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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Ben’s Foot! notes 2017年12月13日

Week 18

foot!
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(1)前半:シティのすごさについて

Pep Guardiola、試合後コメント
●"We won because we were better in every department. We are an honest team. When a team has the courage to have 65 to 70 or 75% ball-possession it is because it wants to try to play and that is what we have done. We are clear, we are open and we want to attack.
我々が勝ったのは、全ての面で我々が上だったからだ。我々は正直なチームだ。65〜70%、もしくは75%のポゼッションをする気概があるのならば、それはチームがチャレンジし、しっかりとしたプレーをする意志があるからであり、まさに我々がしたことだ。その点で我々は明確であり、オープンであり、攻撃をする意志もある。
●"People said we could not play this way in England. They said we couldn't play the way we did in Barcelona but it is possible and we did it. Always I believed we could do it. That's why football is so beautiful."
人々は、イングランドではこうしたスタイルでのプレーはできないと言ってきた。バルセロナでやってきたようにはできないとね。でも、それは可能であり、我々はそれを示した。私はいつだってできると信じていたし、だからこそ、フットボールはこれだけ美しいんだ。
https://www.theguardian.com/football/2017/dec/10/jose-mourinho-manchester-city-manchester-united-ander-herrera
翻訳:桐谷 圭介

Daniel Taylor、The Guardian紙
●The team in blue left the impression they were in a hurry to finish this season's title race and though it still feels ridiculously early, with snow on the pavements and advent calendars two-thirds unopened, who can possibly see a way back now for Manchester United or anybody else from the chasing pack?
雪が路面を覆い、アドベントカレンダーも3分の2がまだめくられぬまま、まだバカげたほどに早い時期だが、シティは大急ぎでタイトル争いの決着をつけようとしているかの印象を残した。マンチェスター・ユナイテッドであれどこであれ、後続集団のチームはどうすることができようか?
●Far more likely, the gap will just keep growing and Jose Mourinho might have to realign his sights to the cup competitions. It feels like we are watching one of the most exhilarating one-horse races there has ever been in England's top division and, as far as the championship goes, that surely is that.
トップとの差は開き続け、ジョゼ・モウリーニョも視線をカップ戦のタイトルへと移さねばならなくなる、という方が、遥かにあり得る話だろう。今のプレミアリーグの流れでは、イングランドのトップリーグの歴史でも際立って清々しいほどの独走レースを見せられている気分だし、優勝もほぼ確定と言って良いだろう。
https://www.theguardian.com/football/2017/dec/10/manchester-united-city-premier-league-match-report
翻訳:桐谷 圭介


(2)纏め:他のライバルも勝点を落とし、もう優勝争いが終わり

第16節終了時点での順位表(BIG 7)
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●今節で3位チェルシーも敗れ、4位リヴァプールと5位アーセナルも引き分けた。
●どんどん勝ち点差が広がった。

Antonio Conte、ウェストハム戦の試合後コメント
●"My experience is this: if you want to stay in the race for the title, in the first part of the season you can lose once or twice. After 16 games, if you lose four, it means you never started this race.
私の経験ではこうだ。もしタイトル争いに残っていたいのなら、シーズンの序盤に1度や2度負けても大丈夫だろう。16試合終わって4敗もしているようでは、そもそもタイトル争いに加わってすらいないということだ。
●"I said before that this season would be very, very tough, very difficult, and this is the truth. If you want to stay in the title race, you must give continuity - continuity in the result. This is not our case this season."
前にも今シーズンは凄く凄くタフになるはずと言ったが、それは真実だ。タイトル争いに残っていたいなら、継続性 - 結果の面での継続性が必要だ。今シーズンの我々二、それは当てはまらない。
https://www.theguardian.com/football/2017/dec/09/antonio-conte-chelsea-west-ham-title
翻訳:桐谷 圭介

優勝争いが終わったのか
●普通はクリスマスが終わるまで何とも言えないが...
●これからは優勝争いというより、シティのすごさが一番大きな楽しみ?
●Daniel Taylor記者が言ったように、1強でもこのシティなら魅力的過ぎる。


(3)後半:アラダイス曰く、イギリスのクラブは英国人監督を嫌う

クーマン解任後(そしてレスターのピュエル監督就任後)、アラダイスが不満を表す
●ロナルド・クーマン前監督が解任した10月23日の4日後、サム・アラダイスはカタールのbeIN Sportsというテレビ局(の外国人・外国向けコンテンツ)にて出演し、非常に気になるコメントを残した。
●イギリス人監督は、イギリス国内で嫌われているのか?

Sam Allardyce, beIN Sports、10月27日(エヴァートン監督就任の1ヶ月程前)
●"You [as a British coach] are almost deemed as second class because it's your country today.
「最近じゃ、自国の指導者っていうだけで、2流の監督だと思われるんだ。」
●"It's a real shame on the fact that we are highly educated, highly talented coaches now with nowhere to go.
「素晴らしく教育されていて、才能に溢れた指導者たちが行く当てもない、という事実は本当に残念だ。」
●"The Premier League is a foreign league in England now."
「今やプレミアリーグは、イングランドにある海外リーグだ。」
出典:
https://twitter.com/FootballCliches/status/923909101985435648
https://twitter.com/FootballCliches/status/923909497541812224
https://twitter.com/FootballCliches/status/923909823510523905
翻訳:桐谷 圭介


(4)イギリス人監督の仕事を奪っているのは誰だよ?

