デイリーサッカーニュース Foot!

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2011/03

S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2011年03月27日

TM FC東京×横河武蔵野FC@味スタ

foot!
  • Line

201103271450000FC yokokawa.jpgFC東京と横河武蔵野FC。同じ西東京を拠点にしながら、公式戦ではなかなか対戦することのない2チームが、味の素スタジアムで激突するトレーニングマッチ。試合前には選手も参加した募金活動やオークションが行われるなど、チャリティーマッチ色も十分に含んだこのゲームに集まった観衆は9236人。フットボールファミリーの絆が強く感じられるような“東京ダービー”は、味スタ版の「You'll Walk Never Alone」と今回の震災で亡くなられた方々への黙祷を経て、キックオフされました。
東京はGKが塩田で、DFは右から椋原、森重、高橋、阿部。ボランチは大竹と梶山で、SHは右が羽生、左が谷澤。2トップは平山と鈴木でスタートします。対する横河はGKが飯塚渉。DFは右から鹿野崇史、瀬田達弘、金守貴紀、小山大樹。中盤はボランチが岩田啓佑と桜井直哉。右が林俊介で、左が高松健太郎。2トップはやや引き気味に関野達也が入り、前には「ウチに今までいなかったタイプ」と依田博樹監督も評した、5年ぶりのチーム復帰となる小林陽介。中でも新加入の鹿野は、昨年の関東大学リーグを圧倒的な成績で制した明治大の主力メンバーで、依田監督も「経験も十分あるし、期待しているのは確か」と語る注目選手です。
まずはお互いに相手の出方を窺うような、静かな立ち上がり。ボールキープ率は東京が上回るものの、横河もマイボール時は繋ぐ意識が高く、一進一退の攻防が続く中、先にビッグチャンスを掴んだのは横河。12分、CBの瀬田が右へ流れて送ったクロスを、関野が巧みなポストプレーで落とし、走り込んだ高松が鋭い切り返しで1人かわすと、高橋がエリア内でたまらずファウル。西村雄一主審はPKを宣告します。絶好の先制機。キッカーは関野。短い助走から蹴られたボールは塩田の逆へ。アウェイ側スタンドから誇らしげに巻き起こる“ムサシノ”コール。横河が1点のリードを奪いました。
いきなりビハインドを背負った東京も、17分には羽生のパスから平山が決定的なシュートを放ったものの、その平山と同い年で流通経済大時にはユニバ代表の経験もあるGK飯塚が驚異的な反応でファインセーブ。逆に横河は林が負傷交替を余儀なくされ、都丸昌弘が急遽ピッチに入るアクシデントにも拘らず、18分には岩田の素晴らしいサイドチェンジを受けた鹿野が鋭い突破で右サイドを抜け出し、最後は小林が枠内シュート。場内を沸かせます。20分には鈴木のCKから梶山の枠内ボレーは飯塚がファインセーブ。こぼれを狙った森重のヘディングは瀬田が間一髪でクリア。集中力も切れません。
しかし、ようやく東京の個が炸裂したのは、この流れからのCK。大竹の高精度キックを、平山が頭でズドン。力技で横河ゴールをこじ開けました。それでも25分には椋原のクロスから平山のヘディングがクロスバーを叩くと、跳ね返りに詰めた大竹のシュートは飯塚が何とか飛び付き、再びクロスバー直撃。「ある程度コンビネーションの合った“1本目”の選手たち」(依田監督)は、大半が当初の予定通りに35分で交替となりましたが、1対1というスコア以上に強い印象を観る者へ与えてくれたと思います。
