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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2011年02月12日

東京都クラブユースサッカー(U-17)選手権決勝 東京ヴェルディユース×FC東京U-18@西が丘

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0211nishigaoka3.jpg3年ぶりにトップの東京ダービーが復活する2011年。こちらは毎年好勝負を繰り広げてきたユースの東京ダービーが早くも2月の公式戦で実現することになりました。“一冠目”を懸けたタイトルマッチのファイナルにふさわしく、会場は東京サッカー界の聖地とも言うべき西が丘。雪がちらつく悪天候にも拘らず、バックスタンドに陣取った両チームのサポーターによる、トップと同様のチャントを聞きながらキックオフを迎えました。まずはお互いピッチコンディションを確認するように静かな立ち上がりとなったゲームは、ファーストチャンスでヴェルディが先制。10分、中央からのFK。キッカーの端山豪(2年・ヴェルディJY)は直接狙うようなキックモーションから一転、密集から外したグラウンダーのボールを選択。受けた中島翔哉(1年・ヴェルディJY)が落とすと、舘野俊祐(2年・SQUARE富山FC)の右足ミドルは、ワンバウンドで加速してゴール右スミに飛び込みます。U-18日本代表にも選出されているレフティの右足が炸裂し、まずはヴェルディがリードを奪いました。ところが16分、すぐに追い付いたFC東京。右から中へ送られたボールはピッチコンディションもあって勢いが弱まりますが、ヴェルディはGKとDFの連携がうまく行かず、中途半端なクリアを蹴り出してしまいます。拾った二瓶翼(1年・FC東京U-15深川)がエリア外から思い切ってミドルを放つと、DFに当たってコースが変わったボールはゴールネットへ到達。わずか6分でスコアは振り出しに戻りました。時計の針が進むにつれて雪が積もり始めたピッチに、どうしてもアジャストしていく必要がある中、ヴェルディはGKも含めた後ろでのボール回しとその判断に危険なシーンが何回か見られ、それが結果的に失点へ繋がってしまった格好になりました。一方のFC東京は、縦への速さとフィジカルの強さというチームのスタイルがより生きやすい状況下とはいえ、21分には橋本拳人(2年・FC東京U-15深川)が体の強さを生かした驚異的なキープから絶妙の浮き球を縦に送り、岩田拓也(1年・FC東京U-15むさし)がワントラップボレーを枠に飛ばすなど、ピッチを考えたプレーを披露する場面もあり、少しずつ主導権を握っていきます。すると33分、積極的な前線からのプレスが目立ち、「今日みたいなゲームには適任」と倉又寿雄監督も認めた岩田がエリア内で倒され、PK獲得。橋本は確実にGKの逆を取り、FC東京が前半の内に逆転してみせました。ヴェルディの楠瀬直木監督も42分には金子綺杜(1年・FC ASA FUTURO)に替えて、トップの春野キャンプから戻ったばかりの杉本竜士(2年・ヴェルディJY)を投入。45分には舘野のFKが枠の右上を捉えたものの、FC東京のGK馬場拓郎(1年・Forza'02)がファインセーブで阻止。45+3分には端山のFKから、前田直輝(1年・ヴェルディJY)が狙ったボレーはバーの上へ。FC東京が1点をリードして、前半は終了しました。ヴェルディはCBに長田海人(2年・ヴェルディJY)、FC東京は右SHに岩木慎也(2年・FC東京U-15むさし)をそれぞれ投入して始まった後半は52分、ワンツーでエリア内へ侵入した端山が倒されると、主審はここもPKをジャッジ。ヴェルディは絶好の同点機を迎えます。キッカーは端山。それまでも多彩なキックを見せていた10番は左スミを狙いますが、これを馬場が完璧なシュートストップ。「国体の優勝で自信を付けたみたい」と指揮官も認める守護神のビッグプレー。1点差は変わりません。この直後くらいからさらに勢いを増した雪が描き出したのは「こんな中でやったことないよ」と倉又監督も驚く、一面の銀世界。東京、雪、決勝。まるで帝京と東福岡が激突した、98年の高校選手権決勝を思わせるようなシチュエーションの中、67分に事件。FC東京の右SBに入った吉田一彦(1年・FC東京U-15むさし)が2枚目のイエローカードを提示されて退場を命じられると、この一連から軽い小競り合いが起こってしまいます。以降は少し両者がヒートアップする場面も目立ち、判定の曖昧さも含めて主審のゲームコントロールには疑問が残りました。さて、10人になったFC東京の倉又監督はすぐに施策。二瓶を下げて、右SBに徳田康明(1年・FC東京U-15むさし)を送り込み、4-4-1である程度守備へ軸足を置きにいきます。数的には優位に立ったもののビハインドを追い掛けるヴェルディは、雪の中でも細かいパスとドリブルを織り交ぜ、テクニックの高さを披露しますが、昨年からのレギュラー小林聖弥(2年・FC東京U-15むさし)と石原良将(2年・FCKマリーゴールド)で組むFC東京CBの、前に出て潰すバワーを打ち破れません。86分、端山のミドルを杉本がわずかに触って方向を変えましたが、ここも馬場が鋭い反応でストップ。88分、左からの折り返しにフリーの端山は滑ってしまい、フィニッシュに持ち込めず、詰めていた途中出場の右SB田中貴大(2年・ヴェルディJY)が放ったシュートも、人数が少ない状況で今日は守備面の貢献が目立った岩木が体でブロック。青赤の扉に掛けられた閂は最後まで開かず。「年間通してもそんなに対戦はない」(倉又監督)ユース版東京ダービーは、数的不利にも屈しなかったFC東京に凱歌。まずは一冠獲得ということになりました。印象的だったのは試合終了の瞬間、FC東京はベンチメンバーも全員がピッチの中になだれ込んで優勝を喜び、ヴェルディには倒れ込んで起き上がれない選手が何人もいたこと。雪という予想もしない外的要因の中で、新人戦とはいえ、お互いに死力を尽くしたのがよく伝わってくるシーンでした。まだこの段階ではありますが、雪の中での激戦というシチュエーションも含めて、思い出に残るダービーを目撃できた気がします。   AD土屋

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