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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2011年02月23日

CL決勝ラウンド1回戦1st-Leg リヨン×レアル・マドリー@スタッド・ドゥ・ジェルラン

foot!
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過去のCLにおける対戦は6度。成績はリヨンから見て3勝3分け。
今やフットボール界における七不思議の一つと言っても
あながち大げさではないような、このリヨンとマドリーの関係。
昨シーズン、09/10シーズンも同じこのラウンドで対峙し、
やはり1勝1分けでリヨンが勝ち抜け。
マドリーは6シーズン連続でベスト16敗退という現実を突き付けられ、
シーズン後にはペジェグリーニも解任されました。
しかし今シーズンマドリーを率いるのは、あのモウリーニョ。
マドリーに襲い掛かる、2つの嫌なジンクスをこの男が払拭できるのか。
小雨のパラつくスタッド・ドゥ・ジェルランは大入り満員。
赤と青と、一部の白が交錯した観衆は40299人。
おなじみの高揚感溢れるアンセムを経て、注目の“前半90分”が幕を開けました。

序盤はまずお互いに相手の様子を窺う様な立ち上がり。
4分、リヨンはミシェウ・バストスがラインの裏に抜け出しながら
クロスともシュートとも取れない、中途半端なキックでスタンドのため息を誘発。
11分にはグルキュフのFKからDFのクリアをデルガドが繋いで
最後はクリスがオーバーヘッド気味に狙いますが、枠を大きく外れます。
この時間帯、マドリーの印象は明らかにセーフティーファースト。
最終ライン付近でのルーズボールは繋がずに、ただクリアというシーンも多く、
1トップに入ったアデバイヨールと、その下に位置するエジルは
ほとんどボールタッチがなく、攻撃らしい攻撃は皆無でしたが、
それでもテクニカルエリアに立ちっぱなしのモウリーニョはしきりに拍手。
まずは守備からの姿勢を明確に打ち出したように見えました。
ただ、一方のリヨンも4-3-3で中盤逆三角形の前2枚を務めた
グルキュフとシェルストレームがいい形で前を向くシーンが少なく、
これといったチャンスを創れないまま、時間が経過していく中、
20分を過ぎたあたりから、3トップの左右をチェンジ。
右から左にミシェウ・バストスが、左から右にデルガドが入れ替わると、
2人の積極的な仕掛けが目立ち始め、サイドの主導権を奪取。
28分にはデルガドが右サイドをスルスルと抜け出し、エリア内へ侵入。
セルヒオ・ラモスに倒され、フィニッシュまでは持ち込めませんでしたが
1つチャンスの芽を創出します。
守備に軸足を置いたマドリーも、25分過ぎからはエジルのボールタッチが増え、
中盤での優位性を獲得すると、29分にはディ・マリアがチーム初となるシュート。
31分にはグルキュフにエジルが倒されて得たFKを、
大きなブーイングを浴びながら、ロナウドはワンバウンドで右スミにコントロール。
ロリスが何とか弾き出しますが、懐に潜ませたナイフの鋭さはチラつかせます。
迎えた34分にはリヨンに前半最大のチャンス。
マドリーのCKから一気にカウンター発動。
ゴミスが左へ繋ぎ、ミシェウ・バストスが左からあげたクロスは
完全なミスキックでしたが、中央でカシージャスがファンブル。
GKのいないゴールへ向けたゴミスのシュートは、寸前で寄せたDFに当たって
わずかにクロスバーの上を通過。これにはピュエルも苦い表情。
39分、42分にも共にグルキュフのラストパスから
デルガド、ロヴレンがシュートを放ちますが、ゴールまでには至らず。
42対58というボールポゼッション率にも拘らず、シュート数は7対2。
どちらかと言えばリヨン攻勢で最初の45分間は終了しました。

