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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
前節はマトが前半でレッドカードを受けたこともあって、G大阪に5-1と大敗。残留争いの渦中からなかなか抜け出し切れない大宮は、さらにクラブの不祥事まで発覚するなど、ピッチ内外で苦しい状況に立たされています。今日の相手は2005年の昇格同期である川崎。こちらも首位名古屋の背中は霞んでしまったものの、ACL出場権は確保したいところ。ただ、やはり大宮にとっては「失った信頼を取り戻すためにも、気持ちを見せて絶対に勝ち点3を取らなくてはいけない」(深谷友基)ゲームだけあって、開始18秒でラファエルのパスからイ・チョンスが決定機を掴めば、3分にも金久保のCKからイ・チョンスが頭で狙うなど、勢いを打ち出します。ところが、先制点はアウェイチームが記録。5分、ヴィトール・ジュニオールがカベに当てたFKの流れから、自陣深くで深谷のクリアボールは高く上がってしまい、落下点で競り勝った矢島は、黒津からのリターンを縦に持ち出し、豪快に逆サイドへ蹴り込みます。ケガで苦しんできた男が今シーズンリーグ初スタメンで見事に結果。川崎が先手を取りました。「2回ミスが続けば失点の可能性は高くなる」と坪内が話したように、ミス絡みの嫌な失点を献上した大宮の続く受難は6分後。6本もパスを細かく繋いだ川崎のアタックから、一度はこぼれたボールを中村は絶妙なスルーパス。小宮山がマイナスに折り返すと、走り込んだのは右SBの森。「入り方は良かった」(川崎・高畠勉監督)川崎が11分間で2ゴールを奪い、チームのスタイルを考えても圧倒的優位に立ちました。さて、「集中力のなさと気の緩み」(深谷)からいきなり2点のビハインドを負った大宮は21分、粘って繋いだ金久保の横パスを金澤が思い切りよくミドル。クロスバーに当たって落下したボールはゴールラインを割ったようにも見えましたが、岡野宇広副審の旗は上がらず、岡田正義主審もノーゴールを支持。ツキもありません。ここからは少し大宮も中盤が落ち着きを取り戻し、ボールが回るシーンも出てきたとはいえ、これも2点のアドバンテージを握った川崎の圧力が少し軽くなったため。それでも28分には、中盤でのルーズボールを田坂がダイレクトでスルーパス。うまいボディシェイプから抜け出した黒津のシュートはゴール右へ。37分には小宮山のフィードに矢島が競り勝ち、黒津に渡りかけたボールを何とか深谷がクリアしてピンチ脱出。加えて、「前半の40分くらいにポゼッションしてキープする時間があった」と高畠監督が語ったように、20本近くパスを回して回して、というシーンも披露した川崎が速攻、遅攻、セットプレーとあらゆる形からチャンスを創出。公式記録のシュート3本が意外なほど、完全にゲームを掌握しました。大宮も39分に絶好機。坪内の何気ない縦パスを諦めずに追った鈴木がDFと入れ替わり、中へ折り返すも、入り過ぎた藤本はシュート打てず。結果的に「マークの確認ミスとセカンドボールがまったく拾えず苦しんだ」(鈴木監督)立ち上がりの失点を引きずる形になってしまった大宮を川崎が圧倒して、ハーフタイムに入りました。後半もいきなり46分にヴィトールがミドルで北野を脅かし、川崎が攻勢を継続させる中、1つのセットプレーがゲームの流れを変えることになります。48分、コーナースポットに立った金久保は「対応がずっと甘いなと思っていた」ショートコーナーを選択。藤本のリターンを右足アウトで中へ送ると、ニアで青木がフリック。深谷のシュートは相澤に当たるも、再び深谷がプッシュ。「おいしいところを押し込んだだけ」というCBの嗅覚で、点差は1点に縮まります。ただ、これで流れが一変した訳ではありません。49分には中村が後方からのボールをうまく収め、わずかに枠を外れるシュート。58分には森の無回転ミドルがクロスバーとポストのカドを直撃。60分には右サイドから森が送ったクロスに、矢島のヘディングは枠の右へ。チャンスは川崎も創っていました。大宮から見ればそれを凌いでいる内に少しずつ「セカンドを拾えるようになって攻撃の足掛かりになった」と鈴木監督が振り返る展開になっていったような気がします。68分、イ・チョンスとのワンツーから右スミギリギリを狙った金澤のミドルは相澤がファインセーブ。そのCKから金久保のボールを、坪内が合わせたヘディングも相澤がファインセーブ。攻める大宮。そして引き寄せた波を、しっかり結果に昇華させたのは直後の69分。またも金久保のCKから、右サイドに流れたボールをイ・チョンスが中へ。こぼれを拾った藤本がヒール。再びこぼれを拾ったラファエルがニアへグラウンダーのボールを送ると、「クロスはいいボールが入っていたのでそれに合わせろと」指示を受けて1分前に投入されたばかりの石原が「イメージ通り」とニアに飛び込み、見事なワンタッチゴール。先制、追加点という完全な勝ちパターンだった川崎相手に追い付いてみせました。結果的に「流れは抑えていたが、セットプレーの対応で隙を与えてしまった」(高畠監督)ことから2点を失った川崎もラッシュ。76分にヴィトールが蹴ったCKの流れから、田坂の右クロスを菊地が頭で落とし、途中出場の小林悠がボレーで狙うも、枠の右へ。さらにここからの10分間で3本のCKを奪うなど、3連勝への執念を前面に押し出します。86分には中村のパスから矢島が抜け出し、エリア内へ侵入した所で倒されますが、岡田主審はノーホイッスル。逆に大宮は88分、相手FKを奪ってカウンターに入り、イ・チョンスが素晴らしいクロスを中へ。トラップで前へ持ち出した市川がエリア内で倒されますが、こちらも岡田主審はノーホイッスル。どちらのプレーもPKと判定されて然るべきプレーに思えたものの、どちらにもPKは与えられず、そのままドロー。川崎は痛恨の、大宮は「勝てなかったけれども、非常に大きな勝ち点1」(鈴木監督)を手にする結果となりました。このゲームにおける1つのポイントとして、大宮アタッカー陣のポリバレントさが挙げられるのではないでしょうか。68分に石原が投入された際、退いたのはボランチの青木でしたが、鈴木監督は「金澤を替えてCBとの守備のバランスを崩したくなかったし、青木は中盤でボールを失う機会も多かった」と言及しています。つまり、どちらかのボランチを切るつもりで、攻撃的なポジションにいた4人を替える気はなかったということ。ハナから金久保をボランチに落とそうと考えていたようです。さらに、石原がFWに入ると、金久保がいた左SHにはラファエルがスライド。そして追い付いてからは、再びラファエルが前線に上がり、イ・チョンスが左SHへ。石原も実際はSHをこなすため、鈴木監督もカードを切らずに布陣をいじることができる訳です。そして、結果的に69分のゴールに絡んだのは順番に金久保、イ・チョンス、藤本、ラファエル、石原。この5人に、今日も終盤に投入されたFWとSHをこなす市川を加えた6枚の起用法が、残留への鍵を握っている気がしています。 AD土屋
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