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このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Ben’s Foot! notes 2016年09月28日

16/17 Ben's Foot! notes ~Week 7~

foot!
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Week 7 後半:ベンゲルのアーセナル監督就任20周年

(1)Arsenal 3-0 Chelsea
1-0 ゴール
Cahillが躊躇して、バックパス(?)が中途半端になり、Sanchezが奪ってそのまま決める。
解説ポイント: CHEに2パターンがあり、1つはボールを持つときに高いラインを敷くパターンだが、高いラインを敷けば苦労するという問題はここ5年間、解決されていない。Terry・Cahill・David Luizの中、誰を使っても裏を取られやすい。Cahillにとって、スウォンジー戦に続いての辛い失点。

2-0ゴール (1点目の2分20秒後に2点目)

12:54 Kanteの頭からCoquelinへ。CHEの両ラインの間にARSは(両サイドを含めて)5人も入る。

13:08 Iwobi⇔Ozilの1-2で加速。KanteがOzilへスライディングし、Iwobiがターンして交わす。

13:11 Walcottが右チャンネルで裏を取るように待機。Azpilicuetaがついていくが、残したスペースでBellerinがフリーになるので、戻る。Walcottがこれでフリー。Iwobiが中へ、Bellerinへ斜めパス。

解説ポイント: CHEがLIV戦で見られた「待ち構える姿勢」にまたなってしまった。両ラインの間、ARSのパス回し・ムーブメントのスピード感に唖然とする。確かに綺麗だけど!CHEがかなり引いているにもかかわらず、ARSはKanteの周りにボールを回して交わせる。Kanteの負担が大きい。

19:06~20
解説ポイント: Courtois・Cahill・Ivanovicのパス回しが危ない。Walcottに失いそうに。落ち着かない。

20:30
Matic→Hazard、Bellerinの裏を取る。Costa→Hazardのリターンパス。ARSの4バックが全員、そのサイドへ。Monrealも中へ絞るが、Willianが逆サイドで待機=フリー。
解説ポイント: Hazard・Willianが相変わらずピッチ全体の幅を活かす。相手DFが絞ればチャンス。

3-0ゴール
39:20
FabregasのパスがKosicelnyにカットされ、CHE攻撃が失敗。Ozilが受けて、素晴らしいターンでKanteを交わしてカウンターへ。2対2になり、右のSanchezへ。クロスからOzilがボレー。解説ポイント: CHEの高いラインがまたやられた。Ozilのターンが素晴らしい。Kanteが可哀想。確かに2人分の仕事はするが、昨シーズンはDrinkwaterとの「中盤3人」だった。今はKanteだけ。

42:20
Ozilがハーフウェイライン・タッチライン付近のところ、視線とダブルフリックでAzpilicuetaを騙す。
解説ポイント: Ozilが一気に元気を取り戻したようだ!それはARSにとって心強い。

52:10
解説ポイント: ARSのカウンターで、WalcottのクロスがSanchezの頭の上へ。後半に入ると、ARSはカウンターの機会を待ち、チャンスが来たらすぐにCHEの裏を取ることが出来る。決めるべき。

55:10
解説ポイント: CHEは3バックに変わるが、1分以内にまたARSのカウンターチャンス。Sanchez→Walcott、Ozilへのパスがちょっと後ろになってしまう。これも決めるべき。5-0でもおかしくない。

72:40
Bellerinが必死にスプリントしてPedroを止める。ARSがカウンターし、12秒後にCKを獲得。

83:05
David Luizの素晴らしいスルーパスがARSの高いラインを崩し、やっと枠内シュート(Batshuayi)。
解説ポイント: David Luizにとっては3バックのほうがやりやすいのでは?より高い位置まで上がり、ポジティブなパスを出す自由があるからだ。




(2)事後情報:データ
●Conte監督にとって、リーグ戦で連覇を喫したのが7年ぶり。アタランタ時代、2009年12月以来。
2009年11月29日、Atalanta 1-2 Roma
2009年12月6日、Fiorentina 2-0 Atalanta

●コミュニティ・シールドを除き、アーセナルが公式戦でチェルシーに勝つのが5年ぶり。
2011年10月29日、Chelsea 3-5 Arsenal
AVB監督が高いラインを敷き、裏を取られまくり、「そろそろテリーが終わりだな」と感じた試合だ。




(3)Arsene who? 祝:アーセナル監督就任20周年

●ベンゲルのアーセナル監督就任が正式に発表されたのは、1996年9月22日だった。
(実際に仕事を始めたのは同年10月1日だった。)

●今週でちょうど20周年だ!