ハーフタイムを挟むと、まずはマドリーの持つセットプレーの脅威が炸裂。
49分、左サイドの決して十分な角度ではない位置からのFK。
ロナウドは凄まじいコースと軌道で直接ゴールを狙い、
ボールは右のポストを激しく叩きます。
51分にもエジルのCKにセルヒオ・ラモスがヘディングで合わせ、
ロリスも及ばなかったボールはクロスバーへ。
短い時間で、ゴールの枠に2度救われたリヨン。
スタンド全体もさすがに不安な雰囲気を隠せません。
とはいえ、相変わらずミシェウ・バストスとデルガドをはじめ、
縦へと仕掛ける姿勢はリヨンの方が強く、CKとFKの獲得は多かったのですが、
肝心のキッカーを務めるグルキュフの精度がこの日はイマイチ。
55分、57分はFK、58分には2度のCKを蹴ったものの、
いずれもニアで失速してしまい、フィニッシュまで結び付けられません。
すると先に動いたのはモウリーニョ。
64分、アデバイヨールに替わって送り出したのはベンゼマ。
ピッチを去るアデバイヨールには大きなブーイングを浴びせていたスタンドも、
ベンゼマのピッチインに万雷の拍手。
しかしそんなリヨンの元アイドルは、自らの帰還に対して
暖かく迎えてくれた人々の笑顔をわずか1分で凍り付かせる仕事を果たします。
65分、左サイドで混戦気味の中からエジルが抜け出しロナウドへ。
短いパスを受けたベンゼマはカットインしながらレヴェイエールをかわし、
さらに中へ持ち出すと、腰を回してシュート。
ボールはロリスの股間を抜け、カバーに入ったクリスもわずかに及ばず。
狂喜するチームメイトとベンチ。静かに俯くベンゼマ。
誰よりもこのゲームへ懸ける想いが強かったであろう9番が
古巣に対して最高かつ最悪の恩返し。
アウェイのマドリーがリードを奪う展開となりました。
次にカードを切ったのもモウリーニョ。
68分、ケディラOUTでラサナ・ディアラIN。納得の交替です。
ピュエルも70分に2枚替えを決断。デルガドとミシェウ・バストスの両翼を下げて、
ピーとブリアンを投入しましたが、後手を踏んだ感は否めません。
案の定、失点後はなかなかチャンスを創れないまま、時間ばかりが経過。
モウリーニョは75分にエジルを下げてマルセロを送り込むと、
ラサナ・ディアラ、シャビ・アロンソ、マルセロをトレスボランチ気味に配した
4-3-3にシフトし、守備意識を一層高めに出ます。
追い込まれたピュエルの3枚目は77分。シェルストレームに替わって、ピャニッチ。
昨シーズン、サンチャゴ・ベルナベウで勝ち抜けを決めるゴールを奪った、
20歳の若武者をグルキュフと並べ、最後の望みを託します。
ピャニッチもやや強引ではありましたが、いきなりミドルを放って
強い意欲を発露させると、その姿勢が間接的にチームを救うことになりました。
83分、リヨンはピッチ中央やや右からのFKを獲得。
ここまで蹴った4本のCKと4本のFKで、ほとんどチャンスを生み出せなかった
グルキュフではなく、キッカーはピャニッチ。
十分間合いを置いて繰り出したキックは1枚の壁に当たりますが、
軌道の変わったボールを、そこまで守備で奮闘し続けていたクリスが頭で折り返すと、
ボールはほとんど仕事のできていなかったゴミスの元へ。
ボレーで叩いたボールはゴール左スミへ吸い込まれます。
スタッド・ドゥ・ジェルラン沸騰。
結果的に投入したピャニッチのFKから、
替えられていてもおかしくなかったゴミスが同点弾。
ピュエルの幸運か、ジンクスが持つ幸運か。とにかくスコアは1-1の振り出しに。
リヨンが7度目の対戦も黒星を付けられることなく、
サンチャゴ・ベルナベウへと望みを繋げるドローをもぎ取りました。

アウェイゴールを奪って、2nd-Legへ臨むマドリーが優位なのは間違いありません。
それでも、あの手詰まりに近い状況下で同点に追い付いてみせた
リヨンを実際に見てみると、ジンクスの持つ力を強く感じました。
あとはやはり負傷で欠場したリサンドロ・ロペスが復帰できるかどうかも
リヨンにとっては大きなポイント。
3月16日、サンチャゴ・ベルナベウで全てが明らかになります。
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☆L'EQUIPEの採点
(リヨン)
ロリス6、レヴェイエール6、クリス6、ロヴレン5、シソコ7、
トゥララン5、グルキュフ5、シェルストレーム5、
ミシェウ・バストス5、ゴミス7、デルガド6、

(レアル・マドリー)
カシージャス5、セルヒオ・ラモス6、ペペ7、リカルド・カルバーリョ5、アルベロア5、
ケディラ5、シャビ・アロンソ6、ディ・マリア7、エジル6、ロナウド6、
アデバイヨール4、
※交替出場は共に採点なし
P2230053lequipe.jpg
AD土屋

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