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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Ben’s Foot! notes 2018年01月10日

Week 22 - FA Cup third round

foot!
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(1)Mark Robinsとコヴェントリー・シティ

FAカップ3回戦と(Mark Hughesと)縁がある、Mark Robins
●2017年3月よりコヴェントリーの監督を努めている、Mark Robins。
●伝説によればAlex Fergusonのキャリアを救った、Robinsだ!
●1990年1月7日、マンチェスター・ユナイテッドがFAカップ3回戦でノッティンガム・フォレストとアウェイ戦を臨んだ。
●ファーガソン監督は就任して4年目だったが、タイトルはまだ一つも取っていなかった。
●リーグでは20チーム中15位で残留争いに巻き込まれていた(順位表はこちら)。
●残留はできたとしても、唯一残ったタイトルの望みはFAカップだった。敗退すれば、解任が濃厚という噂でマスコミが盛り上がっていた。
●しかも、相手は名監督Brian Cloughが率いるフォレストだった。欧州2連覇も果たしていたCloughにとって、FAカップが唯一取ったことが無かったタイトルだった為、モチベーションがかった。
●フォレストがホームだったし、ユナイテッドは怪我人も居たので、フォレストが普通に買ってファーガソンが解任されるだろうとの予想が多かった。
●しかし、怪我人続出のおかげで先発に選ばれた、アカデミー出身のMark Robinsがゴールを決めて、ユナイテッドが0-1で勝利した。
●これでファーガソンのキャリアを救ったとされた。本当は、ファーガソンがアカデミーを強化したことによりクラブ幹部に評価されていたので、恐らく噂されたほど解任の可能性はなかっただろうが、Robinsがこれである意味「伝説」となった。
●因みに、あの日、Robinsと2トップを組んだのは、Mark Hughesだった。

コヴェントリー:クラブにとって苦しい17年間
●コヴェントリーは1987年のFAカップ優勝チームだった。決勝戦では3-2でスパーズに勝利した。
●1967年にクラブ史上初の1部リーグへの昇格を果たしてから、2001年まで34シーズン連続、トップリーグでプレーした。
●特に1990年代には毎年のように残留争いに巻き込まれていたが、Gordon Strachanなどの指揮下で何度も劇的な残留を決めた。
●しかし、2001年に降格して以来、苦しい時期が続いている。
●特に、2007年にSISUという投資家団体がクラブを買収して以来、状況が益々悪化している。
●リーマンショックの一年前だった当時、金融界に傲慢な雰囲気があった。SISUはその一例であり、ちょっとでも投資すれば2部からプレミアリーグへ復帰させるのは簡単だろうという思い込みがあった。それさえできればクラブを高く売却できるという、投機的なプランがあった。
●しかし、フットボールはそう簡単には行かないし、リーマンショックの影響で経済も急に悪化した。
●2012年に3部へ降格。2013年には破綻しそうになり、勝点剥奪ペナルティを課せられた。
●そして、2005年に新しくできたリコー・アリーナはクラブの持ち物ではなく、市営のものになった。
●2013年、SISUがより安い「家賃」を交渉できると思い、スタジアム使用契約の更新を断ったが、ビジネスのアプローチが甘過ぎて、賃貸ですらホームと呼べるスタジアムがなくなってしまった。
●その為、1年間、52kmも離れたノーサンプトン・タウンのスタジアムを借りざるを得なくなった。
●その間、Waspsというプロラグビークラブがリコー・アリーナを買収した。
●2014年からコヴェントリーがまた「賃貸」でリコー・アリーナに戻ったが、お金にしか興味がないくせにビジネスも下手なオーナーがサポーターに嫌われ、抗議がずっと続いている。
●そのオーナーにもう1ポンドでも払いたくないとのことで、試合に行かなくなったサポーターが非常に多い。3万2600人キャパのスタジアムだし、10年前は普通に2万人以上入っていたところ、今季の平均観客動員数はわずか7500人。
●しかも、「応援」というよりも「SISU、出て行け」という雰囲気の中で試合が行われる。
●その為、選手も監督も「アウェイ戦のほうがやりやすい」とコメントしたことがある。
●2017年には3部リーグから降格し、今季は1959年以来初めて4部リーグでプレーしている。
●現在3位。


(2)新加入のVirgil van Dijkにとって最高のデビュー
●コウチーニョの移籍に先立ち、同じく夏から濃厚とされていたVirgil van Dijkのリヴァプール移籍もついに叶った。
●そしてデビューとなったFAカップのエヴァートン戦で決勝ゴールを決めて、夢のようなスタートだった!
●得意とされる空中戦で頭から決めたのは、尚更良かった?

「空中戦が強いイメージだから、セットプレーの守備が弱いイメージのリヴァプールにとって良い補強...」
●イメージとしてこの通りだが、実際はどうかな?
●今季のプレミアリーグでは、Van Dijkの空中戦での成功率は74%。
サウサンプトンに加入した2015/16シーズンも74%だったし、2016/17は76%だった。
2.5シーズン平均で74%、常に成功率が高いデータだ。
●しかし、だからといって空中戦の「守備」が堅いと言えるのか?
●実は「空中戦が強い」というイメージは攻撃時から出来ているかもしれない。
エヴァートン戦のゴールもヘディングだったし、昨シーズンのプレミアリーグで唯一決めたゴールもヘディングだった(2016/17シーズン、第18節、SOU 1-4 TOT、サウサンプトン先制点)。
●今季のプレミアリーグでは、Van Dijkは相手エリア内での空中戦について、成功率が77%に上る。

自陣のエリア内では、LovrenもMatipもVan Dijkよりも空中戦のデータが良い!
●一方、Van Dijkは自陣のエリア内での空中戦については、今季の成功率がわずか56%だ。
2015/16シーズンは69%、2016/17は63%だった。2.5シーズン平均で64%の成功率だ。
●それは決して悪い数字ではない。古いタイプのCBである、レスターのWes MorganとストークのRyan Shawcrossが同じ2.5シーズンでは63%の成功率(自陣のエリア内)だった。
●しかし、守備の穴とされるDejan Lovrenは同じ2.5シーズンで、自陣エリア内の空中戦では成功率が69%だ。(リヴァプール1年目も含めて3.5シーズン平均にしても69%だ。)
(Lovren: 2014/15: 68%、2015/16: 100%、2016/17: 62%、2017/18: 44%)
●また、昨シーズン加入したJoel Matipも加入して以来の1.5シーズンで、自陣エリア内の空中戦では成功率が65%だ。
●つまり、自陣エリア内での空中戦について、LovrenもMatipもVan Dijkよりもデータが良いのだ!

だが、高いラインではVan Dijkが守備の要になるという期待も
●しかし、エリア外での空中戦については、Van Dijkはサウサンプトン移籍後の2.5シーズンで成功率が81%だ。(それに対して、Lovrenは同じ2.5シーズンで71%だ。)
●つまり、セットプレーの守備ではあまり変わらないにしても、高いラインでの守備ではVan Dijkのスキルは重要となってくるかもしれない。
●そして、リヴァプールは攻撃時のセットプレーも強くなるかもしれない。
出典: Eastbridge-SB.com

空中戦のデータ
●前ページのデータを表で纏めたものである。
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