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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Ben’s Foot! notes 2017年08月18日

17/18 Ben's Foot! notes Week1

foot!
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17/18 Ben's Foot! notes Week1

(1)チェルシーの状況、どう反応すれば良い?

現地の新聞
●チェルシーにとって一つ助かったのは、この試合がロンドン開催の世界陸上と被り、Usain BoltとMo Farah(英国人の長距離ランナー、五輪2大会連続で5000mと10000mの2冠を達成)のラストレースと同じ日に行われた為、それによってスポーツニュースでは影が薄くなった。
●第一面で大きく取り上げたのはMail on Sunday紙のみ。
●スポーツ欄の第一面: BLUE FOOLS (=青色の馬鹿たち)
出典:https://twitter.com/hendopolis/status/896478160862269441
●ニュース欄の裏ページ: BLUE DAY (=憂鬱な一日)
出典:https://twitter.com/hendopolis/status/896477968268185600
●裏ページの記事では、Conte監督の退任オッズが一番人気になったことを取り上げている。


ベンの見解:チェルシーの心配事3つ
●補強問題がやっぱり影響している!
しかも、選手層の薄さが暴露された翌日に、獲得できなかったLukakuと、ライバルに放出してしまったMaticが共にユナイテッドのユニフォームで大活躍した。
●CahillとFabregasのレッドカードによって、来週のスパーズ戦では尚更選手層の問題が著しくなってしまう。
Cahillの穴を埋めそうだったZoumaとAkeはもう居ない。Fabregasの穴を埋めそうだったChalobah・Matic・Loftus-Cheekも居ない。
●ベンが心配していた、チェルシーの「インテンシティ」。
この試合では2つのレッドカードで一番悪い意味でのインテンシティを見せてしまったし、前半の終盤ではインテンシティが全く無かった為、バーンリーのリードが1点から3点へと広がってしまった。

ベンの見解:チェルシーにとって逆に良かった事3つ
●チェルシーが後半に見せた、良い意味の「インテンシティ」。
1人、2人少ない状況でも諦めず、むしろやるしかないという雰囲気で激しくなって見事反撃を図った。同点には追いつけなかったが、こんなインテンシティを11人で見せることが出来れば今のメンバーでも十分強そう。
●その中で、新加入Morataの動き。
コンディションの心配もあったし、プレミアリーグにフィットするのに時間がかかるという心配もあったが、彼が入ったら流れが変わった。単調だったBatshuayiと違って、活発な動きを見せてバーンリーのラインがどんどん低くなり、1人少ない状況でもチェルシーが攻めるスペースを作れた。
●補強問題が暴露されるなら、このタイミングがちょうど良い。
Conte監督が明らかに不満の中、この試合で「ほら!補強が必要だろう!」とフロントにアピールしたら強い説得力がある。



(2)「おもろライター」の言葉
Barney Ronay、The Guardian(試合全体について)
●By the end a match that might have finished nine-three or 12-all and which contained every Arsenal emotion from giddy, brittle hope, to giddy, brittle collapse had ended in a rollicking 4-3 home victory marked out by a carefree disdain for the prosaic disciplines of defending. And all of this on a deep blue north London evening before the season has even started for 90% of the Premier League. Hello Arsenal my old friend. I've come to talk with you again.
出典:https://www.theguardian.com/football/blog/2017/aug/11/alexandre-lacazette-goal-initiation-crazy-world-arsenal
●9-3、もしくは12-12で終わる可能性のあった試合は、目まいがするほど頼りなく希望を持たせ、目まいがするほど頼りなく崩れ落ちる、そんなアーセナルが与えてくれる感情を全て含んでいた。結果こそ4-3という勝利に終わったが、これは退屈な守備の規律への無責任で驕った態度が招いたスコアだ。空がディープブルーに染まった、ノースロンドンでのできごとことだ。プレミアリーグの90%のクラブはまだシーズンが始まってさえいない。こんにちはアーセナル、僕の古い友人。また君と話をしにきた。

