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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
すべてはこの勝利のために。1年間の総決算。東京の高校ナンバーワンを決める日がとうとうやってきました。関東第一をシュート1本に抑える完勝で、驚異の4連覇まであと1つに迫った帝京。そして、こちらも優勝候補の一角だった成立学園を2-0で葬り、初の全国に意気上がる駒澤。間違いなく今年度の実績と実力を考えても、東京高校サッカー界の頂上対決。特に今年はこのカテゴリーを重点的に見てきた私にとっても最後のゲーム。舞台は当然、西が丘。6397人の大観衆を集め、最後の80分間がスタートしました。ファーストシュートは2分に駒澤。高平将史(3年・サウスユーベSC)が、須貝暁(3年・田無第二中)とのワンツーから、わずかに枠の左へ外れるミドル。帝京も5分、左サイドから青柳駿平(3年・FC多摩)が入れたFKに、樫本健太(3年・三菱養和巣鴨)が合わせたヘディングはバーの上へ。立ち上がり早々にお互い1度ずつチャンスを創り合います。帝京は、今日もやはりフィジカルの強い大野耀平(1年・浦和レッズJY)と平石直人(3年・横浜F・マリノスJY)で組む2トップに入れる、長いボールを多用。それに対して、「どんどん蹴ってくるのでラインは高く上げよう」と大野祥司監督の指示を受けた駒澤は、キャプテンのCB大畠一馬(3年・拝島中)を中心に、早めのチェックを見せるなどうまくポイントを押さえた対応。流れの中からはチャンスを創らせません。逆に13分には宮崎力太郎(3年・FC GIUSTI)の素晴らしいスルーパスを受けた山本亮太(3年・ヴィヴァイオ船橋)が左サイドから、14分には須貝が粘ってこれも山本が右サイドから、それぞれ鋭いクロスを送るなど、少し手数を出し始めてペースを握ると、スタンドをザワつかせる黒木海人(3年・ヴェルディSS相模原)のロングスローは今日も健在。22分にはその黒木が投げ入れたボールのこぼれを、池田慶介(3年・FRIENDLY)がボレー。枠は捉えられませんが、攻勢を強めます。一方の帝京も、牙を剥く時は一瞬。26分、左サイドで巧みにボールを引き出した平石が中へ送ると、大野は完全にDFの裏を取りながら、ボールは伸ばした足のわずか先を通過。決定機と言ってもいいシーンに、帝京応援席にもため息が広がります。さらに33分には左SB長谷川優希(2年・グランデ)のクロスから大野が左足シュートを枠内へ。37分、相手のクリアボールに走り込んだ、中盤アンカーに入る田口慎太郎(3年・草加JSC)のボレーも枠内へ。全体の流れとしてはほぼ互角も、やや前にボールが収まる分だけ手数は帝京が上回る格好で、ハーフタイムに入りました。ただ、「前半を0-0か0-1で折り返せればと思っていた」と話した駒澤の大野監督は続けて「T-1で帝京が負けた3試合は、全部前半をゼロで抑えられていた」というデータも披露。駒澤からすればある程度狙い通りの40分間だったようです。後半はまず駒澤に好機。44分、帝京のFKから一転してカウンターは、山本がフリーで走り込む高平にラストパス。高平のシュートは、しかし夏までFWを務めていた帝京右SBの小山雄士(3年・FRIENDLY)がブロック。先制とはいきません。47分、今度は帝京に決定機。青柳の浮かせたボールに、最高のラインブレイクで抜け出した大野のダイレクトボレーは、バーの上へ。こちらもゴールは奪えません。前半よりオープンになり始めた展開。54分は駒澤。黒木のFKに、大外へ回り込んだ大畠が絶妙の折り返しを中へ入れるも、須貝のヘディングはわずかにクロスバーの上へ。さらに55分、右サイドを長澤卓己(3年・東京ヴェルディJY)とのワンツーで切り裂いた山本のクロスを、高平がフリーでヘディングも、帝京GK諸町光彦(3年・Forza'02)が足で超ファインセーブ。この後も黒木のロングスローとCKから帝京ゴールへ迫った駒澤が、「後半もまず守備から入れば、必ずチャンスはあるから」と大野監督が選手へ話した通り、ここを潮目にグッと主導権を引き寄せます。押し込まれる中、62分に廣瀬龍監督は2枚替えを決断。町田直樹(2年・東京久留米FC)を前線に、高木利弥(3年・FC東京U-15深川)を右の中盤へ投入して勝負に出ると、64分には大野のアーリークロス、樫本がトラップから放ったシュートはGKキャッチ。68分にも樫本の左クロスに、飛び込んだ町田は少し届かず。少しずつ勢いを押し返すことに成功します。そして、もはや多くの人の脳裏に延長突入もよぎり始めたであろう77分にドラマ。アタックは駒澤。高平の柔らかいパスに抜け出した山本は左サイドをえぐってクロス。GKがパンチングで一旦逃れましたが、こぼれに反応してエリア内へ突入した黒木が倒されると、抱山公彦主審はPKのホイッスル。最終盤に来て、駒澤に願ってもない先制機が訪れます。キッカーは「これで決めれば全国だと思った」という大畠。「2年前の決勝ではアイツがマークを外して決められて負けた。その悔しさはあったと思う」と大野監督も話したキャプテンが「自分のタイミングで」蹴ったボールは、GKの飛んだ逆を突いてゴールネットへ。土壇場で勝ち越したのは駒澤。ようやく均衡が破れました。諦めない帝京。失点直後に11人で円陣を組み、最後の猛攻へ。79分、高木のドリブルシュートはDFに当たってGKへ。80分には、エースの小門勇太(3年・藤沢エスポルチ)と伊藤遼(1年・岐阜VAMOS)を同時投入すると、もはや5トップ気味に。81分、最終ラインで奮闘した知念将太(1年・住の江キッズFC)のロングスローは、駒澤GK岸谷紀久(3年・FC GIUSTI)が懸命にフィスティング。直後、西が丘に3度鳴り響いた長い長いホイッスル。「選手権で帝京を倒して全国に出るのが夢だった」という大野監督の、そして駒澤の大願成就。カナリア軍団を破った赤い勇者が、創部45年目にして初めて全国への切符を獲得する結果となりました。駒澤はこのゲームもスタメン11人全員が最後まで出続けていたように、春先からほとんどメンバーを固定して戦ってきました。その中で生まれた結束力が、ここに来てさらに強く、深くなった印象です。「4つの大きな大会を同じメンバーで戦えたのは奇跡。でも、それは周りのスタッフや選手全員のおかげでもある」と大野監督。156人の部員。そして10人のコーチングスタッフ。さらに、その彼らを取り巻く全ての人たちの想いが結集した、素晴らしい優勝だったのではないでしょうか。 AD土屋
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