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このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Ben’s Foot! notes 2017年05月17日

Week 40 - 後半:各クラブの経営事情

foot!
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Week 40 - 後半:各クラブの経営事情

①後半:各クラブの経営事情
●今月4日、スウォンジー・シティが2015/16の年度決算を発表した。
●フットボールクラブの年度決算発表がかなり送れて発表されるものだが、これでようやく、昨シーズンのプレミアリーグ全チームの発表が済んだので、初めて比較することが出来る。
●会計士Kieron O'Connorが『Swiss Ramble』という有名なブログにて、サッカーのファイナンスを分かりやすく説明する。それを参考に説明したいと思う。
(以前にも『Foot! TUESDAY』でフットボールの経済・経営的情報を紹介したとき、『Swiss Ramble』を参考に情報を纏めた。)
●参考:
http://swissramble.blogspot.jp
https://twitter.com/SwissRamble 
https://twitter.com/i/moments/861503194911965184
●『Swiss Ramble』の図では、単位が100万ポンドである。又、100万ポンド単位に四捨五入してある。




②税引き前利益
ben2.jpg出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861500431872270337
●昨シーズン、税引き前利益が一番高かったのはマンチェスター・ユナイテッド。2番目に高いのはスパーズ。優勝したレスターは4番目に高かった。
●一方、スウォンジーを含む8クラブは税引き前損失を発表した。アストン・ヴィラはやっぱりピッチ内外とも苦労した!その後、Tony Xiaという中国人投資家に買収されたが、2部で11位終了。
●気になるのはチェルシーとリヴァプール!
●しかし、チェルシーの損失は例外的な支払いによるものである。Adidasとのスポンサー契約を解除させる為に約6700万ポンドの解約金を支払った。又、Mourinhoとそのスタッフにも合計800万£。
●リヴァプールはBrendan Rodgers前監督の解任、Jurgen Klopp監督の就任、移籍金・報酬・エージェントへの支払いの高騰を損失の理由として説明した。




③EBITDA(金利・税金・償却前利益)
ben3.jpg出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861500585882914817
●この指標は、移籍活動や契約解除料など、一度限りで例外的なものを反映しない。
●その為、クラブの根本的な利益性を図る為に、サッカー界ではよく使われる。




④収益
ben4.jpg
出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861501025961816064
●各クラブにどれだけのお金が流入してきているのだろうか?
●一番少ないケースでも1億ポンド弱だ。だが、ユナイテッドは5億1500万ポンドでレアル・マドリードを上回り、「Deloitte Money League」で首位になった。




⑤放映権料による収益(青:国内大会、黄:欧州大会)
ben5.jpg出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861501109944410112
●尚、今季から新しい放映権の契約期間が始まり、放映権料が更に高騰している為、今季の最下位チームは昨シーズンの優勝チームと同じくらいの金額をもらう予定だ。
●昨シーズン、優勝したレスターよりも、英国内で多くの試合が生中継されたビッグクラブのほうが若干、プレミアリーグの放映権料をたくさんもらった。またクラブTVを持つクラブも収益が上がった。




⑥放映権料への依存度
ben6.jpg出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861501186825957376
●上記⑤の放映権料を、上記④の収益で割ったパーセンテージ。
●つまり、各クラブのトータル収益のうち、テレビのお金がどのくらいの割合を占めるのか?
●ビッグクラブ以外は非常に割合が高い為、降格のリスクが恐ろしい。




⑦商業活動による収益
ben7.jpg出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861501281705357312
●スポンサー契約やグッズ販売などの収益。やはりユナイテッドは桁違い。




⑧マッチデー収益
ben8.jpg出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861501401528225793
●チケット代やスタジアム内での飲食販売など。




⑨人件費
ben9.jpg
出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861501463490592768
●ビッグクラブとその他には大きな格差がある。
●ここで気になるのは、BIG 6ではなくBIG 5になっている。
●スパーズの支払っている人件費は他5チームと比べて半分ぐらいしかない。
●これは良いビジネスをしている証かもしれないが、ベンが14日の解説中にも言ったように、今後のステップアップを図る為、また、エースが引き抜かれないようにする為に、これがネックかも。
●今季、多くの選手の契約を更新してきたので、それがどのくらい来年の年度決算に反映されるかが気になる。




⑩「人件費」対「収益」の比率
ben10.jpg
出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861501645871624192
●放映権料などが高騰する中でも、クラブのトータル収益が基本的に半分以上、人件費として支払われてしまう。




⑪負債総額
ben11.jpg出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861501861521653760
●これまでは、マンチェスター・ユナイテッドが圧倒的にリードするような数字が続いてきたが、やはりグレーザー一家による「敵対的買収」がまだ響いている。
●また、Brexitによるポンド安も響いている。ユナイテッドの負債はドルなどポンド以外の通過にある為、ポンドで計算するとまた高くなってしまった。そして、収益の多くもポンドである。




⑫支払利息
ben12.jpg出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861501962478649344
●しかし、今のユナイテッドの収益を考えると、一年で支払っている利息はそこまで大変ではない。
●今、負債返済額が約2000万ポンドである。
●それに対して、オーナーに対する、サポーターの抗議が最も熱くなった2009/10頃は、毎年の負債返済額が1億ポンドを上回っていた。




⑬現金残高
ben13.jpg出典 https://twitter.com/SwissRamble/status/861502068007342082
●ローン返済額が最も大きい、ユナイテッドとアーセナルだが、営業が健在の為、現金残高が非常に高い。
●そのお金で、ユナイテッドはシーズン前に余裕を持って、PogbaやIbrahimovicなど大型補強が出来た。
●現金がこんなにあるのに、あまり大型補強はしないというのはここ数年、アーセナルサポーターの不満の原因である。

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