デイリーサッカーニュース Foot!

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2017/02

S M T W T F S
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        

このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Ben’s Foot! notes 2017年02月15日

16/17 Ben's Foot! notes Week27- 後編 -

foot!
  • Line

benFoot.png


(1)後半:Liverpool 2-0 Tottenham Hotspur
●先週、Klopp監督に知らせずにHendersonがキャプテンとして選手を集めてミーティングを行い、チーム意気込みを新たにしたことを、Lallanaが試合のインタビューで明かした。

Adam Lallanaの言葉
●"The manager takes responsibility but we are the ones who cross the white line. It was up to us to respond.
「監督が責任を負ってくれるが、白いラインを超える(=ピッチに出る)のは私達だから、私達が積極的に状況に対応する必要があった。」
●"Big credit to Jordan, he wanted the team meeting to happen and got everyone together. It wasn't just him who spoke. The senior players spoke, the non-senior players, everyone. It was good, it was refreshing.
「そこでJordanを褒めたい。彼がチームミーティングを求め、全員を集めてくれた。そのミーティングで話したのは彼だけではない。ベテランの選手たちも、ベテランでない選手たちも、皆が話した。良い機会だったし、爽やかな気分になれた。」
●"It was a very open meeting and I came out of it knowing that every one of those players are together and intent on turning things around as quickly as possible. Almost an 'us against the world' type of attitude and we will do anything for each other, work our socks off, for it to change as quickly as possible. We knew things would change, it was just a matter of time, but it was up to us to show when it would change."
「非常にオープンな話し合いだったし、全員がチームとして一丸となって1日でも早く状況を逆転したいという強い気持ちを共有していることが分かった。我々はチームメイトの為に何でもするし、幾らでも努力する覚悟をしているので、状況が変わるのは時間の問題だと信じた。ただ、いつ変わるかはやはり私達次第だった。」
●https://www.theguardian.com/football/blog/2017/feb/12/adam-lallana-liverpool-tottenham-klopp





(2)年が明けてから、前節までのリヴァプール=単調
2017年1月21日:第22節、LIV 2-3 SWA、リヴァプールの単調な攻撃
●34:25-45
FabianskiがLlorenteへクリアし、スウォンジーがラインを引き上げようとするも、空中戦でLlorenteがボールを失う。Clyneが最終ラインでボールを回収する。しかし、中盤と前線にはあまり動きが無い為、ビルドアップが加速しない。あまり前へ進まず、最終的にセンターサークル内でFKを獲得。
●37:40-38:40
このシーンは、スウォンジーが構えている状態から始まる。リヴァプールに関して、最も動きが目立つのはCoutinhoだが、方向は後ろ向き。ボールを触るべく、非常に深いところまでポジションを下げる為、彼とゴールの間に相手は11人も構えている。そこからリヴァプールは非常に単調で、崩せそうな雰囲気は無い。最終的にはLovrenが適当にロングシュート。

2016年12月27日より39日で12試合も戦った、リヴァプール

pict2_1.png
0015_12月末~2月4日までのリヴァプール成績.png 
●リヴァプールにとって、不調が過密日程と重なったのは偶然ではないだろう。
●12月27日のストーク戦、試合開始時間から数えて、リヴァプールはたった39日で公式戦12試合も戦った。
●基本的に中2日、中3日という厳しい日程が2月上旬までずっと続いた。
●リカバリーする時間や、準備する時間が殆ど取れない状況が続いたのはリヴァプールにとって今季初めてのことだったし、リヴァプールのプレースタイルにとってはやはり厳しかっただろう。
●そして、前節のハル戦から今節のスパーズ戦まで、ようやく丸一週間が空いていた。
●久しぶりにフレッシュな状態で対戦することが出来たのは、1月のリヴァプールというはやはり対照的。


※因みに、スパーズ戦の試合開始時間から数えて、リヴァプールは今度の12試合を84日で戦う日程となっている。(5月6日、第36節のサウサンプトン戦まで。)
ミッドウィーク開催はあと1試合しかない。これからは基本的に回復・準備の時間は丸一週間ある。


そして、もう1つの大きな違いはやはりManeの復帰・復活!
●Maneは1月、アフリカ・カップ・オブ・ネイションズでチームを離れた。
●1月31日のチェルシー戦では途中出場で復帰したが、リヴァプールに帰ったのは30日の夜だったので、万全な状態ではなかった。
●そして、その後も中3日でハル戦も戦い、ハードなスケジュールにいきなり巻き込まれた。
●それに対して、スパーズ戦まで丸一週間が空いていたのは、特にManeにとって有り難いことだったはず。
●久しぶりに万全な状態でManeが先発で出場すると、やはりチームに活気を与える。





