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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2011年06月11日

関東大学リーグ1部第7節 国士舘大学×慶應義塾大学@西が丘

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201106111348000[1]nishigaoka.jpg先日発表されたU-22日本代表に流通経済大所属の3人が選出されるなど、近年ではかなりの熱視線が注がれている関東大学サッカー界。今日は駒沢陸上と西が丘で2試合ずつが行われる中、西が丘の第2試合となる国士舘と慶應義塾のゲームにやってきました。
「細かいミスやそういう所で、今までの戦いは結果が出ていない」と細田三二監督が話したように、3分け3敗の11位と苦しい戦いが続いている国士舘。一方、現在の順位は7位ながら、2位から勝ち点10で並んでいる6チームの中の1チームという位置付けの慶應。前節は中央大に2回先行されながら、追い付いての逆転勝利と浮上のキッカケを掴む一戦に。今日もゲームが始まると開始34秒、日高慶太(4年・桐蔭学園)のパスを右サイドで受けた山浦新(1年・東京ヴェルディユース)のクロスは、中央の河井陽介(4年・藤枝東)へピタリ。ボレーはヒットしなかったものの、いきなり流れを引き寄せると、12分にも右サイドからチャンスメイク。日高とのワンツーから抜け出した山浦が素早くグラウンダーのクロスを送ると、ニアに飛び込んだのは「新がクロスを上げてくれることはわかっていた。狙い通り」という武藤嘉紀(1年・FC東京U-18)。確実に矢印を変えたボールはファーサイドへ飛び込み、早くも慶應が先制点を奪いました。
いきなりビハインドを追い掛けることになった国士舘。13分には佐藤優平(3年・横浜FMユース)のスルーパスから、服部康平(2年・国士舘高)が抜け出し、右足を強振するもボールは左ポストに直撃。同点とはいかず、ここからは慶應が一方的に押し込む時間帯が続きます。16分、松岡淳(3年・慶應湘南藤沢)、日高と繋いだボールを武藤がミドルに持ち込み、国士舘GK石田昇平(1年・FC東京U-18)がファインセーブ。18分、河井の鋭いドリブルシュートは、またも石田がファインセーブ。21分、武藤がシュートを打ち切れず、右に流したボールを日高が放ったシュートはクロスバーの上へ。27分、松岡が左へ付けたボールを、河井がDFともつれながら持ち出してラストパス。武藤のフィニッシュは飛び出した石田が体でブロック。決定機を続けて創り出します。
慶應でポイントになったのは左サイド。細田監督も「河井がウチの右サイドに張り付いていたので危険だと思っていた。あそこを狙われた」と話したように、チームの基点が河井でできるため、慶應から見た左サイドが活性化。185センチのSB黄大城(4年・桐生第一)も再三のオーバーラップから際どいクロスを連発し、国士舘ゴールを脅かします。
26分には早くも池ケ谷颯斗(2年・札幌第一)を下げて、生方翼(4年・千葉国際)を投入した劣勢の国士舘は30分に反撃。田中俊哉(4年・札幌第一)の落としを、替わったばかりの生方がミドル。DFを掠めたボールはわずかに枠を逸れ、同点ならず。そしてこのCKから生まれたゴールは、国士舘ではなく慶應に。
佐藤のCKがこぼれたボールを奪った山浦が縦に付けると、武藤の足元へ。左右を並走する味方へのパスという選択肢も考えられる中、ドリブルから武藤がチョイスしたのは自らのシュート。これがDFに当たり、ボールは反応した石田の逆サイドへゆっくりと吸い込まれていきます。「試合前に石田に『オマエには決めさせないよ』って言われたんです」と話してくれた武藤。数ヶ月前までFC東京U-18のチームメイトだった石田から2ゴール目を奪い、リードを広げました。以降も36分には山浦、45+2分には松下純土(2年・國學院久我山)が決定機を迎えるも石田の好守に阻まれ、3点目は取れませんでしたが、最初の45分間を圧倒した慶應が2点のリードをで終了しました。
後半はスタートから細田監督が決断。田中に替えて、進藤誠司(1年・流通経済大柏)を左SHに送り込み、Jクラブ注目の吉野峻光(4年・静岡学園)は最前線へスライドします。すると50分、進藤が左サイドをドリブルで持ち上がり、枠の右へ飛ばしたシュートが形勢逆転への狼煙。53分、西山峻太(4年・室蘭大谷)の縦パスを吉野はヒールで引っ掛け、慶應GK中川翔太(4年・國學院久我山)と1対1も、シュートはクロスバー。57分、進藤は鋭い出足のパスカットから右でフリーの吉野へ。ところが吉野のシュートは枠を捉えられず。ゲームの流れは掴んだものの、エースの連続逸機で点差は縮まりません。
それでも国士舘の明らかな好転に貢献したのは、やはり進藤。「前へ行く彼のようなプレーは必要」と指揮官も認めたように、なかなかチームとして出てこなかった縦への推進力を一気にもたらし、それが技の吉野と高さの服部で組んだ2トップの持ち味を引き出す効果も生んでいたように思います。
一気に押し込みたい国士舘が、75分に切った最後の交替カードは、本来左SBのレギュラーを務めている瀬川和樹(3年・盈進)。すると効果はわずか3分後に結果として表出。左サイドで西山のパスをうまく収めたSHの瀬川は、絶妙のピンポイントクロス。服部が合わせた高い打点のヘディングが中川を破ります。1-2。途端に勝敗の行方は混沌としてきました。
81分には慶應に追加点のチャンス。武藤が左サイドを抜け出して折り返すと、中にはフリーの森田達見(3年・川崎U-18)。しかしシュートはクロスバーの上へ。「2点目までは取れるが、3点目が取れない課題」(武藤)が慶應にのしかかります。85分は国士舘。進藤のパスは吉野へ渡るも、シュートに時間がかかりサイドネット外側へ。そして89分、右サイドから蛭子順平(3年・国見)の上げたクロスは、服部を経由して瀬川へ。振り抜いた左足。直後、中川に弾かれたボール。国士舘の追撃をなんとか交わし切った慶應が、薄氷の勝ち点3を獲得する結果となりました。
流れのハッキリした好ゲームだったと思います。どちらも決定機は少なくなく、そういう面では「いいシュートでも決められなければただのキックですから」と細田監督が独特の表現で触れた部分は確かにありましたが、攻撃のアイデアは双方が発揮できていた印象です。両者が勝ち点ほどに力の差はなかったことを考えれば、まだまだリーグの混戦は続くであろうことを予感させるようなゲームでした。  AD土屋

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