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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2011年06月27日

J2第18節 東京V×岡山@味スタ

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201106270018000[1]aji.jpg共に3勝3分け5敗同士で14位と15位。前節は富山に今シーズン最多となる5ゴールを奪って大勝。その流れを継続させて1つでも順位を上げていきたい東京V。一方、「前節は自分たちのよさを出せず、腑甲斐ない戦いをしてしまった」と影山雅永監督が振り返ったように、ホームで水戸に0-1で敗れた岡山。こちらもなかなかメンバー構成が安定せず、試行錯誤が続いている印象です。
さて、ゲームが始まるといきなり動いたスコア。6分、左サイドから菊岡拓朗がニアへ落としたCKを、岡山のチアゴがクリアしきれず、揺れてしまったゴールネット。記録上は菊岡のゴールとなりましたが、限りなくオウンゴールに近い形で東京Vが先手を取ります。さらに畳み掛ける緑。9分、小林祐希が右へ展開すると、森勇介はドリブルで縦へ運び、グラウンダーで最高のクロス。走り込んできた河野広貴は左足アウトで面を合わせるようなボレー。ボールはニアサイドを滑るように貫きます。高いイメージのシンクロと、それを具現化する高い技術。間違いなくJ1クラスのゴラッソで、点差が開きました。
早くも2点を奪われた岡山は、チアゴへボールを入れる意識は窺えますが、長いボールの精度も低く、前で収まりません。また、共にレフティの千明聖典とキム・ミンキュンで組んだドイスボランチも、捌くばかりで縦へのスイッチを入れられず。結果、18分の近藤徹志が入れたフィードをチアゴが強引に持ち込んだ可能性のない枠外シュートと、21分に右サイドから後藤圭太が上げたクロスに、臼井仁志が合わせたヘディングの2本が前半に記録されたすべてのシュート。かなりの劣勢を強いられる展開となりました。
ただ、「早い時間帯で点が入ったので、落ち着いてプレーできた」(川勝監督)東京Vもややイージーなミスも少なくなく、ゲーム自体のペースはかなりダウンしてしまいます。そんな中で次に生まれたゴールは岡山の致命的なミスから。34分、左から阿部拓馬が上げたクロスを、絞っていた小林優希は難しい高さのボールだったとはいえ、クリアしきれずに小さく落としてしまいます。狙っていた河野の素早いシュートは右ポストを直撃しましたが、こぼれ球を河野が自らプッシュ。3-0という大差が付いて、45分間は終了しました。
前半は「まったく自分たちのサッカーができなかった」(影山監督)岡山は、47分に右サイドで澤口雅彦が付けたボールを、Jリーグ初スタメンとなった清水ユース出身のルーキー石原崇兆がクロス。臼井は空振り、シュートシーンにはならなかったものの、ようやく初めて形らしい形を創出すると、51分にもチアゴ、千明と繋いで、最後は臼井が枠の右へ逸れるミドルにチャレンジ。ここに来て、攻撃の時間が出てきます。
ところが60分に次のゴールを決めたのも東京V。左サイドの高い位置で和田がドリブルからバックパス。河野のピンポイントクロスに、ファーサイドで合わせたのは、彼女が来日したばかりだというマラニョン(エルゴラ・田中直希記者情報)。プライベートも充実したブラジル人ストライカーの今シーズン初ゴール。実質、勝負は決しました。
東京Vは2点目が右から森のクロス、4点目が左から河野のクロスと、両サイドからゴールに繋がる形を創りました。これに関して「今まではサイドにボールが入った時にガス欠していたので、そこから早くボールを入れたいと話していた」と川勝監督。サイドから一発のクロスで決め切るパターンが出てくると、当然得意の中央突破も効果的になるはずで、そういう点ではイメージという意味でも非常に大きな2つのゴールだったのではないでしょうか。そして61分、ゴールを決めたマラニョンに替わって、ピッチへ登場したのは高木善朗。オランダ・エールディヴィジのユトレヒトへ移籍する18歳の国内ラストゲームに、スタンドからも温かい拍手が送られます。
“キビダンゴ”のチャントで選手を鼓舞するなど、東京まで駆け付けたサポーターのためにも、何とか一矢は報いたい岡山。65分には臼井に替えて、東大卒のルーキー久木田紳吾を投入。66分にはチアゴのショートコーナーから石原が切れ味鋭いドリブルを見せ、1人かわして上げたクロスは何とかDFがクリア。68分には小林のFKから、澤口のヘディングはわずかにバーの上へ。71分、小林の右CKはGKがキャッチ。ここに来て、セットプレーからチャンスを創り出します。
さらに71分には「イライラさせることができたと思う」と川勝監督も話したチアゴと岸田裕樹がスイッチ。75分、澤口の右クロスに岸田が下がりながらうまく当てたヘディングは枠の上へ。79分、澤口が右サイドで粘って折り返したボールを、キムはダイレクトでシュートに変えるも、わずかにゴール左へ。80分、小林のCKから、澤口のヘディングはバーの上へ。「俺たちはもう少しやれるという姿勢を見せられた」と影山監督も語ったように、この時間帯は岡山が反攻。特にほとんどのチャンスに顔を出していた澤口の奮闘ぶりは圧巻。このゲームでは彼が最も気持ちの入ったプレーをしていたと思います。
残り時間で言うと、85分に投入されたアポジがその俊足で場内をどよめかせ、89分には千明がミドルで東京VのGK柴崎貴広にセーブを強いると、ゲームの終了を告げるホイッスル。東京Vがホームのサポーターに大勝での勝ち点3をプレゼント。高木のメモリアルゲームに華を添える結果となりました。
勝った東京Vは、イージーミスからリズムを壊すシーンもあったものの、押し込まれた後半の時間帯は4点をリードしてから。「チームとして行く所と行かない所の統一感を持とう」(川勝監督)という課題は、今日のゲームでいうとある程度クリアしていた印象です。前述した2点目は軽くJ2レベルを凌駕した、驚異的なゴール。個の力は抜群なだけに、チームとして確実にステップアップしていけば、まだまだ上位を十分に狙えるチームという印象を持ちました。  AD土屋

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