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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年10月16日

J1第26節 川崎×山形@等々力

foot!
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日曜日のナビスコ、水曜日の延長を含めて120分まで戦うことになった天皇杯を経て、「中2日のキツい日程」(川崎・高畠勉監督)でリーグ戦を迎えた川崎。ただ、ポジティブな材料は、代表で欠場していた中村の復帰。本人も「代表戦は少ししか出ていないので、自分がやるしかない」と高いモチベーションでこのゲームに臨みます。一方、前節のG大阪戦を逆転で制して、勝ち点を30点台に乗せた山形は、天皇杯も湘南に快勝するなど上り調子と言っていいでしょう。空を見上げれば、広がるのは秋を思わせるうろこ雲。シーズンも終盤へ差し掛かってきたことを確かに感じながら、キックオフの笛を聞きました。静かな立ち上がりで幕を開けたゲームは、予想通り攻める川崎に守る山形という構図を形成。それでも、「ゲームの入りは悪くなかった」と小林伸二監督も話したように、山形は相手の2トップのスピードを警戒してか、いつもよりややDFラインこそ低かったものの、ある程度安定した守備網を敷き、ゲームを膠着させていきます。なかなかチャンスを掴めなかった川崎は15分、ジュニーニョが左から上げた弱いクロスに楠神が反応してシュート。GKに当たったこぼれを再び楠神が中へ折り返すと、ヴィトール・ジュニオールのシュートは石井がライン上で何とかクリア。17分には中村が左へ展開した流れから、最後はジュニーニョが枠へ飛ばしたボールは、石井の頭に当たってクロスバー直撃。川崎からすれば「いい流れの中で点が取れなかった」(高畠監督)のは、3日前と同様。逆に山形は「今日はツイてるかなという感じはした」と小林監督。案の定、27分には石川が中央やや右、ゴールまで30m近い距離から、川崎GK相澤にファインセーブを強いる素晴らしいFKを披露。さらに、32分にはカウンター炸裂。90分通じてポストプレーをほとんどノーミスでこなした長谷川が左サイドでキープすると、追い越した宮沢はサイドチェンジ。ここに上がってきた下村が狙ったミドルは、相澤のファインセーブに阻まれましたが、いい形を創り始めます。しかし、そんな展開の中で一瞬の隙を見逃さなかったのは「後半は疲れて押されるのはわかっていた」という頼れるキャプテン。38分、ピッチ中央で下村のプレーに佐藤隆治主審はファウルのホイッスル。正直、微妙な判定ということもあってか、一瞬山形の各選手は動きを止めてしまいます。これを察知した中村は素早くリスタート。山形の中盤アンカーで奮闘していた佐藤が「切り替えが遅くて後手を踏んでしまい、慌てて行ったらかわされた」と振り返ったように、パスを受けたジュニーニョは寄せる佐藤を股抜きでかわすと、ゴールまで25m近くはある距離を一直線に、かつ一瞬で貫く強烈ミドル。ボールはゴールネットを激しく揺らします。「川崎には、ある程度組織になってなくてもやれる個の力を感じる」とは長谷川。キャプテンの機転に、エースの決定力。まさに2つの“個”だけで奪った先制ゴール。ホームチームがリードを確保して、45分間は終了しました。ハーフタイムを挟んで後半に入ると、開始早々の47分、売店やトイレから戻ってくるのが遅れた人は後悔するようなゴラッソが生まれ、試合の流れを大きく決定付けます。左からヴィトールが蹴り込んだCKは、中央で混戦に。すると、わずかにこぼれたボールを伊藤がキープすると、「見えてないかなと思ったけど出してくれた」という中村へラストパス。受けた中村がエリアの外から左足を振り抜くと、ボールは完璧な放物線を描いて、ホームサポーター側のゴールを捉えます。「力を抜いてうまく蹴れた」と自ら振り返る追加点。高畠監督も「ケンゴのゴールが非常に大きかった」と認める一発で、川崎が2点のアドバンテージを得ることになりました。さて、1試合平均得点が1点を切る山形にしてみれば、難敵川崎相手に2失点はあまりにも痛いビハインド。56分、GKとの激突で負傷した宮崎に替わって田代が投入され、システムも4-1-4-1から4-4-2へシフト。まずは1点を返しに行きます。63分には石川の縦パスを田代がヒールで落とし、宮沢がクロスを上げるも長谷川にはわずかに届かず。64分には下村と廣瀬を、75分には宮沢と太田をスイッチする「攻撃的なカード」(小林監督)で運動量の低下は否めないはずの相手を崩しに掛かりましたが、「チャレンジという意味でもちょっと受け身になってしまった」(石川)チームになかなかスイッチは入らず、82分に田代とのコンビネーションから長谷川が放ったミドルも、相澤がしっかりセーブ。「よく相手の動きと状況を見て戦ってくれた」と高畠監督も納得の表情を見せるなど、疲労をチームとしての総合力でカバーした川崎がそのまま山形をシャットアウト。仕切り直しの一戦で快勝と言っていい内容を見せ、勝ち点3を上積みする結果となりました。敗れた山形はいつもに比べて、「ボールを繋いで持っていく所でイージーミスがいくつかあった」と指揮官も言及したように、うまく前へ運べないシーンが頻発。「相手のアプローチの迫力に圧されてしまって、潰されるシーンもあった」とは佐藤。前半に勝負を掛けたかった相手の勢いに飲まれたまま、最後まで攻撃のリズムを創り出すことができなかった印象を受けました。勝った川崎は、苦しいスケジュールをはねのけての見事な勝利。「ギリギリの所で頑張って勝てた」(中村)ことは、今後に向けて勝ち点3と同じくらいの価値があったかもしれません。現実的に残されたタイトルはやはり天皇杯。悲願の戴冠へ、機は十分過ぎるほど熟しています。    AD土屋




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