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*RU=準優勝。R1~5=1~5回戦敗退。R16=ベスト16敗退。GS2=2次グループステージ敗退

●リーグ優勝を3回。そのうち、2回は2冠達成、残り1回は無敗優勝。FAカップ優勝は6回。

●リーグ準優勝も6回。20シーズン連続でTOP 4入りを果たしている。19シーズン連続、CL出場権を獲得している。

●CLとUEFA Cupは共に準優勝している。

●このアーセナルの黄金期を迎えた監督だが、イングランドにやってくるまでは英国内であまりにも知られておらず、監督就任が発表されたとき、London Evening Standard紙の見出しは『Arsene who?』だった。




(4)ベンゲルが就任した1996年秋。どんな環境だったのか?

イギリス人・アイルランド人だらけのPL。外国人監督がGullitとWengerの2人だけ。
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●ベンゲル監督就任当時、各プレミアリーグ所属クラブの監督は以下の通りだった:
Arsene Wenger (Arsenal), Brian Little (Aston Villa), Ray Harford (Blackburn), Ruud Gullit (Chelsea), Ron Atkinson (Coventry), Jim Smith (Derby), Joe Royle (Everton), George Graham (Leeds United), Martin O'Neill (Leicester), Roy Evans (Liverpool), Alex Ferguson (Manchester United), Bryan Robson (Middlesbrough), Kevin Keegan (Newcastle), Frank Clark (Nottingham Forest), David Pleat (Sheffield Wednesday), Graeme Souness (Southampton), Peter Reid (Sunderland), Gerry Francis (Tottenham), Harry Redknapp (West Ham), Joe Kinnear (Wimbledon).

●イングランド人:13人 スコットランド人:3人 北アイルランド人:1人
アイルランド人:1人 オランダ人:1人 フランス人:1人

実は、イングランドのトップリーグ史上では、外国人監督がその年まで2人しかいなかった
●1) Dr Jozef Vengloš: Aston Villa、1990年7月22日~1991年5月28日
2) Osvaldo Ardiles: Tottenham Hotspur、1993年6月19日~1994年11月1日
3) Ruud Gullit: Chelsea、1996年5月10日~1998年2月12日
4) Arsene Wenger: Arsenal、1996年10月1日~現在 (*就任発表は9月22日)
●Venglošは後、ジェフユナイテッド千葉の監督に就任した。
Ardilesは後、清水エスパルス・横浜Fマリノス・東京ヴェルディ・町田ゼルビアの監督に就任した。
●参考:FourFourTwo
「イングランドフットボールの最高峰(トップリーグ或いはイングランド代表)で監督を勤めた外国人」
尚、現在までちょうど50人もいる。

ArdilesとGullitは現役選手として世界最高級のエースだったし、イングランドリーグでも名を残していた。一方、Wengerと状況が似ていたのはDr Jozef Venglošだった。
●1990年W杯後、ヴィラのGraham Taylor監督がイングランド代表監督に就任。

●その後任者は、チェコスロバキア代表をベスト8まで導いていた、Vengloš監督。

●だが、発表記者会見ではDoug Ellis会長が「この人、誰なのか分かる?」と聞いたら、集まった報道陣はシーンとした。外国人監督、知るわけないだろう!

Vengloš監督の言葉
●"A few things those days were a bit different to what we'd been doing in central Europe. The methodology of training, the analysing of nutrition and the recuperation, regeneration and physiological approach to the game."
「当時、中央ヨーロッパでやっていたことがまだイングランドには浸透していなかった。例えば、練習方法や栄養分析、試合後のリカバリー、生理学的なアプローチなどだ。」

当時、アストン・ヴィラでプレーしたDwight Yorke選手の言葉
●"Things he did at Villa, other clubs were doing seven or eight years later."
「彼がヴィラでやっていたことは結局、7~8年後にどこのクラブも導入し始めた。」

●その、イギリス人にとって全く未知なアプローチを導入してみたVengloš監督。

●だが、Taylor前監督のキック&ラッシュで準優勝していたヴィラの選手たちは、なかなか受け入れてあげなかった。試合後はウォームダウンじゃなくて、お酒だろう!