(3)リヴァプールの攻撃を、リヴァプール目線とスパーズ目線で
まず、リヴァプール目線から見る: Maneの動きを注目
●5:14 Wanyama→Maneへパスミス。Maneは直ちにLallanaへ落としてから前へスプリント。裏を取り、リターンパスを受けると、2対2の状況へ。
●8:50 Maneがルースのボールに素早く反応し、Daviesにプレッシャーをかけて、CKを獲得。
●12:25 右の高い位置でEriksenがWijnaldumにボールロスト。Maneは自陣の「D」に居たが、直ちに走り出す。ClyneとFirminoと同時攻める。
●1-0 GOAL 15:30よりManeを注目。最初はDaviesにケアされているが、15:34に一瞬の加速で5メートルほどのハンデから裏を取り、Wijnaldumのパスを受けて決める。
●2-0 GOAL 17:41よりManeを注目。最初はDierが完全にフリーで、20メートルほどの距離内には相手がいない。しかし、プレッシャーをかけるべく、Maneが横へスプリント。ボールが空中から落ちてくる2秒の間に、Dierの余裕が突然、なくなっている。コントロールミスが許されない。
●21:30 Walkerのバックパスミス。Maneがチャンスの匂いにすぐ反応し、ボールがWalkerの足元を話す瞬間にDaviesの内側へスプリント。6分間でのハットトリックチャンスがLlorisに阻まれる。
●39:06 Dembeleがインターセプトしようとするが、Coutinhoに失う。ここでManeを注目。この時点で既に右の深い位置から、左の高い位置へスプリントしている。Lallanaのパスが精度に欠けるも、Maneは諦めず、Dierにプレッシャーをかける。チャンスが消えたはずだったが、スローインを獲得。

ポイント
●Maneが、1月のリヴァプールには無かったキレとダイナミックさをチームに提供する。
●そして、チームメイトの仕事もやりやすくする。相手を釣り出したり、スペースを作ったり、自由を与えたりする。
●Firminoはもとからハードワークするが、この中ではより効果的にハードワークできる。
●Coutinhoはもとから賢いが、ここでは無理やりにすることなく、より自然にプレーできた。
●そして、Lallanaは前線ではなく中盤で起用してもらえるので、得意なプレーがしやすくなった。
●そして、位置が高くて形が崩れやすい、スパーズの最終ラインも確かにリヴァプールの攻撃を楽にしてしまった。

そしてスパーズ目線からリヴァプールの攻撃シーンを見る: スパーズ最終ラインの形を注目
●3:50 DierとLlorisが一瞬、見合ってしまい、相手にスローインを与える。(最初の兆候?)
●5:14 Wanyama→Maneへパスミス。Walkerは右で攻撃参加していた。Daviesは中央でManeのところへ上がるが、一瞬Lallanaを見ると、Maneに離されてしまう。
●5:36 最終ラインの距離感が開き過ぎていた、5:14のシーンより22秒後。今は逆に近くなり過ぎた。サイドにはスペースをたっぷり残し、Clyneが上がってHendersonのパスを受ける、CKを獲得。
●12:25右の高い位置でEriksenがWijnaldumにボールロスト。 12:30 Alderweireldが右で非常に高い位置でCoutinhoから奪おうとするが、2度目で失う。Walkerもそのサイドで攻撃参加していたので、12:34にはClyne・Mane・Firminoが逆サイドのDier・Daviesを相手に3対2になる。DembeleとAlderweireldは必死に戻り、ブロック。
●1-0 GOAL 今回は15:30よりAlderweireldを注目。最初はスパーズの4バックは並んでいるが、
Alderweireldが飛び出しして、Firminoから奪おうとするも失敗。突然、Dier・DaviesはMane・Coutinhoを相手に2対2になってしまっている。Dierは上下しないが、Daviesは既に後ろへ動き出した為、オフサイドを取る可能性もない。
●2-0 GOAL Dierがコントロールミス・時間をかけ過ぎて、Maneに失う。CoutinhoとFirminoのシュートはLlorisがせっかく良く止めるのに、サポートが足りなくてManeに決められてしまう。
●21:30 AlderweireldがCoutinhoに寄せる為にポジションを上げるも、ボールを取れないところから問題が始まる。この時点で「ライン」の形を注目しよう。今回もまた右の2人(Alderweireld・Walker)は高く、左の2人(Dier・Davies)は低い。WalkerのパクパスミスをDaviesが読めず、Maneを離す。




