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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年11月27日

J1第33節 FC東京×山形@味スタ

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既に優勝と2チームの降格は決定。最大の注目は残る1枠の降格を回避すべく、瀬戸際の戦いが続く残留争い。32ポイントで16位の神戸と、35ポイントで15位のFC東京に絞られた感のある過酷なサバイバル。今日は先にゲームを行っていた神戸が、清水を相手に10人になってから執念の決勝ゴールを挙げて3ポイントを獲得しており、暫定とはいえ東京と勝ち点で並んでいます。その結果を受けてのキックオフとなるホーム最終戦の相手は、前節の勝利で残留を決めた山形。ある意味対照的な立場に置かれた2チームの激突となりました。ゲームが始まると、まずは東京がラッシュ。3分、中村の左クロスは平山へわずかに届かず。7分、石川の右クロスを大黒はマークに付いた西河をハンドオフしながら、ヘディングを放つとボールは枠の左へ。さらに9分、石川のサイドチェンジを受けた羽生が中へ折り返すと、こぼれを拾った梶山のシュートはバーの上へ。「立ち上がりは点を取りに来るだろうと思った」と山形の増田が話した通り、東京が勢い良く飛び出します。13分には山形。GKへのバックパスも含めて1分近くボールを回し、前田のフィードを長谷川が収め、最後は小林がミドル。1つしっかりとしたポゼッションからフィニッシュまで繋げますが、流れは変わらず。16分は再び東京。西河のパスミスから、奪った石川が中へ送ると、平山に訪れた決定機は寸前で西河が自らカット。18分にも小林のパスミスから、最後は平山が抜け出し、1対1は山形GK清水がファインセーブを見せたものの、相手のミスから2回の大きなチャンス。さらに24分には石川のCKから、梶山のヘディングは枠を捉えましたが、清水がキャッチ。ゴールが少しずつ近付いているような雰囲気は確かにホームチームにありました。ただ、「立ち上がりを抑えれば自分たちのペースになると思っていた」と増田が話せば、「シュートは打てなかったが、バランス自体は悪くなかった」と小林伸二監督。すると、少しずつ「勝たなきゃいけないという堅さは感じた」と大熊監督も評した東京はトーンダウン。前線で体を張った平山の奮闘に対する周囲の呼応も少なくなり、ほとんどチャンスを創れなくなってしまいます。こうなると山形にも好機到来。31分、伊東が左へ流し、小林のアーリークロスは長谷川へわずかに合わず。33分、長谷川のポストワークから、またも小林のクロスに北村が合わせたボールは、東京のGK権田が何とかセーブ。いい形を創り出します。山形で目立っていたのは、Jリーグ初スタメンとなったルーキーの伊東。割合ポジションとプレーエリアが決まっているチームの中で、自由な位置取りからよくボールに絡んでアクセントを加えるなど、好プレーを披露。小林監督は「もう少し高い位置でボールが持てれば、スピードがあるのでもっと脅威になったと思う」と語りましたが、今までの山形にはいなかったタイプで可能性を感じさせたと思います。ややリズムが掴めなくなった東京にさらなるアクシデントは35分。そこまで右サイドから再三鋭い突破を繰り出していた石川が、負傷でリカルジーニョと交替を余儀なくされてしまいます。44分には平山、羽生と繋いで、エリア内で大黒がシュート態勢に入るも、戻った伊東が間一髪でクリア。山形ペースと言ってよさそうなスコアレスで、前半は終了しました。後半は立ち上がりから膠着。53分に動いたのは大熊監督。大黒を諦め、前田を投入を選択。58分には小林監督も1人目の交替を決断。「2トップも考えたが、相手が1トップで前田と羽生が(ワンボランチの)佐藤の脇を狙い始めたので、中盤3枚の方がうまく守れる」と長谷川の所へそのまま田代を投入します。それでも展開に与える影響が少ないと見るや、次の交替は両指揮官ともほぼ同時に近いタイミング。64分には大熊監督が最後のカードを決断。羽生に替わったのは森重。平山の1トップで、その下には右から前田、一列上がって梶山、リカルジーニョ。ボランチにはやはり徳永が一列上がり、森重はCBに入ります。65分は小林監督の2枚目。いい働きを見せていた伊東を下げて、「途中から入れると左サイドからのクロスの質は高くなる」と宮沢を投入。サイドを意識させるような交替策を採ってきます。これが奏功したのは東京。74分、右サイドから森重が入れたボールを梶山が流すと、受けた平山はキープしながら反転して素早くシュート。ボールはDFに当たったことで、綺麗な弧を描いてゴール右スミへ吸い込まれていきます。瞬間、大熊監督も思わず派手なガッツポーズ。東京の中で最も闘志を前面に押し出していたストライカーが大仕事。東京が先制。1点のリードを奪いました。その後も78分には森重がクイックで始めたFKを梶山が繋ぐと、平山のシュートがわずかに枠の右へ外れましたが、1点目とまったく同じ選手の流れで決定機を創るなど、東京に勢い。逆に山形は77分、北村に替えて下村を送り込んでいましたが、あまり効果を得られずに時間を消費していました。ところが「そんなに危ない場面もなかった」(今野)、そして「サイドを割られるのはあまりなかった」(大熊監督)にも関わらず、サイドから一瞬の隙を突いたのは86分の山形。左サイドで小林が縦に付けたボールを、宮沢はうまくタメてからリターン。外を回った小林が「(田代)有三なら強く飛ばせる」と柔らかいボールを中へ送ると、その田代は長く、そして高い跳躍から絶妙のコースへ頭で一刺し。「サブで満足してる選手はいないと思う」とベンチスタートを強いられたチームトップスコアラーが意地の一発。小林監督も「この前点を取ったのに、今日も途中からだったので、そのストレスが点に結び付いたかな」と笑う田代の技ありゴールで、山形が追い付いてみせました。もはや東京も今野を最前線に上げた90分以降はノーガードの殴り合い。90分は東京。梶山、今野、梶山と推移したボールを最後は今野が左足で狙うも枠の右へ。91分は山形。宮沢のFKを秋葉が枠内へ飛ばすも、権田がキャッチ。93分も山形。佐藤が右へ送り、田代が最高のクロスを上げると、飛び込んだ宮沢のダイビングヘッドは、わずかにゴール左へ。カウンターから完全に崩し切った形に、歓声と悲鳴が交錯します。94分は東京。最後は前田がスライディングでボールに食らい付いたシュートは清水がキャッチ。そして長いホイッスル。タイムアップ。東京が挙げたポイントはわずかに1。その分だけ神戸にリードしたまま、残留争いの結末は最終節へ持ち越されることになりました。ゲーム内容としては、8対9というシュート数が示しているようにほとんど互角だったと思います。それでも、東京にしてみれば残り15分でエースが先制ゴールを挙げても、ワンチャンスを生かされて追い付かれてしまう辺りに、今シーズンの苦闘がよく表れているのではないでしょうか。「最後の1試合は悔いが残らないように、全力でチーム一丸でやっていきたい」と大熊監督。東京に訪れるのは歓喜か、それとも悪夢か。その答えはあと90分間を終えればハッキリします。    AD土屋




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