●結局、17位で終了して、Vengloš監督が1年で解任。

●そんな英国に5年後、ベンゲルがやってきた!




特集記事:ベンゲルの指揮下で「7つの時代」
●Amy Lawrence、The Guardian紙
Arsène Wenger: 20 years at Arsenal - an incredible journey of joy and frustration
「アーセン・ベンゲル、アーセナルでの20年:喜びとフラストレーションの驚くべき遍歴」
https://www.theguardian.com/football/2016/sep/21/arsene-wenger-20-years-arsenal-incredible-journey

●20年を7つの「時代」に分けて振り返る特集記事。

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※ ①は小説の名前、③はテレビシリーズの名前、⑤はキリスト教神学の用語である為、日本語訳はそれぞれの邦題・定訳にしています。

① Brave New World (1996) 「すばらしい新世界」

●Venglošの5年後だったが、やっぱりベンゲルもあまり暖かく歓迎されなかった。
●選手、相手監督、サポーター、メディアが「知らない外国人」を疑っていた。

当時のキャプテン、Tony Adamsの言葉
●"There was a fear of someone else, a fear of change... contempt before investigation."
「他人、それから変化に対しては恐怖があった。他人のことは知ろうとせず、ただ軽蔑するというような風土だった。」

ベンゲル監督の言葉
●Wenger was conscious of it. "I felt quite a lot of scepticism," he said. "That's normal, especially on an island. This phenomenon is more emphasised on an island because people have historically lived more isolated. They are more cautious about foreign influences."
「かなりシニカルに見られていたのを分かっていた。それは普通のことだが、島国では特に著しくなる。島国の国民は歴史的には孤立して生きてきたので、他国の影響を若干疑う傾向がある。」

●しかし、ベンゲルにとっては人生のターニングポイントでもあった。

●奥さんが妊娠していた。子育ては日本でするのか、ヨーロッパでするのか?

●ヨーロッパに帰るなら、娘が生まれる前に帰りたかった!


ベンゲル監督の言葉
●"I was at a dangerous point and I had to make a decision. I felt that if I didn't come back now I would stay forever in Japan. After two years you get slowly emerged into this spirit. What you miss in Europe is slowly drifting away. I was at a point where I thought, I will make my life here if I don't come back now."
「私の人生の中で、岐路に立っていた。今すぐヨーロッパに帰らなければ、死ぬまでずっと日本に居ると思った。2年も日本に居れば、少しずつそうなってくるよ。ヨーロッパの懐かしいものは少しずつ忘れてしまう。だから、ヨーロッパに帰るか、完全に日本に定住するか、その時点で決めることにした。」


② Pass With Flying Colours (1996-1998) 「やすやすと合格(パス)する」
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●ベンゲルが就任してから2年をかけ、様々な新しいアイデアを導入した。

●当時のイギリスではあまり馴染みがなかった、スポーツ科学のアプローチをどんどん導入した。
栄養やダイエット、水分摂取、ストレッチの時間、コンディション専門コーチなど。
「何を食べる・飲むか」だけではなく、「いつ、どのように食べる・飲むか」という視点も。

●イギリスならではの「パワフル」なサッカーを、欧州大陸風の「表現能力ある」サッカーを有効的に融合させるよう、練習メニューをデザインした。

●イギリス人監督には持つわけがない、幅広い人脈を活かし、欧州各国から外国人選手を発掘したり獲得したりした。
Marc Overmars、Nicolas Anelka、Emmanuel Petit、Patrick Vieiraなど。

ローレンス記者の言葉
●For Bergkamp, the arrival of Wenger built a bridge between the football of his past, his education in the Dutch ideals of total football, and the never-say-die English football attitudes that were embodied by Arsenal's steely back four. There was a kind of symbiosis. Consider how Bergkamp absorbed the toughness which helped him to electrify the Premier League, or how Adams had the freedom to burst on to a chipped pass from Steve Bould to score with an impeccable volley.
「デニス・ベルカンプにとって、ベンゲルが架け橋になった。ベンゲルの指揮下では、オランダで覚えた『トタールフットボール』の理想と、アーセナルの最終ラインが体現した『絶対に諦めない』というイングランドのフットボール文化との共生が可能になった。ベルカンプ自身はタフになり、プレミアリーグに電撃的なスリルを与えられるようになった。一方でAdamsがSteve Bouldのループパスを受け、ボレーシュートでゴールを決めるほど、自由な発想でプレーできるようになった。」


