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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2011年01月03日

高校選手権3回戦 山梨学院大附×駒澤大学高@フクアリ

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初出場初優勝を成し遂げた昨年の快挙から1年。2回戦屈指の好カードと目されていた国見戦に3-1と快勝し、全国連覇へ順調なスタートを切った山梨学院。一方、国立での開幕戦で強豪・大津を破ったのに続いて、2回戦ではこれまた名門の星稜をPK戦で撃破し、3回戦までその歩みを進めてきた駒澤。関東勢同士の対戦ということもあってか、フクアリに集まった観衆は7596人。14.0度という、選手権の開催期間中にしては暖かい気候の中でキックオフを迎えたゲームは、いきなり1分に荒木克仁(2年・柏レイソルSS青梅)、3分に加部未蘭(3年・FC東京U-15むさし)がミドルレンジからシュートを放ち、山梨学院が勢い良く飛び出しますが、「最初から来ると思っていた」と山梨学院の吉永一明監督も話したように、序盤の出足で上回ったのは逆に駒澤。4分、長澤卓己(3年・東京ヴェルディ1969JY)が黒木海人(3年・ヴェルディSS相模原)とのパス交換からエリア内へ入り、フィニッシュは山梨学院GK畠山睦(3年・町田JFC)に阻まれましたが、1つ惜しいシーンを創ると、7分にも高平将史(3年・サウスユーベFC)のシュートがこぼれた所に長澤が詰め、何とか関篤志(3年・FC東京U-15むさし)がクリアしたものの、立て続けにチャンスを生み出します。12分には抜け出した白崎凌平(2年・FC東京U-15むさし)の絶妙ループを、GK岸谷紀久(3年・FC.GIUSTI世田谷)がバックステップから右手一本で何とか掻き出すと、逆に14分にはビッグチャンス到来。駒澤最強の飛び道具である黒木のロングスローに、飛び出した畠山がパンチングで弾いたこぼれ球を、長澤がダイレクトボレーで叩くと、無人のゴールへ向かったボールはわずかにクロスバーの上へ。以降も守備面においても速いアプローチで山梨学院にポゼッションを許さず、なかなか白崎と加部の強力2トップにボールを入れさせなかった駒澤がまずはゲームの主導権を奪取します。ところが、22分に荒木のFKから最後は堤健太(3年・宇治FC)が岸谷にファインセーブを強いるボレーを放った辺りから、一気に形勢逆転。24分には加部、白崎、宮本龍(3年・宇治FC)、荒木と4本続けて繰り出された山梨学院のシュートをいずれもDFがブロック。同じく24分、白崎の直接FKは枠を捉え、岸谷が何とかキャッチ。26分、堤、宮本の連続シュートも池田慶介(3年・FRIENDLY)と吉川大星(3年・深川第三中)が連続ブロック。突如開始された山梨学院の猛ラッシュに、駒澤は防戦一方となっていきます。そして遂に駒澤城陥落は30分。6分前に白崎が蹴ったのとほとんど同じ、左サイドでゴールまで約25mの位置。今度はレフティの荒木に託されたFKは、ゴール右スミへ綺麗に飛び込み、しっかり流れを掴んだ山梨学院に先制ゴールが生まれました。緩まない攻撃姿勢。33分、荒木の30m近いミドルは高く上がって右ポスト直撃。34分、堤のパスをうまいトラップで縦に持ち出した白崎のシュートは、枠のわずかに左へ。37分、白崎のドリブルシュートは岸谷がキャッチ。全体的にラインが下がってセカンドも拾えなくなった駒澤を、15対4というシュート数が象徴するように、20分過ぎからは山梨学院が圧倒する形でハーフタイムへ入りました。迎えた後半は、「リードされているので相手のパワーが上回ってくるのは確か」と吉永監督が話したように、ネジを巻き直された駒澤に再び縦への推進力が復活。黒木、高平のSHと右の吉川に、左の池田とSBも積極的にオーバーラップを敢行し、シュートには繋がらなかったものの42分、45分、46分と続けてCKを獲得すると、49分にも黒木とのワンツーで左サイドを完全に崩した池田がクロスまで持ち込むなど、両サイドの攻防で優位に立ち始めた駒澤の攻撃する時間が長くなっていきます。ただ、昨年も全国優勝を最後尾で支えたCBの関を中心に築く山梨学院の堅陣はやはり強固。加えて、碓井鉄平(現・駒澤大学)から7番を受け継いだ宮本も、抜群のバランス感覚と危機察知能力を随所に発揮し、ここぞというシーンでは必ずと言っていい程に姿を現わすと、ピンチの芽を積んでいき、駒澤にシュートまでは持ち込ませません。大野祥司監督も60分にはエースの山本亮太(3年・ヴィヴァイオ船橋SC)を下げて、東呈次(2年・FC駒沢U-15)を投入。さらに67分、開幕戦で決勝ゴールをマークした須貝暁(3年・田無第二中)を諦め、木村直貴(2年・有馬中)を送り込むと、72分にもボランチの宮崎力太郎(3年・FC.GIUSTI世田谷)と飯泉優人(1年・FC東京U-15深川)を入れ替え、高平を2トップに上げて、何とか1点を奪いに行きます。74分には山梨学院。白崎、堤と繋いで、加部がヒールで落とし、白崎が狙ったシュートはゴール右へ。76分は駒澤。黒木のロングスロー、こぼれを再び黒木が中へ上げるもオフェンスファウル。そして終了間際の79分、左サイドから黒木が中へクロスを送ると、こぼれたボールを長澤がミドルゾーンから思い切ってシュートチャレンジ。糸を引くようなボールはゴールへ一直線に向かって行きますが、直後に響いたのはクロスバーの金属音。アディショナルタイムの5分も経過すると、長い長いホイッスル。「非常にハードワークしてくるので、やりにくかった部分はあった」と吉永監督は振り返りましたが、最少得点差ながらキッチリと勝ち切った山梨学院が、史上7校目となる連覇へ向けて、3回戦を突破しました。1つ触れておきたいのは山梨学院の選手たち。苦しい試合を勝利し、喜びを爆発させてもよさそうなものですが、彼らは仲間同士の抱擁もそこそこに、駒澤の選手に駆け寄り、声を掛け、健闘を讃えていました。記憶している限りでは、昨年も山梨学院の選手たちは同じように相手の健闘を讃える姿が見られたように思います。非常にいい光景だと私は思いました。さて、実は個人的に今年の高校サッカー界で一番たくさんのゲームを取材したのが駒澤でした。4月に駒沢補助でT-1のゲームを見てから9ヵ月。失礼を承知で言うなら、あのチームがまさか選手権に出場し、2回も勝つなんて想像もしなかったことでした。高校生がいかに自信を付けて、成長していくのかをまざまざと見せてくれた駒澤の選手たちに、そして大野監督に心から感謝したいと思います。    AD土屋


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