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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年10月02日

J2第29節 柏×栃木@日立台

foot!
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前節は3位の福岡に大きな力の差を見せ付けての完勝。今シーズン2度目となる5連勝を飾るなど、1年でのJ1復帰に向けてもはや秒読み体勢に入ったと言っても過言ではない柏。今日のゲームで日立台に迎えるのは、11戦連続無敗を達成するなど前半戦のビッグサプライズとなった栃木。中断明けからはやや調子を落としているとはいえ、昇格圏内の福岡とは12ポイント差の10位。ここからの巻き返し次第では、まだまだ十分上位を狙える位置に付けています。残り試合数も共に一桁の9試合。新・東武線ダービーは西日の射し込む日立台です。2分、柏は橋本和が左サイドから送ったパスに林陵平が抜け出しますが、シュートは栃木GK武田博行がファインセーブ。6分、大谷秀和がクイックでリスタートしたボールを、橋本が左クロスを上げ、ニアサイドで北嶋秀朗がフリックするも、そのままゴールキックへ。共にゴールへは繋がらなかったものの、主導権を握ったサイドから崩す形を創出します。この柏がサイド、特に左サイドで優位に立った理由として考えられる要因は、4-4-2の攻撃的な中盤がレアンドロ・ドミンゲスに茨田陽生と揃って中央寄りにポジションを取るので、ぽっかり空いたサイドのスペースへSBが侵入していたこと。「逆にその裏を突ければチャンスになる」とは栃木の阪倉裕二コーチですが、サイドに流れてくる柏FWに対してゾーンを敷く栃木はSBが対応するために、どうしても上がってくる柏のSBは、栃木のSHがケアせざるを得ない中で、そもそも栃木の中盤は流動性が高く、特に攻撃から守備に切り替わる際にも中央に柏の選手が多く残っているので、まずはそこを消すのが優先に。そうするとサイドが空いてしまって使われるケースが頻発したのかなと。柏不動のボランチ栗澤僚一も「中に食い付かせて、外に出すのはある程度狙い通り」と話しています。22分にはサイドを崩して得た連続CKの2本目、レアンドロのキックに近藤直也がヘディングで合わせますが、ボールはクロスバー直撃。柏にゴールが生まれるのは時間の問題のような展開の中、しかし1人のブラジル人が日立台を凍り付かせます。28分、左サイドで「ここ最近調子が良かったのと、(リカルド)・ロボとの相性」(阪倉コーチ)からスタメンに抜擢された船山貴之のショートパスに、一瞬の加速でDFと入れ替わって抜け出したリカルド・ロボは、ゴール右スミへ完璧なコントロールシュート。これぞブラジル人ストライカーと誰もが唸るゴラッソで、最初の決定機を見事に生かした栃木が先制してみせました。さて、「ワンチャンスを生かされて」(柏・ネルシーニョ監督)失点を喫したホームチームの反撃は、それから1分も経たない内に。29分、茨田、大谷と繋いでレアンドロが左へ浮き球を送ると、フリーで待っていたのは北嶋。ファーストタッチで前を向くと、ドリブルから「あのタイミングしかなかった」という間合いで右足アウトを振り抜き、確実に揺らすゴールネット。「娘が来ている3試合は全部ゴールを決めている」と笑う“パパ”の同点弾で、ゲームは振り出しに戻りました。以降、再び柏が押し込みますが次の決定機は栃木。40分、赤井秀行のサイドチェンジを受けた船山は、エリア内でパク・ドンヒョクをかわしてフィニッシュまで持ち込むも、シュートは枠の左へ。44分、武田のキックから柏のCB2人がボール処理に手間取っていると、リカルド・ロボが頭でかっさらってフリーでシュート。菅野孝憲のファインセーブで柏は事無きを得ますが、少し栃木の2トップには手を焼いた格好で、ハーフタイムを迎えました。後半に入ると、60分までの15分間でCKを5回奪うなど、立ち上がりから柏がラッシュ。49分には林、50分には栗澤、51分には北嶋、57分には近藤と橋本がそれぞれCKからチャンスを掴むも、なかなか枠内へシュートを飛ばせません。前節は1枚も交替のカードを切らなかったネルシーニョ監督も、58分には茨田を下げて澤昌克、62分には林を下げてホジェルを投入。「サイドに散らして、揺さぶりながら大きく広げてこじ開けようと」試みると、63分に決定的なチャンスが到来。栗澤、ホジェルと繋ぎ、大谷が右へ送ると、レアンドロはまったくのフリー。ところが2回放ったシュートはいずれも武田が弾き出し、勝ち越しならず。ジリジリした時間が続きます。逆に栃木からすれば、「かなり押し込まれた状況で、攻撃に出ていくまでの力がなかった」と阪倉コーチも認めたように、防戦一方となる展開を強いられたものの、ここぞという場面では大久保裕樹とヨ・ヒョジンの両CBを中心に体を張ってよく守り、敵将のネルシーニョ監督も「栃木もいい面が出た所はあったと思う」と認める程に、水際で踏みとどまる意地を見せます。さらに70分からの10分間で、船山から廣瀬浩二、リカルド・ロボから林祐征、水沼から岡田佑樹と、比較的似たタイプ同士の交替でカードを3枚使い、何とか全体の運動量増加を図ると、83分には相手のミスを突いて、岡田と廣瀬の2人だけでフィニッシュまで到達するシーンも。柏は93分のラストチャンス、レアンドロのCKから最後は澤のクロスにホジェルが頭で合わせましたが、ボールはクロスバーを掠めて枠外へ。「皆さんが思っているより、最後はしっかり守ってるという風に見てたかもしれない」とは阪倉コーチ。集中を切らさなかった栃木がキッチリ守り切った形で、結局両者勝ち点1を分け合う結果となりました。柏はサイドも崩していい形も創りましたが、粘る栃木に根負けした印象です。「シュートやクロスの判断も含めた“決め球”の質」を指揮官は課題に挙げたものの、今日に限っては相手の守備を褒めるしかなかったような気もしました。一方の栃木は、先制直後の失点こそ悔やまれますが、首位相手に「体を張るという部分ではよくやってくれたと思う」と阪倉コーチも一定の評価を与えたように、よく耐えたと言えるでしょう。「しっかり点も取ったし、どんなサッカーであれ、やれたことはやれた」とは水沼。昇格に向けては痛いドローかもしれませんが、チームとしては大きな価値のある勝ち点1だったのではないでしょうか。    AD土屋




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