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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Ben’s Foot! notes 2016年10月26日

16/17 Ben's Foot! notes ~Week 11~<後半>

foot!
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Week 11 後半: European champions, rubbish domestically

国内では全然ダメだが、クラブ初のCLでは大活躍のレスター
●先週、紹介したように、プレミアリーグ第8節終了で8ポイントしか獲得できていなかった。第9節の結果次第、降格圏内に落ちる可能性もあった!

●それに対して、初めて出場するCLでは全3試合を完封勝利。第3節終了で9ポイントとのことで、プレミアリーグのポイント数を上回った!

●今季のCLで全勝なのはレスターの他、バルセロナとアトレティコ・マドリードのみ。無失点で全勝なのはレスターの他、アトレティコ・マドリードのみ。

●その国内リーグ戦での不調と、CLでの好調のギャップが英国内で話題となっている。

●CL明けのGuardian紙『Football Weekly』ポッドキャストでは、「レスターがどうすれば国内リーグ戦で再び勝てるようになるか」というディスカッションがあり、インテリ系のフランス人記者、Philippe Auclairが以下のように岡崎慎司の先発復帰を呼び掛けた。


Philippe Auclair、Guardian Football Weekly Podcast、10月20日(リンク)
●"They really need to get Okazaki back. He's absolutely key. They've got so many solutions up front now with Ulloa, with Musa, with Vardy, with Slimani. But Okazaki does something that none of these players can do, which is that he is so clever, he is so intelligent, so energetic. He's like an extra midfielder, and it is midfield in which Leicester is being picked out week in, week out." (15'30"~)
「レスターは早く、岡崎をスタメンに戻す必要がある。彼は絶対にキーマンだ。確かに今はウジョアからムサ、ヴァーディ、スリマニまで、選択肢が非常に多い。しかし、岡崎が提供するプレーは、他のメンバーでは誰もできる人がいない。岡崎は非常に賢くて有能であり、エネルギーに溢れている。レスターは毎週のように中盤でやられているが、岡崎が前線にいると、中盤選手も1人多くなるような感じだ。」


その岡崎が、クリスタルパレス戦で珍しくフル出場を果たし、ゴールもマークした
●岡崎のゴールシーン



今週の特集記事:「国内では全然ダメだったが、欧州舞台では優勝したクラブ、TOP 10」
●レスターの絶不調のギャップを受け、月刊誌「FourFourTwo」がこの特集記事を掲載した。

●ヨーロッパ大会の歴史を遡ってみると、国内リーグ戦では全然ダメなチームがそのシーズンにヨーロッパ大会で優勝したケースが意外と多い!

●だからレスターも、以下10チームを参考にして、プレミアリーグは失敗しても良いので、CLでは優勝を目指せ!(笑)

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1. Real Madrid 1955/1956:国内リーグ3位、チャンピオンズカップ優勝
●チャンピオンズカップが初めて開催されたシーズン。

●リーガではアトレティコ・ビルバオ(フランコ政権によって強制的にスペイン語に改名されていた)とバルセロナが圧倒的に2強となった。

●勝利=勝ち点2の時代だったが、10ポイント差でレアル・マドリーが3位に終了。

●しかし、初めての欧州舞台では期待以上の活躍を見せ、初代王者となった。

●パリで行われた決勝戦では、フランス王者のスタッド・ドゥ・ランスを相手に2点ビハインドとなったが、大逆転して4対3で勝利した。5連覇の1年目となった。

因みに、初代チャンピオンズカップは16チームによる決勝トーナメント形式だった。


2. Eintracht Frankfurt 1979/1980:国内リーグ11位、UEFAカップ優勝
●まだ2ポイント時代の1979/80。

●フランクフルトはブンデスリーガでは18チーム中で9位とギリギリ、トップハーフに終了したが、降格圏内から僅か3ポイントの差しかなかった。

●優勝したバイエルンとは18ポイント差もあった。

●しかし、劇的なUEFAカップ準決勝では、アウェイでバイエルンに2-0で負けたが、ホームの2nd legでは延長戦にもつれ込んだ。何と延長戦に更に4ゴールも入り、5-1の圧勝になった。5−3のトータルスコアで決勝戦へ勝ち進んだ。

●決勝戦2nd legの81分に、途中出場のFred Schaubが決めて、アウェイゴールで前回王者のメンヘングラッドバッハに勝利した。

●なお、フランクフルトの先発メンバーに韓国代表のチャ・ボムグンが居た。

●相手のメンヘングラッドバッハには、監督キャリア1年目のJupp Heynckesが指揮を取り、現役1年目のLothar Matthäusが1st legにゴールを決めた。


