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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
Week 11 - UEFA Nations League
来年からキックオフする、新たな大会!
●今度は中国共産党の話ではありません。
●来年の9月より、2年に一度行われる代表チームの大会がヨーロッパで始まる。
●代表戦の数が増えるわけではなく、通常通りの代表ウィークで行う大会だが、
この大会の導入により、代表サッカーで初めて「昇格」「降格」も導入されることになる。
●その大会は、「UEFA Nations League」というものである。
欧州55ヶ国をまず4つのリーグに分け、そのリーグもそれぞれ4つのグループに分ける
League A (12チーム=3チーム×4グループ)
●ドイツ、ポルトガル、ベルギー、スペイン、フランス、イングランド、スイス、ポーランド、アイスランド、クロアチア、オランダ
League B (12チーム=3チーム×4グループ)
●オーストリア、ロシア、スロバキア、スウェーデン、ウクライナ、アイルランド、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、北アイルランド、デンマーク、チェコ、トルコ
League C (15チーム=3チーム×1グループ、4チーム×3グループ)
●ハンガリー、ルーマニア、スコットランド、スロベニア、ギリシャ、セルビア、アルバニア、ノルウェー、モンテネグロ、イスラエル、ブルガリア、フィンランド、キプロス、エストニア、リトアニア
League D (16チーム=4チーム×4グループ)
●アゼルバイジャン、マケドニア、ベラルーシ、ジョージア、アルメニア、ラトビア、フェロー諸島、ルクセンブルク、カザフスタン、モルドバ、リヒテンシュタイン、マルタ、アンドラ、コソボ、サンマリノ、ジブラルタル
初回大会は2018年9・10・11月の代表ウィークに行われる
初回大会だけ、リーグの振り分けはランキングによって決められる。以降は昇格・降格
●各リーグはそれぞれ4つのグループに分けられ、H&Aの総当たり戦を行う。
●例えば、イングランドの入るLeague Aは3チームで4つのグループに分けられる。
●だから、イングランドは例えばドイツとベルギーと同じグループに入れば、その2チームとそれぞれ2回対戦し、合計で4試合をすることになる。
●League Aの4グループからは、それぞれの首位チームが2019年6月に決勝T(準決勝・3位決定戦・決勝戦=2試合ずつ、合計4試合)で優勝を争う。
●尚、今回だけリーグの振り分けはランキングによって決められたが、これからは昇格と降格によって決められる!
●League A?Cでは、各グループの最下位チームは降格し、次回(2020年)の大会では一つ下のリーグでプレーすることになる。
●一方、League B?Dでは、各グループの首位チームは昇格する。
●つまり、仮想のグループでイングランドがベルギーとドイツに全敗すれば、次回はLeague Bでプレーすることになる!
この大会の目的・メリット
●代表戦を盛り上げること。親善試合よりも大きな意味をもたらすこと。
昇格・降格の導入によって、新鮮さを与えること。
●同じレベルの相手同士で対戦することにより、競争を盛り上げること。特に強豪国にとって、公式戦のビッグマッチが増えること。
●また、弱小国にとっても、いつものように公式戦で格上のチームに負け続けるパターンより離れ、昇格などのかかった試合で同じレベルのチームと対戦する(=勝つ可能性がある)。それにより、夢を与えて、弱小国までレベルアップを図ることが出来る?
この大会のデメリット
●親善試合の機会が減る為、自由に日程を組むことが難しくなる。
●例えば、イングランドは既に影響・強化の両目的でフランスやブラジル、ドイツといった強豪国と頻繁に親善試合を行っている。アイスランドやスイスと同じグループに入れば、そういった親善試合よりも集客力がむしろ減るリスクもある。
●3チームのグループの場合は、最終戦を行うタイミングがバラバラになる。
●また、フォーマットも分かりにくく、日程もややこしくなるという声もある。
EURO予選の開始が遅れる中、一体どのような日程へ?
大まかな日程
●本来は、W杯が終わった後、同年9月の代表ウィークよりEURO予選が始まるが、今後はEURO予選が翌年の3月より始まる。
●この新しい「UEFA Nations League」は9・10・11月の代表ウィークに行われる。
●それぞれの代表ウィークには通常通り、各チームが2試合を行う。
●League CとLeague Dの4チームグループではそれぞれ6試合を戦うので、各代表ウィークに2試合ずつ戦うことになる。
●しかし、イングランドのGroup Aなど、3チームグループの場合は、2試合分の日程が余るので、そのときには親善試合を開催することができる。
●そして、2019年3月より始まるEURO 2020の予選では、55チームが10グループに分けられる。
●5チーム×5グループ、6チーム×5グループ、ということになる。
●尚、2019年6月にNations Leagueの優勝プレーオフ(決勝T)を争うチームは予定を空ける為に必ず、EURO 2020予選では5チームのグループに入ることになる。
●EURO予選では、5チームグループの場合は、Nations Leagueの優勝プレーオフに出場するチーム以外は2つの親善試合を行う余地が出る。
●しかし、6チームグループの場合は、2019年のすべての代表戦は予選になる。
●これまで、奇数年の11月には予選プレーオフが行われてきた。今年の11月にもW杯予選のプレーオフが行われる予定だ。
●しかし、2019年にはその時間がなくなる。
●その代わりに、EURO 2020の予選では全10グループの首位チームと2位チームは本大会へストレートインすることになる。
全てをややこしくする、2020年3月のプレーオフ
全10グループの首位・2位チームだと20になるがEURO本大会は24チームだよね?
