンジオやロイテマンなどのF1ドライバーなど輩出した国で熱狂的なモータースポーツファンが多い土壌です。ヨーロッパの箱庭的美しさと比べると無限の広さを感じる大草原(パンパ)やガウチョと呼ばれるカウボーイ、荒っぽい大型バーベキュー、それに名物コースであるエル・コンドルの月面状の奇岩などエキゾチックなイメージがあります。

FIAの会長のトッド氏や過去の有名ドライバー、監督クラスの人々の思い出話に出てくる話題はサファリとともにアルゼンチンが非常に多いのです。過去の記録を見るとランチアが7勝、シトロエンがローブ時代に6勝しています。ドライバーではローブが5勝、ビアシオン、サインツ、マキネンがそれぞれ3勝です。 ラリーは首都ブエノスアイレスから約700キロ北の同国2番目の都市コルドバ郊外の保養地カルロス・パスをベースに開催されます。標高はメキシコ程ではありませんがやや高い場所が主戦場です。季節は南半球ですから秋ですが高い標高のため霧や一部凍結まで考えておく必要があります。

路面はソフトな悪路です。SS2度使用の2本目は1本目より轍が深くなっている可能性が有り、これを考えると先行スタートが必ずしも不利とはならない局面もあるでしょう。最終日は極悪路とエル・コンドルの月面走行がありパワーステージになっています。今年のエル・コンドルは昨年の逆走で昇りになるそうです。あとは天候の加減で事前に雨天が多ければウォーター・スプラッシュもかなり深いものになるでしょう。アクロポリスがWRCから外れた現在では、耐久的なラリーの一つとして大変興味があります。ドライバーの体力と頭脳力が試されるラリーです。

ラリーの概要は次のとおりです。

 SS本数SS kmLiaison kmTotal km
L-1(4/26-27) 8 156.10 km 512.01 km 668.11 km
L-2(4/28) 7 146.88 km 198.11 km 344.99 km
L-3(4/29) 3 55.27 km 232.28 km 287.55 km
Total 18 358.25 km 942.40 km 1300.65 km
福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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