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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2011年06月12日

インターハイ東京1回戦 暁星×國學院久我山@駒沢補助

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201106121136000[1]kugayama.jpg高校サッカー界における2大タイトルの1つがインターハイ。8月に行われる灼熱の全国大会を目指して、各地区で予選が開始されています。首都東京も2つの全国出場枠を手に入れるべく、今日から2次トーナメントがスタート。駒沢補助の第1試合は、共に全国大会の常連とも言うべき暁星と國學院久我山が激突。1回戦屈指の好カードとなりました。
まず先にリズムを掴んだのは暁星。「一生懸命戦う、林先生のチームらしい素晴らしいチーム」と久我山の李済華監督も言及した“一生懸命戦う”部分がボールアプローチの速さに現れ、4分にはスローインの流れから最後は臼倉宏(1年・暁星中)がボレー。6分には矢野峻寛(3年・暁星中)がFKを直接狙い、12分にも矢野のFKから今度は二アで渡邊創太(1年・FC東京U-15深川)がヘディングシュート。久我山ゴールへ迫ります。中でも目を引いたのは2トップの一角に入った岡村悠矢(2年・暁星中)。恵まれた体格に高さとスピードを併せ持ち、ターゲットとして機能。チームに推進力をもたらしていたと思います。
さて、なかなかリズムに乗れない久我山。チームのストロングでもある山本哲平(2年・ジェファFC)と右高静真(3年・横浜F・マリノスJY)の2トップにボールが収まらず、基点ができないために攻撃もうまく回りません。ところが21分に先制ゴールを奪ったのは、その久我山。山本、右高と回ったボールは、ポッカリ空いたバイタルへ。待っていたボランチの小泉洋生(2年・鹿島アントラーズJY)が右足を振り抜くと、ボールは左ポストの内側を叩いて、ゴールの中へ。流れの中から初めて放ったシュートを得点に結び付けるしたたかさを発揮して、久我山が先手を取りました。
ゴールがもたらす効果はやはり絶大。以降は久我山がゲームを支配して進める形に。高い技術を見せる右高にボールが入り始めると、「前への推進力を持っていて、ポストプレーも上手」(李監督)な2トップが生きる構図。こうなると配球に特徴を持つ中盤の選手たちも生き始め、主導権を握ります。特に秀逸だったのは39分のシーン。ボランチの山内寛史(2年・Az'86tokyo-ome)が左へ振ると、SBの井上大(2年・横河武蔵野JY)は一発でサイドチェンジ。受けた右SHの佐藤敦郎(2年・Forza'02)がマイナスに折り返し、中へ走り込んだ左SHの大畑圭輔(3年・柏レイソルJY)がシュート。ゴールにはなりませんでしたが、サイドの幅をいっぱいに使った連動性の高い攻撃を披露。得点以降は久我山のいいシーンが目立つ形で前半は終了しました。
後半も先に決定機を創出したのは久我山。45分、山内が左に出したスルーパスはフリーの大畑に渡るも、トーキック気味のシュートはクロスバーの上へ。続けて47分にも決定的なチャンス。今度は右高が左に出したスルーパスが、再びフリーの大畑に渡るも、シュートはクロスバーの上へ。突き放すことはできません。
逆に中盤の配置をボックスからダイヤモンドへ変えた暁星も50分に決定機。中盤でのボールカットから素早く左へ展開。右SHから2トップ下へスライドした、キャプテンの友納健翔(3年・暁星中)がシュートを放ちましたが、枠は捉えられず。追い付けません。
48分に右SBを平野佑一(1年・東京ヴェルディJY)から市木良(3年・横河武蔵野JY)に入れ替えていた李監督は、52分に山内と萩原優一(1年・横河武蔵野JY)、54分に大畑と渡辺夏彦(1年・FCトリプレッタ)をスイッチ。中盤に1年生2人を起用してきました。そして、この交替策は中盤の引き締めという意味で奏功。「読みが速いからセカンドが拾える」と李監督も話したように、萩原と渡辺はボールへの反応が速く、攻守に渡って躍動します。55分にはいきなり渡辺が山本のチャンスを演出すると、57分にも山本が小さく蹴り出したFKを右高がフィニッシュへ持ち込み、枠の左へ外れるも久我山ペースは継続。68分、小泉が中へ送ると山本はヒール。右高が枠へ飛ばしたシュートは暁星GK関根宏一郎(2年・暁星中)がしっかりキャッチ。70分、右高がうまいトラップから抜け出し、放ったシュートは枠をわずかに逸れ、久我山が押し込みながらも点差は1点で推移していきます。
72分には暁星に大きなチャンス。途中出場の江藤綸太郎(1年・暁星中)が獲得したFK。キッカーは矢野。中央右寄り、ゴールまで約30mの距離から渾身の力を振り絞った一撃はクロスバーの上へ外れ、これが暁星の放った最後のシュート。消耗戦とも言えそうな内容のゲームを1点差で制した久我山が、関東第一の待つ準々決勝へ駒を進める結果となりました。
「少しずつレベルアップしている所です」と李監督も苦笑混じりに話してくれた久我山は、例年より攻撃が縦に速い印象。能力の高い2トップへ、まずはボールを入れてから周囲が動き出すことが多く、連動性という部分はあと一歩といった感じでしょうか。そんな中で、個人的に面白かったのは萩原と渡辺の1年生コンビ。「あの2人は“イメージ”が少しいい」と李監督が表現したように、色々な意味での“イメージ”を描く余地を残しながらプレーできているような2人だけに、彼らの成長もチーム力アップの小さくないファクターになっていくかもしれません。次の準々決勝は、今年の東京高校サッカー界の主役候補の対峙。激戦必至です。  AD土屋

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