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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2011年06月20日

インターハイ東京準々決勝 都立東久留米総合×駒澤大学高@駒沢補助

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201106191403000[1]komazawa.jpg第2試合も第1試合に負けず劣らずの好カード。1回戦で個の力では劣勢だった東京朝鮮に対して、片岡瞭星(3年・志村四中)の2ゴールで快勝を収めた東久留米総合が、昨年度の選手権東京予選で帝京を撃破し、初出場となった全国でも2勝をマークするなど躍進を遂げた、1回戦シードの駒澤大学高と対峙します。
ゲームは「立ち上がりはサイドの深い所にボールを蹴り、そこから繋いでフィニッシュ」(駒澤大学高・大野祥司監督)という駒澤大学も、前線に西田絋崇(3年・練馬FC U-15)と佐々木翼(3年・久留米FC U-15)で組む強力2トップを擁する東久留米も、ロングボールを多用する落ち着かない展開に。どちらも主導権を取り切れない時間が続きましたが、流れと関係なくスコアが動いたのは9分。駒澤は相手のセットプレーを跳ね返した所から綺麗なカウンター。ハーフウェーライン付近で迫り来る東久留米最後の砦をかわした邊見洋平(3年・FC駒沢U-15)は、そのまま独走するとGKとの1対1も冷静に一刺し。駒澤がアドバンテージを握りました。
さて、リードを許した東久留米はなかなか流れの中からシュートを放てませんが、16分にはFKのチャンス。レフティ米倉翼(3年・FC東京U-15むさし)が右サイドから入れたボールは、一旦DFがクリアしたものの、佐々木が速い球足のクロスを入れると、春山美優士(3年・三菱養和巣鴨)に当たったボールを橋詰晃(3年・FC東京U-15むさし)が足を伸ばしてプッシュ。「気が緩んだわけじゃないんだろうけど」と大野監督も首を傾げるエアポケットを見逃さなかった東久留米が、スコアを振り出しに戻しました。
21分にもセットプレーから惜しいシーンを創ったのは東久留米。佐々木の右FKに、ニアへ飛び込んだのは片岡。ボールはバーを越えたものの、東京朝鮮戦でもニアへ潜り込んでヘディングを決めるなど、160センチという身長に騙されると、この男の危険な武器であるヘディングを見落としてしまいます。さらに続く東久留米の攻勢。28分、右サイドでゴールまで25mの距離から米倉が狙ったFKは、駒澤GK斉藤正樹(3年・FC東京U-15深川)がファインセーブ。29分、橋詰が中央をゴリゴリとドリブルで突き進み、こぼれ球を拾った佐々木のミドルはクロスバーの上へ。前のゲームもそうでしたが、東久留米は流れが来ている状況の時にはしっかりボールも回り出して、さらにペースを引き寄せることができるチームという印象を持ちました。
ただ、駒澤も前半終了間際にビッグチャンス。40+1分、高須雅也(3年・フレンドリー)のCKを大越龍之介(3年・奈良中)が頭で枠へ飛ばしましたが、東久留米DFがゴールライン上でクリア。スコア動かず。1-1で最初の40分間は終了しました。
後半は東久留米の攻める時間が長い展開ながら、「とにかくパスが3本と繋がらないんで」と大野監督も認める中、ある程度割り切って蹴ってしまう場面が多い駒澤は、スタイル上どうしても押し込まれてしまいますが、それを自分たちのペースとして捉えるのであれば、そこまで劣勢とも言い切れないような展開に。
46分には片岡のパスから菅谷翼(3年・FC東京U-15むさし)がエリア内から放ったシュートは、飛び出したGK斉藤がキャッチ。59分には嵐田継也(3年)の縦パスを、受けた西田が右サイドからカットインして打ったシュートは、ここも飛び出した斉藤が阻止。60分から62分にかけて3連続で東久留米にCKのチャンスがありましたが、ここも凌ぐなど駒澤の粘り強い対応が続きます。
64分、西田がカットインから枠へ打ち込んだシュートは斉藤がキャッチ。69分、米倉のCKと、こぼれを再び米倉が上げたクロスは、前者がDFのクリア、後者が斉藤のパンチングで回避。74分には佐々木のスルーパスへ反応した菅谷と、飛び出したGK斉藤が接触するも主審の判定はノーホイッスル。後半はシュートを1本も打てませんでしたが、斉藤を中心に抜群の集中力で40分間を凌ぎ切った駒澤。1-1でゲームは前後半10分ずつの延長戦に突入しました。
5分間のブレイクを挟んでも、変わらない構図。81分、右サイドを完全に崩し、多田和明(3年・FCクレセル)の折り返しを西田は完璧なタイミングのダイレクトシュートへ繋げましたが、斉藤が完璧なタイミングでセーブ。87分、佐々木のパスから西田がドリブルで切れ込むも、斉藤が飛び出しセーブ。エンド替わって93分、菅谷のパスから片岡の枠内シュートは斉藤がセーブ。95分、佐々木が左へ送ったボールを米倉がクロスに変えると、合わせた多田のヘディングはわずかにクロスバーの上を通過。結局同点に追いついて以降は再三のチャンスに恵まれた東久留米でしたが、立ちはだかった斉藤のビッグセーブ連発と、やや最後の精度に詰めの甘さを感じさせる格好で、所定の100分間も終了。準決勝進出の行方はPK戦へ委ねられることになりました。
迎えたロシアンルーレットで、主役に躍り出たのはゲーム中の守備機会が片手で数えられる程だった、東久留米のGK野中優志(2年・練馬谷原中)。駒澤の1人目と2人目を完璧にストップすると、東久留米のキッカーは2人目こそ枠を外したとはいえ、それ以外の3人は全員がGKの逆を取って成功。そして5人目の佐々木もしっかりGKの逆に沈めて勝負あり。東久留米が粘る駒澤を振り切って、全国まであと1つに迫る結果となりました。
駒澤にしてみれば、「想定はしていたので、順番も決めていた」(大野監督)PK戦までよく持ち込みましたが、最後は力尽きました。昨年度の躍進を支えたレギュラーはほとんどが3年生だったため、実質まったく違うチームと言っていいようなメンバー構成の中、「チームの“輪”を考えて、スタメンは3年生だけにした」(大野監督)成果は守備の驚異的な粘りにも現れていたものの、なかなか攻撃まではカバーできなかったようです。これで駒沢補助会場は、いずれもシード校が敗退。今年も東京の高校サッカー界は、群雄割拠の時代が続きそうです。  AD土屋

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