●これで全てがややこしくなる。
●実は2020年3月の代表ウィーク、つまり、EURO 2020の本大会が開幕する2ヶ月ちょっと前に、プレーオフによって最後の4枠が決められる予定。
●しかし、その4枠はEURO予選の成績によって決められるわけではない。
●その代わりに、2018年のUEFA Nations League成績によって決められるのだ。
League A〜Dについてそれぞれプレーオフを行い、それぞれ1チームがEUROに出る
●2018年のUEFA Nations Leagueでの、League A~Dのそれぞれの成績順で、
EURO予選で本大会出場権を獲得できなかったチームを対象に、16チームで4つのプレーオフが行われる予定だ。
●つまり、League Aより上位4チーム(但し、EURO予選で本大会出場権を獲得したチームは除く)で準決勝・決勝のプレーオフを行い、決勝で勝利する1チームにEURO出場権。
●League B、C、Dも同様。
●つまり、最もランキングの低いLeague Dから、最低でも1チームが必ずEURO本大会に出場することになる!
●アゼルバイジャンなどに夢がある!!
プレーオフを行う為に必要なチーム数を満たさない場合は、下のリーグより繰り上げる
●League Aの12チームのうち、9チーム以上が普通のEURO予選で出場権を獲得する場合、プレーオフを行うチーム数が足りなくなる。
●その場合は、League B以下のチームを繰り上げてLeague Aのプレーオフを行うことになる。
●League B以下のチームについて、上位チームはそのリーグのプレーオフに入り、繰り上げの場合はその下のチームを繰り上げることになる。
●つまり、League Aへ1チームを繰り上げる必要がある場合は、League Bの上位4チームはLeague Bのプレーオフを争い、5位チームはLeague Aのプレーオフに繰り上げられる(=より難しい相手と対戦する)。
全てをややこしくするだけではなく、駄目にする「繰り上げ」
「繰り上げ」という言葉、Jリーグ2ステージ制の考案から覚えていますか?
●そうですよ。「繰り上げ」ということが入ると、大会フォーマットが駄目になってしまう可能性が高い!
●実は、この大会の「繰り上げ」も同様だ。
Nations LeagueとEURO予選で全敗しても、最後2試合だけ勝って出場権獲得
●先程、仮想のNations League順位表ではイングランドが全敗で最下位だった。
●もし、それに続いて、EURO予選でも全敗しても、
それ以外のLeague Aのチームが8チーム以上、EURO本大会の出場権を獲得する場合、イングランドはLeague AのプレーオフでEURO本大会の出場権を争うチャンスを貰う。
●このフォーマットは、強豪チームにセカンドチャンスを与える為にあるのか?
●最近のオランダのように強豪国が本大会を逃すのはUEFA的に都合が悪いのでは?
一番駄目なこと:「負けたほうが有利」というケースが出る可能性がある
●Jリーグの考案と同じことです。
●以上の、仮想EURO予選では、イングランドの最終戦がベルギー戦だとする。
試合前の順位表が以下の通り。
●ベルギーが引き分け以下の場合は3位になるので、EUROストレートインにはならないが、Nations Leagueの成績によってLeague Aプレーオフに出ることになる。
●しかし、League Aプレーオフにベルギーが出ることになれば、イングランドにはそのLeague Aプレーオフに出る枠が足りなくなり、セカンドチャンスはならず即敗退になる。
●その為、League Bだったスウェーデンではなく、同じLeague Aのベルギーがストレートインになったほうが、イングランドにとってLeague Aのプレーオフに出てセカンドチャンスを貰うことになる。
●つまり、最終戦はベルギーに負けたほうがイングランドにとって有利だ!
その他、駄目なこと
Nations Leagueの段階でも、「負けて降格したほうが有利」というケースもある
●League Dにまでプレーオフを行い、EURO本大会に1つの出場枠を保障するのであれば、なかなか大きな大会に出られていない中堅国にとっては、Nations LeagueでわざとLeague Dまで降格し、League Dプレーオフで出場権を狙ったほうが、長い目で見ると有利かもしれない。
League Dプレーオフの目的は本当に純粋なのか?
●League Dにまでプレーオフを行い、EURO本大会に1つの出場枠を保障するのであれば、アゼルバイジャンにも夢がある!という話を先に紹介した。
●因みに、そのアゼルバイジャンは一度も大きな大会に出たことがないが、経済力は持っており、13各国で開催されるEURO 2020ではグループステージと準々決勝を開催することになっている。
●League Dのプレーオフは、その経済力のあるアゼルバイジャンを本大会に出場させる為に設けられたのでは?
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