デイリーサッカーニュース Foot!

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2010/10

S M T W T F S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年10月10日

高円宮杯準決勝 三菱養和ユース×FC東京U-18@国立

foot!
  • Line

第2試合は国立で実現した東京ダービー。昨シーズンから幾度となく公式戦で鎬を削ってきた三菱養和とFC東京U-18の対戦です。養和は2年連続の進出となるこの準決勝に、U-17日本代表にも名前を連ねる田鍋陵太(2年・三菱養和巣鴨)が今大会初のベンチ入り。一方、5戦連続無失点というとんでもない記録を引っ提げて、2年ぶりに国立でのゲームを戦う東京は、攻撃陣を牽引する左SHの武藤嘉紀(3年・FC東京U-15深川)が警告累積で出場停止。さらに右SHの江口貴俊(3年・FC東京U-15むさし)とFWの前岡信吾(3年・FC東京U-15深川)が大学受験で欠場。春先からスタメン11人をほとんど固定して戦ってきた東京にとっては、このビッグマッチで今シーズン最大の試練を迎えました。第1試合より強まった雨足の中でキックオフされたゲームは、開始11秒で若狭夢信(3年・三菱養和巣鴨)がいきなりオープニングシュートを放ったように、まずは養和に勢い。6分にはレフティの佐藤聖(3年・三菱養和巣鴨)が、もはやお馴染みとなった右サイドからのカットインシュートを枠のわずかに右へ飛ばすと、11分にも佐藤のFKから東京DFのクリアが高く上がった所に、櫻岡徹也(3年・三菱養和巣鴨)はGKに競り勝つ打点の高いヘディングを繰り出し、わずかにクロスバーを越えましたが、チャンスを連続して創出しました。しかし、結果的に養和が前半放ったシュートはこの11分が最後に。以降は東京がジワジワとペースを奪還して、攻め続けます。この流れを呼び込んだのは、今大会初スタメンとなる右の岩田拓也(1年・FC東京U-15むさし)と左の岩木慎也(2年・FC東京U-15むさし)が配置されたSHの積極性。特に岩田は本来FWの選手ですが、「彼を右に置くことで田中が下がってくると思っていた」という倉又寿雄監督の読み通り、縦への推進力を発揮したことで、相手のキーマンとも言うべき田中輝希(3年・三菱養和巣鴨)に対する抑止力としても機能。また、岩木も14分にはこれまた大会初スタメンとなる野沢英之(1年・FC東京U-15深川)とのワンツーから、チーム初の枠内シュートを放つなど、チームに勢いをもたらします。すると22分、野沢の横パスを受けた村松知稀(2年・FC東京U-15深川)のアーリークロス、秋岡活哉(3年・FC東京U-15むさし)の落としは少し長くなったものの、反応した岩木は角度のなくなった位置から思い切って左足を振り抜くと、ボールは雨に濡れたゴールネットを正面から激しく揺らす先制弾。「あのタイミングで打つとは思わなかった」と倉又監督も驚きを隠さない、意外性のあるゴールで東京が大きなアドバンテージを握る形になりました。こうなると、養和にしてみればある程度守備の安定に比重を置いた東京を、セットした状態から崩すのは至難の業。2トップの一角ながら、やや引いた位置でボールを引き出しに掛かっていた近藤貴司(3年・三菱養和巣鴨)は1人気を吐きますが、田中や佐藤もほとんどボールに絡めず手詰まりに。苦しい展開になってしまいます。一方の東京は、いつものボランチから2列上がって2トップの一角に起用された佐々木陽次(3年・富山北FC)が37分、45+2分と惜しいミドルを放つなど、効果的な手数でチャンスを創出。15分過ぎからは完全にゲームを支配下に置いた東京優勢で、ハーフタイムを迎えました。後半開始から養和の生方修司監督も田鍋を起用してきましたが、交替したのはエースの田中。負傷の再発か、せっかくの切り札投入もチームのパワーとしては相殺するような形になってしまいます。案の定、流れに変化はなく淡々と東京が時計の針を進めていくような展開は継続。そして59分、エリア内へ侵入した秋岡を養和の左SB川田正人(2年・三菱養和巣鴨)が倒してしまい、PKの判定。しかも川田は2枚目のイエローカードで退場に。ますます養和は窮地に立たされます。このPKを秋岡が自ら豪快に蹴り込み、2点目を挙げた東京が一層優位に。秋岡はこのゴールで大会5ゴール目となり、得点ランクトップに並びました。続く東京の荒波。62分、岩木のパスから左サイドをすり抜けた佐々木がインフロント気味にカーブをかけたシュートは、まさにここしかないというポイントを射抜く2戦連発弾。慣れないFWにも、前からの積極的なプレスで守備でも先鋒となっていた10番のゴラッソ。0-3、数的不利もあって養和にはあまりにも大きな点差が付いてしまいました。それでも諦めない姿勢をすぐに発露させたのは、やはり近藤。失点直後の63分、右サイドから果敢にドリブルで仕掛け、エリア内で倒されてPKを獲得すると、自ら中央に思い切り打ち込む魂の一撃。大会無失点を続けていた東京の牙城をとうとう1人でこじ開けてみせました。すると、神戸戦は14分間で、清水戦は8分間で共に4ゴールを奪うなど、爆発力を見せ付けてきた養和の反撃開始。倉又監督も、65分には村松を下げて石原良将(2年・FCK MARRY GOLD KUMAMOTO)を右SBに送り込み、廣木雄磨(3年・FC東京U-15むさし)を「最初から考えていた」と田鍋の対面となる左SBに回して、対処しに掛かります。69分には近藤が30m近いミドルを放ち、わずかにゴール左へ。70分には後藤京介(3年・Forza'02)のFKがわずかにゴール右へ。数的不利を感じさせない養和の猛攻。それでも東京は、やはりこれまでのチームとは守備の安定感が違いました。少しずつ養和の勢いを削いでいくと、ゲームは再び落ち着きを取り戻して膠着。90+2分に佐藤のCKから櫻岡が狙ったヘディングも枠には飛ばず、アディショナルタイムも5分を数えた所で、国立を包んだタイムアップのホイッスル。無失点こそ途絶えたとはいえ、磐石と言っていいゲーム運びを披露した東京が、高円宮杯初優勝を達成すべく埼スタへ乗り込むことになりました。東京は岩田、岩木、野沢とスタメン起用された3人が期待に応える好パフォーマンス。「36人のメンバーは誰が出てもいいようにやってきた」という指揮官の言葉をしっかり証明してみせました。決勝の相手は夏のクラブユースで「屈辱的な負け方をした」(倉又監督)広島ユース。今日も抜群の安定感を誇ったキャプテンの松藤正伸(3年・FC東京U-15深川)をはじめ、武藤も佐々木も廣木も揃って言及した“リベンジ”。その先には、悲願の賜杯が待ち受けています。   AD土屋


  • Line