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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年12月18日

インカレ1回戦 北海道教育大岩見沢校×浜松大@平塚

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大学生にとってはシーズンの、集大成でもあり最後の大会でもあるインカレ。ハイレベルな16校が頂点を目指して鎬を削るこの時期がやってきました。例年同様、既にJクラブへの加入が内定している選手も多数参加するこの大会は、おそらく日本の“学生”で争われるコンペティションの中で最もハイレベル。色々な意味で楽しめるイベントだと思います。第1試合は、北海道王者の北海道教育大岩見沢校と、強豪の中京大を抑えて東海王者に輝いた浜松大の対戦。なかなか関東では見ることのできない両校の激突なので、楽しみなカードです。ゲームはまず浜松大が攻勢に。6分、神谷嶺輔(3年・愛工大名電)がうまくラインの裏へ抜け出し、GKまでかわしましたが何とか北教大DFがブロック。7分、佐藤陽人(3年・帝京)のCKから村松知輝(2年・帝京)のシュートはクロスバーの上へ。チャンスを創ります。浜松大は4-4-2を敷く中、2トップを組む神谷と村松、右SHの増田誠也(3年・清水商業)、左SHの佐藤と、4枚のアタッカーはいずれも160センチ後半から170センチ前半と小柄な選手が揃いましたが、いずれも高いテクニックとアジリティを有し、入れ替わり立ち替わり前へと飛び出していく形を披露。北教大は「普段から自分たちでビデオを編集して、課題を修正して、というのは選手にやらせてる。今日も向こうのストロングとウィークはしっかりまとめていた」と越山賢一監督は話しましたが、まずは苦しい立ち上がりを強いられます。ただ、「DFラインがバタバタするので裏へのボールは有効」というのも同じくスカウティングから北教大が得た情報。案の定、19分に清水義勝(4年・北海)がDFラインの裏へ送ると、大西洋平(3年・コンサドーレ札幌U-18)がフリーで抜け出し、フィニッシュは浜松大GK佐野恭佑(3年・清水商業)のうまい飛び出しに阻まれたものの、ここから21分には穴田大樹(4年・帯広北)、22分には大西がそれぞれ惜しいシュートを見せるなど、北教大がペースを掴み始めます。ところが、「いい流れになりかけた所で」(越山監督)生まれたのは浜松大のゴール。24分、関嶋順起(3年・岡崎城西)のパスから、受けた村松は自分へのプレスが弱いと見るや、エリアの左隅から左足一閃。このボールが豪快にネットを揺らします。さらに30分には村松、水野翔介(4年・藤枝東)、神谷と繋いで、最後は水野がGKの頭上をフワリと破るゴラッソループで追加点。あっという間に2点の差が付いてしまいました。北教大にしてみれば「ウチの弱点でもある右サイドにボールを集めてきた。それを徹底的にやられた」と越山監督も言うように、失点は共に右サイドから。少し受け身に回った所を狡猾に突かれた感は否めません。すると、再び流れは一転。ペースを奪還した浜松大が2点のアドバンテージを得て、前半の45分間が終了しました。後半は立ち上がりから少し膠着した流れの中、56分に意外なシーン。ピッチ中央でボールを奪い合う輪が解けると、塚田健太主審はなんと上原拓郎(1年・コンサドーレ札幌U-18)にレッドカードを提示。記録を見ると、退場理由は暴言。上原はピッチの去り際にペットボトルを蹴り上げ、何とも後味の悪いシーンになってしまいました。2点のビハインド。30分以上を10人で戦う数的不利。あまりにも難しい状況に追い込まれた北教大。しかし、「最後まで頑張る所がウチのチームの愛おしい所」と指揮官が胸を張った北の勇者は、ここから凄まじい反発力を発揮してみせます。63分、「前半は右を使われてストロングの左を使えなかったので、後半はタッチラインを割ってもいいから左にとにかくボールを出せ」という越山監督の指示を受け、実行したことで得た左CK。廣瀬拓哉(2年・北海)のボールにニアへ飛び込んだのはCBを務める“DFストライカー”鈴木雄太(3年・浜名)。1-2、1点差に。67分、東舘勇貴(4年・盛岡商業)のパスから穴田のシュートはクロスバーを越えるも、完全にイケイケ。そして69分、相手のパスをカットした東舘が絶妙のチップキックでDFラインの裏へ落とすと、そこまで再三決定機を逃していた大西の今日4本目となるシュートがゴールを捕獲。2-2。まさに底力。ゲームは振り出しに戻されました。こうなると勝敗の行方はもはや混沌。74分、浜松大の長澤和明監督は、神谷と佐藤を下げて、ゲームを創れるMF安間ム月(4年・浜松湖東)と184センチの長身FW高嶋淳(4年・水橋)を同時投入。勝利への執念を露にします。76分は浜松大にビッグチャンス。右に流れた村松のシュートは北教大GK岩田健太郎(3年・コンサドーレ札幌U-18)がファインセーブで阻み、こぼれを無人のゴールへ流し込んだ安間のシュートも、岩田が間に合ってキャッチ。83分は北教大にビッグチャンス。久松秀樹(4年・コンサドーレ札幌U-18)のサイドチェンジを受けた穴田は、鋭い切り返しでマーカーを振り切り、右足に魂を込めた渾身のシュートはわずかに枠の左へ。頭を抱えるのはピッチもベンチも一緒。スコア動かず。ゲームは10分ハーフの延長戦へ、その舞台を移すことになりました。さすがに延長ともなると、両チーム足が止まり、足が攣り、攻撃にパワーを注ぎ切れません。浜松大は103分、こちらも184センチの1年生FW大石明日希(島田工業)を送り込み、高嶋とのツインタワーを形成させたものの、フィニッシュを生み出すようなシーンは創れず、時計の針ばかりが着々と進んでいきます。しかし、別れは唐突に。もはやPK戦と誰もが思った終了間際。増田が左から蹴ったFKに、大石がバックヘッドですらしたボールは、北教大ゴールに吸い込まれていきます。その時間、109分56秒。直後のキックオフが終わると、鳴らされたタイムアップの笛。劇的な結末で歓喜が訪れたのは浜松大。ピッチ上に描かれる残酷な対比。北教大の冬は幕を閉じました。昨年も流通経済大と好勝負を繰り広げながら敗れた北教大は、2年連続の惜敗。それでも「自分から交替したいという選手は誰もいない。諦めないで最後まで頑張るチーム」と越山監督が語ったように、とりわけ後半以降の数的不利を感じさせない奮闘には、心動かされるものがありました。「来年の後輩に先輩が残したお土産」(越山監督)を胸に、気は早いですが来年も是非この舞台に帰ってきて欲しいと思います。   AD土屋


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