(4)Vertonghen・Roseの不在が3つの理由で決定的だった

理由1: リスキーな戦術にはベストメンバーが必要
●リヴァプールを相手に、4バックで高いラインを敷くのは非常にリスキーな戦術。
●Maneを相手にRoseのスピード、そして安定してカバーし合えるVertonghen・AlderweireldのCBコンビだったら、何とかなるかもしれない。
●しかし、Daviesはボロボロにされたし、Dierも4バックだと同じレベルまで安定はしない。

理由2: より適切な戦術を起用するのが困難
●2人の怪我によって、3バックという選択肢が無くなった。(尚、アーセナル戦ではPochettinoがWimmerを3バックで起用したが、どうやら信用していないようだ。)
●確かにマンチェスター・シティ戦では3バックはうまくいかなかったが、チェルシーの3トップを相手にスパーズは3バックで効果的に止めたし、理想的にはこの試合でも起用したかっただろう。

理由3: 攻撃にも悪影響
●Roseの不在・3バックが出来ない、といった理由により、スパーズの攻撃にも悪影響が与えられた。
●攻撃時は横幅が狭過ぎた。簡単に中央で吸収された。カウンターされるのが怖く、SBが中途半端に。


スパーズ、攻撃は横幅が狭過ぎて、スピーディーなオーバラップは無かった
●スパーズのFW・2列目の基本形は距離感の近いダイヤモンド型。37:04にはピッチの左サイド、38:17には右サイドでその形。普通に連携するには良いが、チームメイトは全員、それよりも後ろで、サイドのオーバラップやサイドチェンジを活かす選択肢はこの試合ではあまり無かった。
●30:53 Daviesが自陣で内側のSonへ。前のAlliへ出すが、スパーズは益々中央で狭くなる。Matipがインターセプトして、リヴァプールのカウンターへ。
●41:50 スパーズのスローインで珍しく攻撃に人数をかけるチャンス。Davies・Walkerは相手人には上がっているが、相手のカウンターを恐れているかのように、常にDembeleよりも位置が低い。41:58 DaviesがWanyamaに出してから、少し後退する。そして、WanyamaがSonに出すと、攻撃の選手は全員、中央ばかり攻める。リヴァプールの最終ラインはDの幅だけカバーすれば十分。サイドチェンジやオーバラップで加速するチャンスは無い。
●43:00 スパーズの攻撃が続き、Davies・Walkerが上がったとしても、リヴァプールがとっくに構えている状況である。(この状況でしか上がらない。)だから、この状況でサイドへパスを出しても加速することにはならず、むしろスローダウンする。やがてボールが混雑する中央へ戻る。
●53:15 プレーが右サイドに集中され、左サイドに広いスパーズが開いた状態で、Dembeleがボールを獲得してドリブル。ここで、広いスペースを活かすチャンスだ!しかし、スパーズはそのスペースを使うのに遅過ぎる。DembeleがLallanaを交わしても、まだ中央より左には誰も居ない。ボールがゆっくりと動くので、リヴァプールは構えながら、中盤でプレッシャーをかけるようになる。中央でDier→SonへのパスがLucasにカットされる(53:28)。


比較対象(1):第16節、TOT 3-0 HUL。3バックでCBがタッチラインまで広げ、WBへ縦パスを送る
●1-0 GOAL: 13:15 タッチラインまで流れた左のCB、VertonghenへLlorisがボールを出す。スパーズがボールを持つとき、3バックでピッチ全幅をカバーする。VertonghenがElmohamedyの裏を取ったRoseへ送り、Roseの折り返したボールからEriksenが決める。
●2-0 GOAL: 62:30 タッチラインまで流れた右のCB、DierへWinksが出す。DierがRobertsonの裏を取ったWalkerへ送り、WalkerのアシストからEriksenが決める。


比較対象(2):第20節、TOT 2-0 CHE。右WB・Walkerの攻撃参加→Eriksenのクロス→Alliが決める
●1-0 GOAL & 2-0 GOAL: 2ゴールともWalkerの攻撃参加から始まる。Eriksenもそのサイドへ流れて連携。Eriksenのクロスから、Alliがファーで決める。

  • Line