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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年10月03日

高円宮杯準々決勝 清水ユース×三菱養和ユース@ひたちなか

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高校年代日本一を決める高円宮杯も準々決勝に突入。会場の選択は茨城のひたちなかか、神奈川の厚木荻野。今大会の観戦テーマは“継続性”に置いているので、今日は迷うことなくスーパーひたちに飛び乗り、勝田駅へ降り立ちました。第1試合は、1次ラウンドで高体連最強との呼び声高い流通経済大柏を抑えて首位通過を果たし、ラウンド16も立正大淞南を下して、ここまで勝ち上がってきた清水ユースと、1次ラウンドは名古屋に福岡、ラウンド16では神戸とJユース勢を軒並みなぎ倒してきた、街クラブの雄・三菱養和ユースの対戦。楽しみなカードになりました。ゲームが始まると、まずリズムを掴んだのは清水。2分に石原崇兆(3年・清水エスパルスJY)がゴールまで30m近い距離からボレーを枠内に飛ばし、風上の優位性をいきなり誇示すると、全体的なボールアプローチで優ったことで、よく中盤でボールを拾い、サイドからの攻撃を繰り返します。16分には左からゴール前に流れてきたボールを、養和GK野村祐太(3年・三菱養和巣鴨)が触れずに後逸。こぼれを成田恭輔(3年・清水エスパルスJY)が拾って、右から石原の上げたクロスは何とかDFがクリア。21分には1トップ下に入った柴原誠(3年・清水エスパルスJY)が右へ展開すると、山崎祐也(2年・FC VERDURE)がえぐって中へ折り返し、これは野村が掻き出しましたが、清水の攻勢が続きます。なかなか攻撃の手を繰り出せない養和は「相手の強い選手がいる中央から攻撃してしまった」と生方修司監督が振り返ったように、やや強引な中央からの仕掛けが目立ち、28分には名古屋入団が内定しているキャプテンの田中輝希(3年・三菱養和巣鴨)が、直後にも内藤将梧(3年・三菱養和巣鴨)が続けてミドルを放ちましたが、ゴールを予感させるまでには至りません。すると32分に先制したのはやはり清水。流れの中でスタートポジションだった左ではなく右にいた成田が、石原からのショートパスを利き足の左足ダイレクトでDFラインの裏へ。やや球足は伸びたものの、走った柏瀬暁(2年・フッチSC)は「GKが意外と出て来なかったので」爪先を伸ばしてプッシュ。流れそのままにリードを奪いました。続く清水の攻勢。36分には柴原のスルーパスから、山崎が今度は左サイドをえぐって折り返すも、DFがクリア。37分はまたも柴原が右サイドからストレート系のピンポイントクロスを柏瀬に合わせ、ヘディングは弱くGKがキャッチしたものの、トップ昇格も噂される柴原の好配球が目立ちます。前半終了間際にはようやく養和にも決定機。45分、佐藤聖(3年・三菱養和巣鴨)のCKに櫻岡徹也(3年・三菱養和巣鴨)がドンピシャヘッドも、ボールはわずかにクロスバーの上へ。風上の利を生かした格好の清水がアドバンテージを持って、ハーフタイムに入りました。劣勢を強いられた養和。「もっとボールを動かして、自分たちのサッカーをしようとハーフタイムには結構厳しく言った」とは生方監督。するとロッカールームには戻らずにベンチの中で喝を入れられた選手たちは、まるで意地になったかのような大爆発を披露してみせます。後半開始早々の47分、右サイドで「点は取れると思っていた」と語る佐藤のパスから、近藤貴司(3年・三菱養和巣鴨)が切れ込んで中へ折り返すと、田中はトラップから体勢を整えて冷静にフィニッシュ。1-1と早くも同点に。1分後の48分、またも右サイドで近藤が付けたボールを、佐藤はカットインしながら「自分はあの形が得意」と迷いなく左足を振り抜き、ゴール左スミに突き刺します。電光石火の逆転劇。2分間で見事にゲームを引っ繰り返しますが、これだけでは終わらないのが調子に乗った時の養和。54分、CKの流れから相手のクリアを田中が頭で残し、最後は右SBの横山恭嗣郎(3年・横浜F・マリノスJY)のミドルが左スミへ飛び込み3点目。さらに1分後の55分、右サイドで佐藤がDFともつれ、ボールが中へこぼれると、いち早く反応した若狭夢信(3年・三菱養和巣鴨)はうまく体をたたんでボレーを叩き込み4点目。後半立ち上がり10分で怒濤の4ゴールを奪った養和が圧倒的優位に立ちました。「失点した後の立て直しができなかった」(柏瀬)ことでズルズル失点を重ねてしまった清水は、影山貴紀(2年・清水エスパルスJY)、藤嵜智貴(1年・フッチSC)、加賀美翔(1年・ACNジュビロ沼津)と次々に選手を入れ替え、システムも4-2-3-1から中盤ダイヤモンドの4-4-2にシフトして何とか流れを変えようと試みますが、一度激し過ぎる衝撃を受けて狂った歯車は元に戻らず、イージーなパスミスを連発してしまい、反撃の萌芽すら創り出せません。89分に迎えたFKからのチャンスも、影山のヘディングはゴールライン上で若狭がクリア。そしてそのままスコアは動かず、鳴り響くタイムアップの笛。前半と後半で両チーム共に別人のような顔を見せたゲームは、驚異の反発力で逆転してみせた養和が、昨年に続くベスト4進出を決めました。生方監督が試合後に「昨年みたいな“華麗に美しく”だけじゃ今年は勝てないので“泥臭く”を付け加えて戦っている」と話したように、加藤大(アルビレックス新潟)、玉城峻吾(筑波大)、田中豪紀(日本体育大)らを擁し、機能性の高い4-3-3で各種大会を席巻した昨年のチームに比べると、攻撃のスムーズさは見劣りするかもしれませんが、守備の粘り強さなどは今年の方が上かもしれません。「どれかの大会でファイナリストになろうとずっと言ってきた」(生方監督)チームの目標達成まではあと1勝です。    AD土屋


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