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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2011年06月05日

J2第15節 草津×千葉@正田スタ

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201106052017000[1]cup.jpg引き分けなしの4勝4敗。今シーズンのJ2では間違いなく最大のビッグチームであるFC東京に土を付けたかと思えば、下位チームにあっさり負けたりとなかなか安定した結果を出すまでには至らない草津。今節の相手は東の横綱であり、首位を快走する千葉。「上位についていけるか下位に飲み込まれるかの分岐点になる」(草津・副島博志監督)一戦です。一方、前述したように6勝1分け1敗と確実に勝ち点を積み重ね、首位をキープしている千葉。どうしてもオーロイに注目が集まりますが、攻め上がりを自重するSBも含めて、きっちり築いていく守備ブロックも強固。現時点では間違いなく昇格の最有力候補と言えるでしょう。注目の関東対決は正田醤油スタジアム群馬です。
まず先に攻勢を取ったのは千葉。3分、青木良太が左サイドを駆け上がってクロス。フリーのオーロイが長い左足を振ったボレーはヒットしませんでしたが、5分にもルーズボールを拾った伊藤大介が枠内ミドル。続いて9分、熊林親吾のミスパスを奪った深井が、ドリブルからやはり枠内シュート。積極的なチャレンジが続きます。
ただ、当然最初は規格外の高さを生かすスタイルに、どれだけインフォメーションがあっても戸惑う部分はあったと思いますが、徐々に慣れてきた10分あたりからは、草津も冷静に対応。「ロングボールの出所を抑える」(副島監督)部分では、「DFラインの選手が深い位置にいる時は追わなくていいから、ちょっと高い位置に来たらプレッシャーを掛けてくれと言われていた」とFWの萬代宏樹。これは2トップのパートナーを務めるラフィーニャも同様で、プッシュアップに専心していた最終ラインと最前線をコンパクトに保つための施策。それが遵守されたことで、「セカンドボールもうまく拾えていた」(櫻田和樹)草津が少しずつ守備から攻撃のリズムを創り始めます。
13分、松下裕樹の縦パスを萬代が収め、アレックスが右へ展開。上がってきた古林将太のクロスはGKにキャッチされたものの、1つ形を創ると、2分後には決定機。15分、右サイドをアレックスと萬代で崩し、最後は熊林が右スミギリギリにコントロールしたボールは、岡本がファインセーブ。千葉ゴールを脅かします。
以降は19分に伊藤がゴール左寄り約25mのFKを枠に飛ばし、草津GK北一真にファインセーブを強いたシーンと、28分にカウンターからアレックスのミスクロスがクロスバーを直撃したシーンくらいが、攻撃の見せ場。なかなかオーロイの“次”を生かしきれない千葉と、長いボールの飛びかう展開にストロングの中盤を使いきれない草津。膠着した流れになってしまいます。
40分には伊藤の縦パスから深井が飛び出したGKの鼻先でシュートを放ちますが、カバーに入った永田拓也がクリア。42分、伊藤のCKを3戦連発と絶好調の“ストライカー”竹内彬が頭で狙うも、DFがなんとか掻き出し先制ならず。最初の45分はスコアレスで終了しました。
迎えた後半、先に動いたのはドワイト監督。2列目に入り「孤立してしまうシーンが多かった」(伊藤)マット・ラムに替えて、太田圭輔を投入します。そして50分に動いたスコア。ゴールを奪ったのは、ベンチが動かなかったホームチーム。左サイド、アレックスのパスを受けたラフィーニャが深くえぐって柔らかい浮き球で折り返すと、全速力で飛び込んできたのは褐色の弾丸アレックス。脅威のブラジリアンコンビが炸裂。草津が先手を取りました。さらに54分、松下と熊林のパス交換から、オーバーラップの古林がマーカーを切り返しで翻弄すると、フィニッシュまで。勢いが出てきました。
さて、なかなか攻撃のリズムが創れない千葉。「もっと2列目がどんどん飛び出してくると思っていたが、そうでもなかった」と松下が指摘したように、後半開始からの交替も効果は薄く、シュートも打つことができません。すると、64分に「1-0で負けていたので、前線にパワーを持ちたい」とドワイト監督が切ったカードは久保裕一。下がったのは太田。わずか19分間のプレーとなった太田には、なんとも言えないゲームになってしまいました。
4-4-2にシフトし、「動きながら基点を創れる」(伊藤)久保が入ったことでダブルターゲットを得た千葉でしたが、それでも「ヒデ(中村英之)とミク(御厨貴文)がファーストDFでしっかりアタックしてくれるので、オーロイの所でサンドできていた」と櫻田。DFラインも高い位置をキープし続け、全体の集中も切れずに時間を経過させていきます。そんな守備陣に攻撃陣が最高の形で応えたのは80分。ラフィーニャを起点に高速カウンター発動。熊林が粘って左へ繋ぐと、駆け上がる永田の前には広大なスペース。余裕を持って中へ入れたボールを、トラップする余裕を見せたラフィーニャが思いっきり叩き込み、スタンド沸騰。2-0。リードを広げます。
止まらない敷島劇場。90分、松下から回ったボールを櫻田は絶妙のスルーパス。走った萬代はGK岡本より一瞬早くボールに触り、少し角度はなくなったものの、自らゴールラインと平行にドリブルして、無人のゴールへプッシュ。直後にはオーロイのポストプレーからPKを与え、深井に1点は返されましたが、「1点で終わらず、2点目3点目と攻める姿勢を最後まで保てたことに、チームとしての成長を感じた」と指揮官も納得の表情を浮かべた草津が、今シーズン初めての2点差勝利で首位千葉を粉砕する結果となりました。
千葉はドワイト監督も「ウチが完全に主導権を握った試合ではなかった」と認めたように、オーロイというよりも、そのセカンド奪取も含めて2列目がうまく機能せず、攻撃の形を創りきれませんでした。「焦る気持ちはあったが、トーレ(オーロイ)で競り勝てる部分はあるんで」と伊藤が話したように、常に強烈なファーストオプションがあるため、なかなかセカンドオプションに踏み切るタイミングが難しいのは確か。このゲームで言えば、セットプレーで威力を発揮するロングスローワーのミリガン不在が小さくない影響を与えたと言えるでしょう。
勝った草津は、186センチの中村をCBに入れましたが、オーロイとの身長差は18センチ。それでも「他の選手がオーロイに競り勝っているシーンを映像で見たら、早めにジャンプした方が勝てる確率は高かった」と中村。もちろん競り負ける場面もありましたが、試合終了のホイッスルが鳴ったのと同時にピッチへ倒れこむほど食らい付く姿勢を前面に押し出し、オーロイから自由を奪ったプレーは特筆すべきものでした。「いい運動量でやれたと思う。動きの質が上がった気がする」とは中村同様、勝利の瞬間にピッチへ倒れこんだ櫻田。草津にとっては今後に向けて大きな手応えを掴む1勝になったようです。  AD土屋

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