③ The Wonder Years (1998-2006) 「素晴らしき日々」
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●最初の10年間では毎年のようにタイトルを取った。

●マンチェスター・ユナイテッドとのライバル関係が激しくなり、最後まで優勝を争って結局2位という辛い思いもした。

●しかし、1996年~2006年の10年間では、アーセナルが3回もリーグ優勝を果たし、4回もFAカップで優勝し、クラブ史上初のCL決勝進出を果たした。

●また、2003/04シーズンは無敗優勝という偉業を果たした。

●1930年代、Herbert Chapman監督時代と肩を並べるほど、クラブ史上の中でも黄金期だった。

●それから、ただ勝つだけではなく、魅力的なサッカーで勝つことが特に絶賛を浴びた。

●全盛期のThierry Henryの他、Dennis BergkampやRobert Pirès、Freddie Ljungberg、Patrick Vieira、Nwankwo Kanuなど。

●豪華の攻撃を支えたのは、Sol Campbellを中心とした固い最終ライン。


ベンゲル監督の言葉
●"[The Invincibles] was one of my dreams. I learned that you can achieve things that you think are not achievable."
「無敗優勝は1つの夢だった。そのシーズン、絶対に達成できないと考えたことでも達成できる、というのを学んだ。」


④ Men Against Boys (2006-2013) 「大人と対戦する少年」
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●Highburyから、Emirates Stadiumに引っ越しを決めたアーセナルとベンゲル。

●それにより、凡そ10年間は補強など我慢せざるを得ない時期となった。

●しかし、ベンゲルはそれでも勝つというプランを描いた。

●なるべく有望な若手選手を多く集め、アーセナルの精神をその選手たちに教える。
監督、クラブ、またお互いに忠誠心を持ちながら、一緒に成長するチームを育てる。

●Cesc FàbregasやVan Persie、Samir Nasri、Abou Diabyなど。

ローレンス記者の言葉
●When Arsenal decided to leave their ancestral home and prepare for a move that would in the end cost around £400m, Wenger knew and accepted that for a time it would compromise his team. What he did not know was that all Arsenal's plans would be thrown by the impact of oligarchs and billionaires landing suddenly to transform the football landscape. Arsenal's belt-tightening coincided with lavish spending elsewhere.
「アーセナルが先祖以来の邸宅を離れ、£4億もかかる引っ越しに向けて準備を始めたとき、ベンゲルはそれにより、チームにとって我慢する時期になるのを知り、前向きに受け止めていた。しかし、そのとき、知らなかったこともあった。同じタイミングで石油王や億万長者が登場し、フットボールの土俵を抜本的に変えることだ。アーセナルが節約するのと同時に、ライバルが贅沢な補強に巨額を投じることになった。」

ベンゲル監督の言葉
●"You feel like you have stones against machine guns. People don't want to know that. They just want you to win the championship."
「機関銃を備えた軍隊に対して、石を投げて抵抗しなければならない、というような気持ちだった。しかし、そんな話を人は聞きたくない。人はそれでもリーグ優勝を求める。」

ローレンス記者の言葉
●But project youth crumbled. It was perhaps the lowest blow for Wenger. The damage when Fàbregas and Nasri left, followed by Van Persie, was felt keenly. Wenger felt a very personal sense of loss. The ideology he believed in collapsed around him.
「しかし、『プロジェクト・ユース』が失敗に終わった。これはベンゲルにとって最下点となった。FàbregasとNasriに続いてVan Persieも出ていってしまい、ダメージが大きかった。ベンゲルが個人的に強い喪失感を覚えた。ずっと信じていたイデオロギーが、目の前で崩壊してしまった。」


⑤ A Second Coming (2014-15) 「再臨」
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●2005年のFAカップ優勝以来、9年間もタイトルから遠ざかったアーセナル。

