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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Ben’s Foot! notes 2017年09月20日

Week 6 - 発音シリーズを本番に

foot!
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Week 6 - 発音シリーズを本番に

はじめに
●『Foot!』公式ツイッターの人気コーナー、発音シリーズ!
●選手やチーム名の発音が気になる、視聴者の方が多いようだ。
●ベンも、頭の中にある名前を、解説時や『Foot!』時に日本語へコンバートすることに苦労することがしばしばある。
●だから、幾つかのパートに分けて、幾つかの事例を取り上げて、幾つかの難しい名前とその理由を紹介していきたいと思います!


前提
●どの国やどの言葉であっても、人名や地名など、訳さない・訳せない固有名詞の発音が難しく、完璧にはできないことが普通だ。
●例えば、「野村明弘」と「Akihiro Nomura」。
●イギリス人で真面目な人ができるだけ丁寧に発音しても、日本語を知らない限り、
「野村明弘」を日本語と同じ発音で言えるわけがない。
●特に、「r」の部分は日本語の「ラリルレロ」ではなく、英語の「r」になってしまう。
●しかし、そこは避けられないことだ。
●それぞれの母語に存在する「音素」が異なっているのは仕方がないし、自分の母語に存在しない音素を発音するのは基本的に難しい。
●ベンの場合でも、「Ben Mabley」と「ベン・メイブリー」の発音は全体的に違う。
●一番大きな違いはやはり「l」のところにあるが、
厳密に言えば「Ben」と「ベン」の発音まで微妙に違う。
●しかし、そこは細過ぎるし、みんなそれぞれの訛りとアクセントが当然あるわけだ。
●日本語にある「音素」で「Ben」という人を「ベン」と呼べば、十分自然に聞こえるし、
通じないことが一切ないはずだ。
●自分の母語に存在しない音素が発音できないのは、避けられないことだし、避けなくて良いことだと思う!

しかし、ここはおかしいぞ!と思わされる名前の発音がたくさんある!



事例1: Andros Townsend

カタカナ表記が確かに統一されていないが...
●名字の「Townsend」について、
「タウンゼント」や「タウンゼン」という、複数のカタカナ表記があるよね。
●どちらに統一したほうが良いか、と『Foot!』のスタッフに問い合わせされたこともある。
●さて、どっちなのか?
タウンゼント?
タウンゼン?
●正解は、どちらでも無いぞ!
どちらも間違っていて、ネイティブの耳ではめっちゃおかしく聞こえる!

問題はどこなの?
●「タウンゼント」と読めば、
「Townsendo」じゃないよ、「Townsend」だよ、と言われる。
その最後にある「o」は要らないよ!
●ただ、「ト」ごと取って、「タウンゼン」と読めば、
「Townsen」じゃないよ、「Townsend」だよ、と言われる。
なんで最後の「d」まで言わないの!

だけど、カタカナ表記ではそのどちらかになるだろう。
避けられないことは仕方がないって、さっき言ってなかった?

ポイント:カタカナは外国の名前を表記するのに全く適していない文字だ!

●私は気をつけて言葉を選んだ。
●自分の母語に存在しない「音素」があれば、仕方がないので、母語に存在して一番近い「音素」で発音しても構わないと思うよ。
●しかし、「音素」と「文字」は違うのだ。
●「文字」の感覚から、「音素」の感覚を分ける必要がある。
●カタカナという文字は確かに音を表す文字だが、これはいわゆる「音節文字」である。
カタカナが表す音は、「音節」である。
●実は「ア・イ・ウ・エ・オ・ヲ・ン」の7文字を除き、日本語のカタカナで表す「音節」はすべて、複数の音素から構成されている。
●基本的に、「子音+母音=2音素」から構成されている。


そう言われても、日本語ではそんな感覚が無いんだけど...
●カタカナ(とひらがな)は確かに、日本語に存在する音を表す為に素晴らしい文字だと思う。
●だが、世界のどの言葉と同じように、日本語の音節も「子音」や「母音」といった「音素」から構成されている点は変わらない。
●日本語にそういう感覚が実はある、という証拠は、五十音図そのものにある!

0015_五十音図.jpg

●「ア・イ・ウ・エ・オ」の「段」と、10の「行」という順にされているのは、元々、母音と子音の音素から構成されている感覚があったからだ。
●日本語では純粋な母音は5つ存在し、子音を言ったら必ずそのどれかが続く為、日本語に存在する音節が分かりやすくて、この音節文字を作ることが可能だった。
●「ア・イ・ウ・エ・オ」の前に /k/ という子音が来たら、「カ・キ・ク・ケ・コ」になる。
●因みに、厳密に言えば各行の子音が完全に統一しているわけではなく、発音記号にすれば「シ・チ・ツ・ヒ・フ」の子音は他の文字とは違うが、これは日本語の細かい点でこれ以上脱線しなくて良いだろう!

まあ、そうだけど...
●確かに、日本人が日本語で話す上で、こういうことを意識する必要が全くないし、意識しないのは当然だ。
●しかし、カタカナという「音節」の感覚で英語を初めとする他の言語を話そうとすると、難があるということはよくご存知だと思う。
●「Ben」と「ベン」、「野村」と「Nomura」のように、それぞれの母語に存在する音素が多少違っていても、そのまま使ってもだいたい通じるだろう。
●ただ、複数の「音素」から成る、「日本語」の音節(=カタカナ)をそのまま発音すると、通じなくなってしまうことが多い。

カタカナ表記が駄目か... じゃあどうすれば良い?
●ちょうどこの前、たまたま面白いことを発見した。
●ベンは現在、CLの仕事でAPOELのことを勉強中。
●APOELはキプロスのチームで、言葉はギリシャ語だから、文字もギリシャ文字になる。
●公式ツイッターの投稿をチェックしていたら、このツイートを見た:


APOEL FC‏Verified account @apoelfcofficial Sep 17
Γυμναστήριο, τρέξιμο και ασκήσεις με μπάλα έκαναν οι Ιωάννου, Εφραίμ και Bertoglio. Πρόγραμμα αποκατάστασης ο Milanov.

●内容は、怪我人4人の情報だった。
●そのうち、キプロス人選手は2人、外国人選手は2人居た。
●キプロス人選手のΙωάννουとΕφραίμはギリシャ文字の表記だ。
●しかし、全体がギリシャ語でギリシャ文字にもかかわらず、アルゼンチン人のBertoglioとブルガリア人のMilanovはローマ字の表記だ!

●これと同様に、日本語の文章の中でも外国人の名前を、ローマ字で表すことは不可能ではないだろう?

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