Brexitとの関連性が深い発言だが...
●なるほど。カタールという外国のテレビ局で、イギリス人しか出演しない番組でイギリス人がこんな話をするのは、多少の皮肉にはなるだろうが、確かにプレミアリーグの国際化が急ペースで進んできたように感じる。
●そして、「イギリス人の仕事は外国人によって奪われている」という思いは、Brexitに繋がった思いと同じであろう。
●しかし、Brexitの場合はそれが「思い」というより「思い込み」だった。根拠が非常に怪しかったというか、完全に間違っていた。
●そういうこともあるので、アラダイスの言葉をそのまま受け入れる前に、その根拠や実際の状況を一度調べておいたほうが良いかもしれない。
●ということで、ベンはここ4シーズンのプレミアリーグでの監督交代を調べてみた。
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ここ4シーズン、監督交代が合計42回。その内、イギリス人監督が就任したのは18回。だがその内...
●監督代行を除くと、ここ4シーズンでプレミアリーグのクラブが監督を交代したことが42回あった。
●監督に就任した延べ42人のうち、外国人監督が延べ24人。イギリス人監督が延べ18人。
●つまり、監督の仕事に就く7人に4人は外国人、3人はイギリス人。
●確かにイギリス人監督は半分以下。
●だが、これは選手と比べるとイギリス人の割合がまだ多いし、世界一のリーグを目指すプレミアリーグでは、イギリス人としてもこれくらいの割合は全然悪くないと思われる。
●しかし、それよりも心配なことは、そのイギリス人監督の年齢にある。
●ここ4シーズン、プレミアリーグで監督の仕事に就いたイギリス人延べ18人のうち、50歳以上は16人、40代かそれ以下は僅か2人だ。(Tim SherwoodとPaul Clement。)
●若いイギリス人監督にとって、Eddie HoweやSean Dycheのように自ら2部から昇格させるのが、プレミアリーグの仕事へ唯一の道となっている。


(5)特に降格から救われたがるクラブには、ある傾向が強い

外国人が、というより、「お決まりの」50歳以上のイギリス人が若いイギリス人の仕事を奪っているか?
●外国人監督がイギリス人監督の仕事を奪っている、というより、50歳以上のイギリス人監督が若いイギリス人監督の仕事を奪っている、というべきかもしれない。
●プレミアリーグでは、プレミアリーグで監督経験の無くて若いイギリス人が最後にフルタイム監督の仕事に就いたのは2013/14シーズンのGarry Monk(スウォンジー)だ。(そのシーズン、Tim Sherwoodもスパーズ監督に就任した。)
●そして今季は傾向が更に著しくなっているかもしれない。
●今季の途中で監督を変えた5クラブのうち、4クラブは50歳以上のイギリス人を選んだ。
70歳のHodgson、54歳のMoyes、56歳のPardew、そして63歳のAllardyce。
●この顔は既に何度も見られてきたね!2週間前のThe Sun等が報道したように、完全に「お決まりの顔」になっている。
●その4人と、ウェストブロム監督を解任されたTony Pulis(今季中、ウェールズ代表かスウォンジーの監督に就任する可能性が高いと見られている)のキャリアを振り返ってみると、ちょっと面白いパターンが分かる。
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●最近のプレミアリーグでは、スモールクラブとは言えず中堅クラブであり、本当はもっと上のものを目指したいと言いながら、多少残留争いに巻き込まれやすいクラブと言えば、上記の6クラブが当てはまるだろう。
●そして、いずれもAllardyce・Hodgson・Moyes・Pardew・Pulisのうち、2人か3人、4人でも使ったことがある!
●上記の表では、マス目が半分以上埋まっている!一番「リーチ」に近い監督はアラダイスだ。そして一番「リーチ」に近いクラブはクリスタルパレス。今度の機会に是非モイーズを!(笑)

英国内では、「いつもお決まりの顔ばかり選ばれる」という結構が残念とも思われている
●理由ははっきりしている。
●エヴァートンはKoeman、クリスタルパレスはDe Boerなど、余裕があると思ったときには上を目指す為にもっと面白い監督選択をするケースもある。
●しかし、余裕がなくなり、残留争いに巻き込まれたときは、「保障」を欲しがる。
●プレミアリーグ未経験の監督だと、強くなるかもしれないが、失敗に終わるかもしれないので、とにかく「降格はさせない」監督を選びがち。
●特に、プレミアリーグの放映権料が高騰した今はこの傾向が強くなった。
●しかし、この流れにより、若いイギリス人監督がなかなかプレミアリーグチームの監督になれないのも残念だし、いつも同じ顔だから新鮮さに欠けるという声もある。
●今季のエヴァートンやウェストブロムには、AllardyceやPardewよりも、面白い監督は居なかったかな?


(6)Daily Telegraph紙が提案する「もっと面白い監督7人」
●AllardyceとPardewの就任を受けて、Daily Telegraphがこの特集記事を掲載した。
●世の中にもっと面白い監督がいる!あのイギリス人のおっさんより取れば良かったのに!と。

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