●何回か、他クラブからオファーを断ったベンゲル。

●そして、2014年のFAカップ決勝進出により、やっとタイトルのチャンスが訪れたのに、ハル・シティを相手にまさかの2点ビハインド。

●アーセナルは大逆転により、「復活」を証明することに。

ローレンス記者の言葉
●Several times during his Arsenal tenure Wenger could have left for other clubs. He never did. He stayed put, earning a handsome salary but also absorbing the flak. Why? Because he believes in an idea that is about more than honours for the CV. He started the project to see Arsenal over their expensive move, and he wanted to finish it.
「アーセナル監督在任中、ベンゲルが他のクラブに行く機会がたくさんあった。しかし、批判を浴びながらも、いつもアーセナルに残ることにした。それは何故だろう?履歴書に載せるタイトルの数よりも、大いなる理想を信じているからだ。コストも犠牲も伴う、スタジアム引っ越しのプロジェクトを彼が始めたので、彼は最後まで見届けたかった。」

ベンゲル監督の言葉
●Going 2-0 down was, he said, "surreal" because the thought of losing when carrying so much expectation was unthinkable. "Winning was an important moment in the life of the team. When it comes after a long time it sometimes comes with suffering. We had such a feeling of relief and happiness."
「あまりにも大きな期待を背負っていた中で、2点ビハインドとなって負ける可能性と直面するのが現実離れした気持ちだった。このチームの人生において、勝利できたのが大切な瞬間だった。長い年月が経っていたし、苦労も伴っていた。やっとまたタイトルを取れて、すごくホッとして幸せな気分だった。」


⑥ The Great Survivor (2015-16) 「偉大なサバイバー」
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●10年連続の「3位 OR 4位」、6年連続のCLベスト16敗退。

●こんなに一貫してCL出場権を獲得している監督は他に居ないが、
「たまには逃しても良いので、たまには優勝してくれ!」などの不満な声もある。

●昨シーズンは11年ぶりのリーグ準優勝を果たしたが、ライバルが全て滑って、結局、優勝したのはレスターとのことで、喜べなかったサポーターも少なくない。

ローレンス記者の言葉
●He retains the full support of his club's majority owner, Stan Kroenke, and the board. Their faith in him has not wavered. Some supporters frustrated by the ratio between high ticket prices and club honours vent their spleen and hold up banners. Others feel a sense of loyalty and affection for a man who has given a lot of himself to the club during his tenure. Many are stuck in the middle.
「クラブの過半数株式保有者、Stan Kroenkeをはじめ、理事会の支持は揺るぎない。だが、サポーターは派閥に分かれている。チケットの高い値段とタイトル数の比率について激怒し、横断幕を掲げる反対派が居る。一方、人生をアーセナルにささげてきたベンゲルに忠誠心と愛情を感じる、支持派が居る。また、両派閥の間に入って混乱するサポーターも多い。」

ベンゲル監督の言葉
●"I can only survive if I have that desire to win. You become a winning animal. Somewhere you slowly forget your own life. I think any manager can only be happy if he wins. We all live desperate for it, and everybody will do everything to win. It's not a regret, it's just an explanation of how the life of a manager is."
「勝ちたいという強い願望がなくては生き残れない。監督は勝つために生きる、アニマルになってしまう。元々の人生を少しずつ忘れてしまう。監督は勝つときにしか幸せになれないと思う。私達は勝ちたくてたまらないという日々を過ごし、勝つ為なら何でもする。これは後悔ではない。ただ監督の人生というのはこういうものなのだ。」


⑦ The Future (2016-?) 「未来」
●今季終了時点で契約満了。果たしてどうなるだろう?

ローレンス記者の言葉
●Whatever happens and whenever it happens to end this collaboration between manager and club, Wenger is the last of his kind. The average timespan for a manager in England's professional game is currently 13 months. We will not see a 20-year boss at elite level again.
「これからどうなろうが、この監督とクラブのコラボレーションがいつ終わろうが、このタイプの監督してベンゲルが最後というのは間違いない。イングランドのプロリーグでは現在、監督が就任してから平均として13ヶ月後に退任する。今後、同じ監督が20年もずっと指揮を執るケースは二度と見られないだろう。」

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