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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
3月に開幕したJリーグも、あっという間に終盤戦。残すは今日を入れても4節のみ。それぞれのチームにそれぞれの決着が付けられていきます。味の素スタジアムは多摩川クラシコ。前節の横浜FM戦に競り勝ち、残留争いの渦中からわずかに首を出したFC東京と、水曜日の天皇杯で山形との激闘の末にPK戦で敗退し、「唯一タイトルの懸かった試合もなくなった」(高畠勉監督)川崎の対戦。ややモチベーションの差は懸念されますが、今年最後のクラシコに期待を込めて、キックオフを迎えました。2分に平山のドリブルから、最後は石川がカットインしながら枠に飛ばすシュートを放って始まったゲームは、「相手もそんなにハイペースで来てる訳じゃなかった」とその石川が振り返った通り、かなり静かな立ち上がりに。10分にはジュニーニョがミドルレンジから、トーキックで権田の好セーブを引き出すシュートをお見舞いしましたが、特に最初の30分間でそれ以外にゴールを予感させるようなシーンは皆無。膠着した時間が続きます。川崎は絶対的な支柱である中村が出場停止。さらに田坂が負傷で欠場する中、中盤はドイスボランチに稲本と谷口を配して、SHは楠神にヴィトール・ジュニオールという並び。これが結果的に今日のドイスボランチの特性からか、構成力は落ちるものの、守備のバランスという意味では普段以上に整った印象。加えて負傷を抱えているはずのジュニーニョとヴィトールの推進力が、十二分に生かされるようなカウンターも見られ、安定した守備からいくつかチャンスの萌芽は創り出します。逆に東京は、前節で覚醒した感のあった平山こそ基点を創って奮闘しますが、いかんせん周囲のフォローが少なく、なかなか決定的なシーンを生み出せません。36分に東京が掴んだチャンス。石川のCKを平山が頭で合わせ、体を投げ出した森重のヘディングは川崎のGK相澤がしっかりキャッチ。45分間で記録されたシュート数は東京の3に対して、川崎が2。妥当なスコアレスで前半は終了しました。ハーフタイムを挟むと、後半は開始早々にゲームが動きます。47分、ハーフカウンターは川崎。左サイドを楠神がドリブルで持ち上がり、ジュニーニョを経由したボールは矢島の足元へ。スクリーンから反転して左足で振り切ったシュートは、「見えない所からボールが出てきた」という権田を破ってゴール右スミへ。歓喜の色はスカイブルー。アウェイチームが1点のリードを奪いました。さて、ホームで追い掛ける展開となった東京。大熊清監督は「(後半開始から)10分くらいで入れようと思っていた」リカルジーニョを50分に前倒しで投入。さらに57分には大黒に替えて、右SBに椋原を送り込み、「久々の右SBで駆け上がるパワーやタイミングが多少悪かった」(大熊監督)徳永をボランチに上げ、梶山を平山のすぐ下に置く4-2-3-1へシフトして勝負に出ます。それでもしばらくはリズムに変化のないまま推移しましたが、65分にジャッジの妙が展開に変化を。左サイドに張り出し、再三ドリブルで仕掛けながら、ことごとくチャンスに結び付けられなかったリカルジーニョが、ここも強引なドリブルで突っ掛け、相手DFと接触。微妙なプレーでしたが、山本雄大主審は川崎のファウルを指示します。このFKを石川が枠に直接飛ばし、相澤がなんとかセーブ。しかしこのCKから、石川のキックに森重がダイビングヘッドを敢行すると、ゴールネットはボールを捕獲。1-1。25分を残して、結果だけ見ればリカルジーニョ投入が奏功した格好で、東京が追い付いてみせました。高畠監督の決断は69分。楠神OUTで黒津IN。黒津はそのまま右SHに入る、超攻撃的布陣を断行。73分には矢島の巧みなポストプレーから、ヴィトールが中央を抜群のスピードでぶち抜き、シュートはわずかに枠の右へ外れましたが、衰えないカウンターの恐怖を一瞬で植え付けるプレーを披露。80分には稲本のレーザーフィードを右サイドで受けた黒津が、中村をあっさりかわしてサイドネットの外側を強襲するシュート。ただ、決定機は川崎にありましたが、同点後の東京も前へのパワーは強まり、攻撃の時間は明らかに増加。まさに「どっちに転ぶかわからない展開」(高畠監督)だったと思います。こうなると勝敗を分けるのは往々にして「致命的なミス」(大熊監督)。84分、ヴィトールの何でもないフィードに対応した森重は、なぜかボールに対して手を出してしまいます。すると、山本主審のホイッスルは鳴らず、ボールを拾った「DFの手に当たって方向は変わったが、前半からDFの裏にボールをくれと要求していた」という10番は、やや中途半端に前へ出てしまった権田の頭上を緩やかに越えていく、完璧なループでフィニッシュ。ジュニーニョのJ1通算100ゴール目となるメモリアル弾が飛び出し、川崎が再び勝ち越しました。追い込まれた東京。「短い時間だったのでペナの中に人を入れたい」と大熊監督が切った最後のカードは、天皇杯で2ゴールの活躍を見せた大竹ではなく前田。それでもスタンドを沸かせるようなシーンを創れないまま、時間ばかりが経過していきます。94分、権田も上がった東京のラストチャンス。米本のFK、こぼれ球を平山が懸命に抑えて枠に飛ばしましたが、相澤が横っ飛びで弾き出し、鳴らされたタイムアップのホイッスル。今シーズン最後のクラシコは川崎に軍配。ACL圏内確保に向けて、価値のある3ポイントを敵地から持ち帰る結果となりました。勝ち点3だけではなく、勝ち点1までもその手からこぼれ落ちた東京。「ウチは勝ち点1を狙いに行くチームではないが、勝ち点1でもOKと言わなきゃいけない状況」とは権田ですが、「みんなで2点目を狙いに行く姿勢はあった」と大熊監督。結果は個人のミスが失点に直結してしまったとはいえ、オープンな打ち合いの様相を呈した75分以降に、チーム全体の意志統一ができていたか否かには疑問が残ります。「最低限もう1点取られないようにするのが課題」と米本。その“課題”を“最低限”のレベルまで引き上げるために残された試合は、あとわずかに3つしかありません。 AD土屋
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