なかなかボールデッドとならず、ピッチサイドへ7人が並ぶ光景にスタンドもザワつく中、横河はDFが右から勝野洋平、熊谷寛、小山、遠藤真仁、ボランチが平岩宗と桜井、右SHが都丸で左SHが長沼圭一、2トップが山下真太郎と、FC東京U-18出身の永露大輔に変わりました。すると、やはり交替の時間帯と途中出場の難しさからか、特に守備時におけるサイドでの連携が乱れてしまい、36分には椋原の右クロスに羽生が見せたダイビングヘッドは枠の上へ。2分後にも鈴木が右サイドを突破し、羽生のシュートは平岩が体で決死のブロック。一気に劣勢を強いられます。そして41分、最終ラインでのパス回しがズレた所を平山に奪われ、梶山が飯塚もかわして難なくゴール。さらに44分には、大竹の狭いスペースを巧みに通したスルーパスから、鈴木の反転シュートで3点目。45分にも谷澤が右サイドをフリーで駆け上がり、最高のクロスに平山が頭で合わせて4点目。「連続して失点したのは反省点」と依田監督。4-1と点差が開いて、前半は終了しました。
迎えた後半はスタートから東京が中村と古巣対決となるGKの廣永を投入。横河もGKがユース出身の藤吉皆二朗に替わります。すると後半も先にゴールを奪ったのはJFLチーム。54分、永露の強烈な左足ミドルをU-18の後輩でもある廣永がファンブル。走り込んだ都丸が押し込み、4-2。2点まで差が詰まります。さらに58分には長沼のアーリークロスを、山下がジャストミートでボレー。今度は廣永がキャッチしましたが、横河が再びゲームの波へ乗り直したように見えました。そんな流れを断ち切ったのは、「観ている人たちが少しでも楽しい気持ちになってくれれば嬉しい」と語ったエース。61分、中村のシュートはGK、谷澤のシュートはDFにブロックされるも、嗅覚鋭く押し込んだのは平山。見事ハットトリック達成の役者ぶり。ゲームは決まりました。
62分、横河は8枚替え。DFは右から花本剛泰、林真人、平岩、遠藤。ボランチが浅川智と常盤亮介で、SHは右が野木健司、左が日本大の関東2部昇格に貢献した新加入の小野祐輔。2トップが加藤と薗部良となりました。一方の東京も66分、既にピッチへ送り出された柳楽、上里に加えて、田邊に下田と同時にU-18から2種登録でのトップ帯同が発表された橋本拳人が登場。今日のボールパーソンを務めていたU-18のチームメイトに「目が合った時、笑われました」と話した17歳が、「初めての味スタ」を踏みしめました。だいぶメンバーも変わり、少しルーズな展開になっていくと、やはり隠し切れない実力差。70分には横河の花本が廣永に好セーブを強いるシュートを放ちましたが、それが横河にとってこのゲーム最後のチャンス。72分、大竹がドリブルでエリア内へ侵入すると、こぼれ球を平山が押し込み、6点目。87分、田邉が右サイドを抜け出し、中央の中村がゴール右スミへ流し込んで7点目。91分には中央やや左25m強の位置から、大竹がFKを直接左スミへ沈めて8点目で打ち止め。最後はホームチームが格を見せた形で、ゲームは終わりました。
さて、横河は練習場が三鷹の市街地にあるのですが、現在の諸事情を考えて照明が使用できない状況に。選手たちはそれぞれ仕事をしながらプレーしているため、本来は夜にしか練習ができない訳です。依田監督は「しばらくは朝の7時から8時でやるしかないですね」と苦笑いされていましたが、JFL自体の開幕時期も現時点ではハッキリしておらず、厳しい環境でのトレーニングを送ることになりそうです。昨シーズンは12位でしたが、今日のゲームを見る限り、十分上位を狙える力はありそうなので、是非今シーズンのJFLを掻き回す存在になって欲しいと思います。
また、本日のゲームは現在福島第一原発事故により味の素スタジアムに避難されている方の中で、95名の方が観戦したということです。「自分たちはサッカー選手なんで元気や勇気を伝えられるようにしたい」と平山が話せば、「僕らはプロじゃないし、やれることはサッカーだけじゃないので、社会貢献も含めてやれることをやっていこうと話しています」と依田監督。個人的にも、サッカーに関わることのできるありがたさを痛感した1日でした。

AD土屋

  • Line