Barney Ronay、The Guardian(アーセナルが先制した直後、同点に追い付かれたことについて)
●After the hope: the deflation. If Lacazette's start felt perfectly scripted, then the best scripts also tend to contain a dollop of uncomfortable truth. Within 90 seconds Leicester had equalised. Everyone in an Arsenal shirt ignored Maguire, the most unignorable object inside the Emirates not wearing a green dinosaur costume. His header back found Shinji Okazaki and the ball flashed past Petr Cech on his line.
出典:https://www.theguardian.com/football/blog/2017/aug/11/alexandre-lacazette-goal-initiation-crazy-world-arsenal
●膨らんだ希望はやがて萎んでいった。ラカゼットの先制ゴールの筋書きは完璧だったが、最高の筋書きには、得てして幾らかの不都合な真実が含まれているものだ。ものの90秒でレスターが同点に追いついた。赤いシャツのアーセナルの面々は、全員がマグワイアを無視した。緑の恐竜のマスコットを除けば、この日のエミレーツで最も目立つ、見落としようのなかった彼を、だ。マグワイアのヘッドでの折り返しが岡崎慎司にピタリと合い、ボールはペトル・チェフを破ってラインを越えていった。

Michael Cox、ESPN(この試合を受けて、プレミアリーグとは何か)
●In a week's time, the Premier League marks its 25th anniversary and this was a perfect reminder of precisely what the division brings. The best defending? No. The best technical quality? No. The most astute tactics? No. But the best entertainment? Almost certainly.
出典:http://www.espnfc.com/english-premier-league/23/blog/post/3177234/olivier-giroud-hero-as-arsenal-come-back-for-victory-vs-leicester
●今週で25周年を迎えたプレミアリーグだが、この試合はこのリーグがもたらすものを完璧に再確認させてくれた。最高のディフェンス?違う。最高のテクニック?違う。最も卓越した戦術?違う。最高のエンターテインメント?多分間違いなくそうだ。



(3)88年前の文学から分かる。
英国の労働者にとってフットボール観戦とは何なのか?

●"To say that these men paid their shillings to watch 22 hirelings kick a ball is merely to say that... Hamlet is so much paper and ink. For a shilling, Bruddersford United AFC offered you Conflict and Art... and what is more, it turned you into a member of a new community, all brothers together for an hour and a half. Not only had you escaped from the clanking machinery of this lesser life, from work, wages, rent, doles, sick pay... but you had escaped with most of your neighbours, with half the town, and there you were cheering together, thumping one another on the shoulders, swopping judgments like lords of the earth, having pushed your way through a turnstile into another and altogether more splendid kind of life, hurtling with Conflict and yet passionate and beautiful in its Art."
●J.B. Priestley、1929年作の「The Good Companions=友達座」より
●お金を払って男たちが見ているのは、22人の労働者たちによる球蹴りだと揶揄するのは、(中略)、ハムレットなんて紙の束とインクじゃないか、と言っているのと一緒だ。ほんのちょっとお金を払えば、ブラッダースフォード・ユナイテッド・AFCが
あなたに闘争とアートを提供する(中略)。おまけにあなたは新たなコミュニティーのメンバーとなれる。その仲間たちは1時間30分の間、君と一緒だ。貧しい生活、仕事、給料、家賃、失業手当、疾病手当からも逃れられる。(中略)そしてその間、あなたは1人じゃない。ご近所さんや、町の半分くらいの人たちと一緒になって逃げられるんだ。共に応援し、肩をぶつけ合い、この地球の主のかようにジャッジを罵倒する。回転扉の向こうにある、日常とは違った、全くもって素晴らしい人生へ連れて行ってくれる。その人生には闘争の激しさと、アートに宿る情熱や美しさがある。
●尚、「Bruddersford」とは実在の地名ではありません。ヨークシャー州にある「Bradford」と「Huddersfield」をくっつけていると思われますが、とにかく労働者の多いイングランド北部の街ということです。

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