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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2011年06月22日

J1第17節 柏×G大阪@日立台

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201106230603000[1]kashiwa.jpg今シーズン初めての完敗をホームで磐田に喫して迎えた前節の福岡戦は、苦しみながらも勝ち点3を獲得。再び訪れた水曜開催のホームゲームで、連勝を飾って首位固めといきたい柏。一方、ACL敗退以降はなかなか結果が付いてこないゲームが続き、2試合消化が少ないとはいえ、順位も8位と中位に甘んじる中で、9ゴールとチームのみならずリーグのトップスコアラーだったアドリアーノの中東移籍が決定。「少ないオプションでガンバらしさを構築していく」と西野朗監督は話しましたが、指揮官としては何とも頭の痛い所でしょう。
さて、開始29秒でレアンドロ・ドミンゲスがいきなり飛ばしたミドルが打ち合いの号砲。3分、縦パスをカットした加地がそのまま持ち込み、平井のシュートはゴールネットを揺らすもオフサイド。9分、村上の縦パスを茨田がクロスに変えたボールは、ニアへ入り込んだ北嶋がバックへッドで狙うも、DFがブロック。ハイテンションの攻防が続きます。
すると最初のゴールが生まれたのは、このCKから。10分、レアンドロが蹴ったボールは中央を抜けてファーサイドへ。フリーになっていた田中が、迷わずダイレクトで左足を振り切ったシュートはゴール右スミへ一直線。2試合ぶりのホーム勝利へ向けて、幸先良く柏がリードを奪いました。
「そう簡単には崩し切れない、バランスのいいレイソル」(西野監督)に先手を取られたG大阪でしたが、まったく怯まず。11分、遠藤の右FKから平井が一度は空振りしたものの、再びチャレンジしてチーム初シュートを枠に飛ばすと、すぐさま生まれた同点弾。14分、二川のパスを受けた宇佐美は、右サイドから左へ縦断しながらドリブルで運び、中に切り返すとパスを選択。遠藤は冷静に1人をかわすと、ゴール右スミへ丁寧なシュートを置きにかかり、見事成功。早くもお互いに1点ずつを奪い合う展開になりました。
以降も、16分と20分共にうまく合わせた北嶋のボレーや、22分にカウンターから遠藤が繋ぎ、最後は宇佐美がカットインから強烈な枠内シュートを放つなど、スピーディーな展開は変わりません。ただ、そんな落ち着かない展開を嫌ってか、4-2-3-1でスタートした布陣から、20分前後に中盤をダイヤモンド気味に組み替えて4-4-2にシフトした柏は、確かに守備こそ一定の安定感を取り戻したものの、25分にカウンターから茨田が放ったミドルが前半最後のシュート。G大阪の攻める時間が長くなっていきます。この要因は、やはり「遠藤をフリーにしてしまうシーンが多かった」(柏・ネルシーニョ監督)こと。3列目からスルスルと上がってくることの多かった遠藤に対して、柏は誰が掴みに行くのかが曖昧に。29分には加地とのパス交換から、飛び出してきた遠藤がわずかに枠の左へ外れたシュートをお見舞い。さらに「2トップの方がガンバのサッカーはできる」と話したイ・グノや二川、宇佐美もサイドでバイタルでとボールタッチが増加し、これで「ガンバに創らせてはいけないパスのリズム」(ネルシーニョ監督)が生まれ、攻勢になっていった印象です。共にスピーディーに攻め合う流れだったのは間違いありませんが、ペースはG大阪に傾いて、前半は終了しました。
後半は再びシステムを変えて、「相手のドイスボランチに茨田とレアンドロをマンツーマン気味に付けた」(大谷)柏。しかし、その効果がハッキリと判明する前にゴールを挙げたのはG大阪。51分、左サイドから下平の上げたクロスがファーに流れると、拾った遠藤は後ろへ。加地は自らカットインすると左足でシュート。DFに当たったこぼれをプッシュしたのは平井。なかなか攻撃のいい流れに乗れなかったものの、一発で起用に応えたストライカーの逆転弾。リードは入れ替わりました。
さて、逆転を許した柏でしたが、失点前から全体的に流れはよくなり、攻撃の手数も増えていました。失点後も58分にジョルジ・ワグネル、レアンドロ、大谷と回り、茨田のミドルはわずかにゴール右へ。60分にも、田中のラストパスを受けたレアンドロが、左へ持ち出しながら枠を捉えたシュートは、藤ヶ谷がファインセーブ。決定機も創出します。
ところが次にゴールが記録されたのもG大阪。62分、うまくマークを外した遠藤が右へラストパス。イ・グノは右への持ち出しが1つ多く、角度がなくなってしまいましたが、「思い切り打とうと思って」振り抜いたフィニッシュは、ニアサイドを豪快に看破。1-3。G大阪が2点にリードを広げました。
「中盤をニュートラルに持っていって、チャンスを創る」(ネルシーニョ監督)という狙いは体現されつつあった中で、一瞬の隙から突き放された柏は、66分に2枚替え。北嶋と大谷を下げて、工藤と兵働を投入。するといきなり直後に左サイドを崩し、田中の折り返しはフリーのレアンドロに渡ると、シュートは藤ヶ谷にキャッチされましたが、2度目は外さないのが10番のスナイパー。1分後の67分、茨田のパスを引き出したレアンドロは、躊躇なくミドルにチャレンジ。DFに当たってか、わずかにコースの変わった弾道は藤ヶ谷を通過し、ゴールネットへ。またも点差は1点に縮まります。
これで流れは完全に「選手を替えてチャンスも創り、攻撃もスピーディーになった」(ネルシーニョ監督)柏。69分には兵働のスルーパスから工藤が抜け出すも、シュートは藤ヶ谷の正面。74分には疲労の色濃いワグネルを橋本と入れ替え、攻守両面でバランスを整えつつ、勝負に出ます。この勢いに西野監督もたまらずイ・グノを下げて内田を中盤に投入。「レアンドロがカウンターを狙ったり、2トップに近い所にいたので、まずそこを掴ませる」(西野監督)と、トレスボランチの4-3-1-2にシフトしますが、効果薄。78分には武井の不用意なロストから、橋本を経由して、受けたレアンドロは中央をドリブルで運び、枠内へミドル。同点、そして再逆転をも期待する雰囲気が日立台に満ち溢れます。
そんな中、決着は突然に。80分、二川が右サイドで何気なく始めたFKが内田、山口と渡って左へ回ると、下平はギアを一段上げて縦へ運び、思い切りよく放ったミドルがゴール右スミを確実に捕獲。56試合目にしてJリーグ初ゴールとなった伏兵のダメ押し弾が飛び出し、「突き放せたことが今日の収穫だと思う」と西野監督も話したG大阪が、首位の柏を打ち合いの末に撃破する結果となりました。
スペクタクル度の高い好ゲームだったと思います。柏も前半に一度は手放した流れを、後半に入って完全に取り戻し、敵将も最後は「5-4-1にしてディフェンシブに戦わざるを得ない状況だった」と認めるなど、敗れたものの首位に立っている理由をある程度は証明したのではないでしょうか。ただ、やはりトータルではG大阪の方が一枚上手。「非常に厳しい試合だったが、今の状況下でやれることは100%出し切って戦えた」と西野監督が話したように、2点を奪われながら4点を取るスタイルは「ガンバと言えばガンバ」(西野監督)。現時点での実力差がそのままスコアに反映されたようなゲームという印象を受けました。  AD土屋

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