3. Tottenham Hotspur 1983/1984:国内リーグ8位、UEFAカップ優勝
●イングランドリーグではスパーズが22チーム中8位でフィニッシュ。

●優勝したリヴァプールとは19ポイント差。リーグ順位では欧州大会出場を獲得できず。

●しかし、UEFAカップでは順調に決勝まで勝ち進み、準決勝で審判に賄賂を払ってノッティンガム・フォレストに勝利していた、ベルギーのアンデルレヒトと対戦することに。

●スパーズの正GK、イングランド代表のRay Clemenceは怪我した為、経験の浅い若手GK、21歳のTony Parksがスタメン起用に。

●結局、PK戦でParksがArnor Gudjohnsenのキックを止めて、優勝のヒーロとなった。

●なお、そのGudjohnsenはEidur Godjohnsenの実父である。


4. Inter 1993/1994:国内リーグ13位、UEFAカップ優勝
●Serie Aから降格を喫したことがないインテルだが、1993/94シーズンは危うかった。

●18チーム中13位フィニッシュで、降格したピアチェンツァとは僅か1ポイント差。

●地元ライバルのミランとは19ポイント差(イタリアではまだ2ポイントの時代だった)。ミランはSerie Aとチャンピオンズリーグの2冠を果たした。

●しかし、残留が危うかったほど弱かった、そのインテルはUEFAカップでは何と3年ぶりでクラブ史上2度目の優勝を飾った。

●決勝の相手は、当時「Casino Salzburg=カジノ・ザルツブルク」という名のチームだった。現在はレッドブル・ザルツブルク。


5. Schalke 1996/1997:国内リーグ12位、UEFAカップ優勝
●ブンデスリーガで優勝したバイエルンとは勝ち点差28で、12位まで下落したシャルケ。

●同地方ライバルのドルトムントがチャンピオンズリーグで優勝した為、シャルケの影が完全に薄れそうになったが、UEFAカップでは見事、クラブ史上初の欧州大会優勝を果たした。

●決勝戦では当時、UEFAカップを非常に得意としたインテルと対戦した。

●2nd legでは84分、Ivan Zamoranoに決められ、最終的にPK戦までもつれ込まれたが、Jens LehmannがZamoranoのキックを止めて優勝を決めた。


6. Real Madrid 1997/1998: 国内リーグ4位、チャンピオンズリーグ優勝
●11ポイント差でバルセロナに優勝をされてしまい、また、バスク2強よりも下になってリーグ順位ではCL出場権を逃していたレアル・マドリー。

●しかし、そのシーズンのCLでは、ベスト4で前回王者のドルトムントを破り、決勝へ。

●決勝では、圧倒的に本命とされていたユベントスに1−0で勝利。

●32年も欧州制覇から遠ざかっていたレアル・マドリーがようやく7度目の優勝を手に入れた。

●しかし、リーグ戦での不調を理由に、Jupp Heynckes監督がシーズン終了後に解任。


7. Real Madrid 1999/2000:国内リーグ5位、チャンピオンズリーグ優勝
●CL出場権がリーガの4位チームまで与えられるようになったが、レアル・マドリーは5位でフィニッシュしてしまった。

●しかし、CLではマンチェスター・ユナイテッドとバイエルン・ミュンヘンに続き、スペイン勢同士の決勝戦でバレンシアを破った。

●これで4位サラゴサのCL出場権が剥奪となり、代わりにレアル・マドリーが翌シーズンも出場することに。これ以降、レアル・マドリーはTOP 4を逃したことが1度もない。

●決勝戦でゴールを決めたSteve McManamanは海外チームで欧州制覇を経験したのがイングランド人として史上初のことだった。


8. Liverpool 2004/2005:国内リーグ5位、チャンピオンズリーグ優勝
●プレミアリーグではモイーズ監督のエヴァートンがリヴァプールを上回り、4位へ。

●ベニテス監督が1年目だったリヴァプールは、優勝したチェルシーとは37ポイント差で5位にフィニッシュ。

●リーグ戦での圧倒的な格差にもかかわらず、CL準決勝ではそのチェルシーをやぶり、決勝ではイスタンブールの奇跡を起こした。


9. Milan 2006/2007:国内リーグ4位、チャンピオンズリーグ優勝
●「カルチョポリ」のスキャンダルにより、8ポイントのペナルティを科せられたミランだが、結局、優勝した地元ライバル、インテルとは36ポイント差も開いてしまった。

●しかし、レアル・マドリーのように欧州大会が強いというDNAを持っている。

●CLでは、2年前の敗北に対して復讐を遂げた。


10. Chelsea 2011/2012:国内リーグ6位、チャンピオンズリーグ優勝
●アブラモビッチ時代になって国内リーグ戦では圧倒的にワーストなシーズンとなった、チェルシー。優勝したマンチェスター・シティとは25ポイント差で6位。

●しかし、CLではナポリを相手に逆転勝利を果たした後、バルセロナ戦で番狂わせを起こし、ミュンヘン開催の決勝戦ではPK戦でバイエルを倒した。

●ロンドンのクラブとして史上初の欧州制覇を果たした。

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