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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年10月03日

高円宮杯準々決勝 FC東京U-18×札幌U-18@ひたちなか

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第2試合は、ここまでの4試合を無失点での4連勝で駆け抜けてきたFC東京U-18と、優勝候補にも上げられていた東京Vユースや浦和ユースを倒し、準優勝を果たした2005年以来となる、5年ぶりのベスト8進出を果たした札幌U-18の対戦。北海道では無双の札幌が、全国でどんなサッカーを見せてくれるのかに期待して、キックオフを迎えました。まず先にチャンスを創ったのは東京。8分、札幌DFラインの乱れから秋岡活哉(3年・FC東京U-15むさし)が抜け出し、飛び出したGKの鼻先でゴールに流し込んだものの、奈良竜樹(2年・北見小泉中)がカバーしてクリア。札幌は何とか危ないシーンを切り抜けます。ゲームが進むにつれて、攻撃の手数は東京が多い中で、札幌も安易に蹴ることなく、しっかり繋いで崩そうとする意識の高さを発揮。J2出場経験もあるキャプテンの三上陽輔(3年・コンサドーレ札幌U-15)がやや下がり気味に受けて基点となることで、徐々にリズムを掴み始めます。中でも特に右サイドを使ったいい形が多く見られるようになっていった印象があったのですが、札幌の四方田修平監督も「東京は右サイドの守備が堅いので、弱いわけでもないが攻めるなら相手の左サイドから」と考えていたようで、レフティでボールを持てる右SHの菅原康介(3年・コンサドーレ札幌U-15)と、果敢なオーバーラップを繰り返した右SBの小山内貴哉(2年・コンサドーレ札幌U-15)が効果的に絡んで、チャンスを生み出します。32分には下田康太(1年・コンサドーレ札幌U-15)、堀米悠斗(1年・コンサドーレ札幌U-15)、荒野拓馬(2年・コンサドーレ札幌U-15)と細かく繋いで右へ展開。菅原のクロスは東京GK三浦龍輝(3年・町田JFC)が何とかキャッチ。36分には、やはり右サイドを小山内が抜け出し、飛び出した三浦を外して中へ折り返しますが、少し三上との呼吸がずれ、フィニッシュまでは至らず。37分、前貴之(2年・コンサドーレ札幌U-15)のCKを奈良がヘディングで枠に飛ばすも、ゴールカバーに2人のDFが入っていた東京も冷静に掻き出し、先制ゴールとはいきません。それでも「前半はある程度思い通りにやれたと思う」と四方田監督が振り返ったように、印象としては風下の札幌がうまくサイドを生かして優勢にゲームを進めたような形で、前半は推移していったと思います。迎えた後半、「なるべくサイドで基点を創って攻める」(東京・倉又寿雄監督)ことを確認した東京は、前半の札幌と同様に立ち上がりから右サイドの活性化に成功。右SBの廣木雄磨(3年・FC東京U-15むさし)も積極的に上がり始め、SHの江口貴俊(3年・FC東京U-15むさし)と共にゲームのペース奪還に貢献します。55分には右サイドで奪ったCK、佐々木陽次(3年・富山北FC)のキックを前岡信吾(3年・FC東京U-15深川)が頭で残すと、松藤正伸(3年・FC東京U-15深川)、江口と続けて狙ったシュートはDFのブロックに遭いますが、ようやく惜しいシーンを創り出します。そして57分、橋本拳人(2年・FC東京U-15深川)が粘って右に展開、秋岡が繋いで、江口のクロスに秋岡と武藤嘉紀(3年・FC東京U-15深川)が反応すると、「いい所にこぼれて来たので、「どけっ!」と言って自分で蹴りました」という武藤がきっちりゴールに流し込みます。前半にイエローカードを受けたため、勝っても累積で準決勝は出場停止。「次は出られないので、ハーフタイムに後半は絶対点を取るとみんなに言った」武藤の有言実行弾。今日も先制ゴールは東京が奪いました。「一瞬のスキでやられてしまった」(四方田監督)札幌は57分、練習中の脱臼で欠場を余儀なくされた鈴木貴大(2年・アンフィニMAKI.FC)の代役として奮闘していた下田を諦め、榊翔太(2年・清水中)を投入して反撃態勢を整えますが、次のゴールを記録したのも東京。先制から4分後の61分、左SBの村松知稀(2年・FC東京U-15深川)が上げたクロスを札幌DFは大きくクリアできず、拾った江口(※キリさん、ありがとうございます)がヒールで残すと、佐々木は確実に右スミへ流し込み2点目。「我慢してやってれば必ず流れが来る」とは武藤。その流れをしっかり見極めて掴んだ東京が、大きな2点のリードを手にしました。さて、苦しくなった札幌は63分、堀米に替えて同じく1年生の神田夢実(コンサドーレ札幌U-15)を送り込んで勝負に。70分には、その神田が柔らかいタッチで前に出ていくと、そのままミドルを枠内に飛ばしますが、三浦もしっかりキャッチ。さらに77分、左サイドから縦パスに榊がフリーで抜け出しましたが、シュートは三浦がファインセーブでストップ。「大チャンスの一歩手前までは行けてたけど…」(四方田監督)ゴールは遠い札幌。2点が重くのしかかります。こうなると東京はセットプレーからチャンスを窺いつつも、無理はしないゲーム運びで“無駄なく”時間を消費。危険の芽は、今やこの年代屈指のCBコンビと言っていい松藤と小林聖弥(2年・FC東京U-15深川)がことごとく摘み取り、最後の一線は越えさせず。後半はほぼ完璧な展開を披露した東京に凱歌。「東京ダービーが国立でできるのはなかなかないので幸せ」と倉又監督も話したように、養和との激突となるベスト4進出を決めました。札幌はなかなか面白いチームだったと思います。三上や菅原を中心に小気味よく繋ぐパスワークには、少し東京が戸惑った部分もあったでしょう。「ウチとはスタイルの違う東京に勝てれば“ホンモノ”として認めてもらえるかなと思ってたんですけどね」と四方田監督は笑顔を見せましたが、この躍進が“ホンモノ”だったことをこのゲームでも十分証明したのではないでしょうか。勝った東京の倉又監督も「何より評価したいのはここまで無失点ということ」と言及した5戦連続完封は、このレベルで考えるとあまりにも驚異的な偉業。武藤も「全員守備、全員攻撃もできているし、勝負強さも出てきた」と手応えを口にしています。ただ、準決勝はその武藤の出場停止に加えて、何人かの主力も欠場が濃厚とのこと。ここまでほとんどスタメンは11人で熟成を図ってきたチームの底力が国立の舞台で試されます。    AD土屋


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