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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年10月09日

高円宮杯準決勝 静岡学園×広島ユース@国立

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ユース年代最強王座決定戦とも言うべき高円宮杯も、いよいよ準決勝。会場も日本サッカーの聖地・国立競技場と舞台は整いました。第1試合は、優勝候補の一角に数えられた横浜FMユースを延長で振り切り、7年ぶりに国立へ帰ってきた高体連最後の砦となる静岡学園と、こちらは高体連最強との呼び声も高い流通経済大柏を4-0という圧倒的なスコアで一蹴した広島ユースの激突。普段関東を中心に動いている身としては、かなりワクワクするような好カードでしょう。ただ、広島は3バックの一角を占める越智翔太(3年・四国中央土居中)と、攻撃に推進力を与えるボランチの早瀬良平(3年・サンフレッチェ広島JY)が共に大学受験のために欠場。さらにU-16日本代表の野津田岳人(1年・サンフレッチェ広島JY)も39度の発熱で不在と、センターラインのキーマン3人を欠くことに。すると、序盤からペースを握ったのは静学。テクニックに優れる大島僚太(3年・静岡学園中)と長谷川竜也(2年・静岡学園中)が、よくボールを引き出してリズムを創ると、右SHに入った廣渡剛太(3年・FC NEO JUNIOR YOUTH)も積極的なドリブルでサイドを活性化させます。そして11分には素晴らしいサイドチェンジを受けた利根瑠偉(3年・静岡学園中)のシュートチャレンジからCKを獲得すると、星野有亮(3年・柏レイソルU-18)のキックは広島DFのクリアが小さく、混線の外からフリーで利根がヘディング。これが緩やかにゴールへ吸い込まれ、いい流れを結果に結び付けた静学が先制しました。その後もことごとく「向こうの方が集中力が高かった」と広島の森山佳郎監督も振り返った中盤の攻防で、セカンドボールをモノにし続けた静学が波状攻撃を敢行。27分には松本翼(3年・フォルトゥナSC)が無回転気味FKを枠に飛ばし、広島GK大野哲煥(2年・レスポール浜田FC)がファインセーブ。33分には右サイドを片井拓己(3年・静岡学園中)が長谷川のヒールワンツーで抜け出し、わずかに枠の左へ外れるシュート。35分には廣渡が右サイドを深くえぐって、中へ折り返すと広島のボランチ野口大輔(3年・JヴィレッジSC)が間一髪でクリア。決定機を連続で創ります。そんな中、次のゴールを上げたのもやはり静学。44分、鈴木健太(3年・静岡学園中)、長谷川と繋いで、廣渡のクロスをファーサイドに構えた利根が頭で合わせると、ボールは相手FWと交錯したGKの股間を抜けてゴールの中へ。「ちょっとひ弱だけど得点感覚に優れている」(静学・川口修監督)という判断で、今大会初出場をスタメンで飾った利根が2ゴールの大仕事。「“学園らしさ”が出せて、2点取れて最高の出来」とは川口監督で、「ちょっとバラバラになりかかっていた部分はあった」とは森山監督。内容でもスコアでも上回った静学が大きなアドバンテージを得て、前半を終えました。迎えた後半は、立ち上がり早々にゲームを大きく左右する判定が。48分、広島が後方から縦へ蹴り込んだボールは雨で濡れたピッチを滑り、目測を誤った静学CBの金大貴(3年・ガンバ大阪JY)は裏を取られ、抜け出した相手FWへ腕を出してしまいます。駆け寄った小屋幸栄主審が提示したのはレッドカード。キャプテンの一発退場で、静学は後半のほぼ大半を10人で戦うことになりました。劣勢の中、突如として数的優位を得た広島。それでもここまでの試合で見せてきたようなダイナミックさは鳴りを潜めたまま。59分には浅香健太郎(3年・吹田JFC千里丘)の左アーリークロスに、川森有真(3年・FC四日市)がボレーで狙うも左ポスト直撃。跳ね返ったボールはGK一ノ宮聖(3年・静岡学園中)に当たり、ゴールへ向かいますが何とか一ノ宮がキャッチ。ツキもありません。さらに62分には、大島をチェックに行った宗近慧(3年・サンフレッチェびんごJY)が2枚目のイエローカードで退場に。このプレーに関しては、ファウルのホイッスルも遅く、静学サイドのベンチ前や応援席側から声が上がってからイエローカードを提示した感は否めず、やや小屋主審の判定が“帳尻合わせ”になった面はあったと思います。しかし、10対10になってから、「攻撃攻撃になっても、もう行くしかないだろう」(森山監督)という広島と、「しっかり守って耐えて速攻狙い」(川口監督)という静学と、両者の意識の違いが劇的な展開を呼び込むことになります。65分、スローインのボールを受けた川森が右サイド深くまで侵入し、ゴールラインと平行に中へ切り込み、ラストパスを送ると、砂川優太郎(3年・サンフレッチェ広島JY)はダイレクトで蹴り込み、1点差に。2分後の67分には、48分のシーンのデジャヴかと思うような縦フィードを、静学DFが目測ミスから前で止められず、裏に抜け出した砂川を倒してしまいPKに。静学にしてみれば「カバーリングがちゃんとできてなかった」と川口監督も振り返ったように、2度同じ形を繰り返してしまった手痛いミス。これを砂川は冷静にGKの逆を突いて沈め、わずか5分間の2ゴールでゲームを振り出しに戻します。こうなると「行くぞって盛り上がったらウチは強いんで」と森山監督が笑ったように、止まらない広島。73分に砂川、75分に平田惇(1年・サンフレッチェ常石FC)と続けてフィニッシュまで持ち込むと、77分には怒濤のラッシュ。まずは砂川がミドルを右ポストにぶつけ、こぼれを拾った川森のクロスを、砂川が頭で落とすと、岡本洵(3年・松山三津浜中)のシュートはGK一ノ宮に防がれますが、その流れで後ろから繋ごうとした静学のパスに、一瞬たりとも集中を切らさなかった平田が反応してインターセプト。このこぼれをまたも砂川がトラップせずに直接狙うと、意表を突かれたGKはポジションを取り切れず、ボールがネットを揺らします。2-3、「諦めずに点を返せたメンタリティ」を指揮官も自ら称賛した広島が、砂川のハットトリックで見事に2点差を引っ繰り返して、逆転に成功しました。苦しくなった静学も、大島や途中出場の中西倫也(3年・岩出FCアズール)が奮闘したものの、一度失った流れは最後まで引き寄せ切れず、90分には逆に広島がCKの流れから、途中投入された藤井貴之(2年・吹田JFC千里丘)のパスを受けて、岡本が二アサイドをぶちぬくダメ押しの4点目。「何かが起こったら、逆にこれがチャンスだといつも言っている」と森山監督が語った広島が、主力の欠場、2点のビハインド、キャプテンの退場など、数々の“何か”を全て跳ね返した格好で、3年ぶりとなるファイナルへの挑戦権を獲得しました。    AD土屋


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