デイリーサッカーニュース Foot!

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2011/06

S M T W T F S
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2011年06月05日

関東高校大会Aグループ1回戦 市立浦和×湘南工科大附属@敷島

foot!
  • Line

201106041501000[1]shikishima.jpg敷島に移動して、次に見たのはAグループの1回戦。すなわち、各都県のチャンピオンが集まるトーナメントです。オレンジのユニフォームは埼玉を制した市立浦和。青のユニフォームは神奈川を制した湘南工科大附属。前者は選手権全国優勝4回。後者も選手権全国3位2回。名門同士の対戦となりました。
まず、勢いよくピッチで躍動したのは湘南。6分、青戸真之介(3年)のFKから、ルーズボールを徳永峻(3年)が中へ入れると、3トップの中央に入った松本拓也(2年)はフリーでトラップしたものの、シュートまで行けず。8分、GK吉川剛幸(3年)がグラウンダーで縦に付けたボールを、里吉流星(3年)はスライディングで右へ。SBの田邉郁弥(3年)を経由して、青戸のドリブルシュートは枠の右へ外れます。ただ、この8分のシーンは湘南のやりたいスタイルが凝縮されたワンシーン。GKもファーストチョイスは繋ぎのパス。逆三角形の中盤を採用した4-3-3の1枚アンカーを務める山田衛(3年)が、時折左右に開いたCBの間に降りて、ビルドアップを担うバルサスタイルによる小気味よさで立ち上がりの流れを引き寄せます。
ところが、「ボールを自分たちで動かしていこうという話はしていました」と池田一義監督が話した浦和も、徐々にポゼッションを高めながら、3トップ右の栗原幹(3年)が躍動するなどサイドを攻略していくリズムが生まれ、ペースを手繰り寄せます。すると17分、樫村涼平(3年)のパスを受けた名取優(3年)がエリア内で倒され、PKを獲得。白畑快斗(3年)が冷静に沈め、ペースを奪還した浦和が1点のアドバンテージを握りました。さらに27分も浦和。樫村が入れたCKはGKのパンチングが小さく、ゴール前へ。右サイドから栗原が思い切って狙ったシュートを、名取がチョコンと頭で方向を変えると、ボールはゴールへ吸い込まれます。勢いそのままに連続ゴール。点差が広がりました。
すっかり細かいパスワークを封じ込まれてしまった湘南は、この失点前後から方針転換。ミドルパス、ロングパスによる大きな展開に活路を見出だしにかかりましたが、いかんせんイージーミスが多く、「うまく対応できていた」と池田監督が話したように、浦和がしっかりアジャスト。2-0で前半は終了しました。
流れを変えたい湘南は、後半開始からメンバーチェンジ。高橋陸人(2年)を3トップ中央に送り込み、松本を右にスライドさせます。さらに80人近い湘南応援団から期せずして巻き起こった“カントリーロード”の大合唱。流れは変わりました。43分、青戸がゴール左20mの位置から放ったFKはバーの上へ。50分、相手DFラインの裏を完全に取った高橋の独走シュートは、ほんの少し枠の右側へ。53分、中盤のルーズボールを制した高山和也(2年)の30mループはわずかに枠外。58分、松本のラストパスに反応した高橋のシュートは浦和GK三浦拓海(3年)がファインセーブ。小さな展開を捨てたことで、後半に入ると1人1人の持つプレーヴィジョンの距離が少しずつ長くなり、前半は出てこなかったスピード感やダイナミックさが表出。うまくゲームの流れに乗った印象を受けました。
ところが、次に待っていたのは浦和の一刺し。60分、左サイドを名取が個人技で切り裂いて上げたクロスに、5分前に投入されたばかりの笠原直人(3年)が頭から飛び込み、大きな大きな3点目。勝負は決しました。以降も懸命に攻め立てる湘南の前に立ちはだかったのが、浦和のGK三浦。65分に徳永の無回転FKを的確なパンチングで弾き出すと、73分には田村竜也(3年)の強烈なシュートに、ワンハンドで反応する超ファインセーブ。74分にも青戸の難しいシュートに対応するなど、まさに守護神の名にふさわしいパフォーマンスを披露。湘南の猛攻を無失点に抑えた浦和が、見事な勝利を収めました。
ここ2年は全国から遠ざかっているものの、選手権の常連でもある浦和はよく鍛えられているチームでした。「西武台、浦和東、武南がいない中での埼玉制覇というのは選手たちもわかっているので、気の緩みはないと思います」と池田監督。前述のプリンスに参入している3強と、全国への椅子を争う有力候補であることは間違いありません。  AD土屋

  • Line