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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
現行の日本サッカー界におけるシステムでは、唯一J1のクラブとJ2のクラブが対戦する可能性のある大会がこの天皇杯。プロ対アマも非常に興味深い構図ではあるのですが、結果はある程度予想通りに落ち着いてしまうのが現状。やはりJ1対J2のお互いに意地をぶつけ合うゲームが、天皇杯最大の醍醐味でしょう。今日激突するのは、川崎と横浜FC。2007年にJ1の舞台でを合わせて以来の神奈川ダービーは等々力です。日曜日にそのホームでナビスコ2年連続ファイナリストへの道を絶たれたばかりの川崎が選択したのは、「悔しい敗戦も踏まえて」(川崎・高畠勉監督)3日前とまったく同じスタメン。残されたタイトルへの執念を滲ませたホームチームは、序盤からフルスロットルで横浜ゴールに迫ります。6分に田坂の縦パスからジュニーニョがミドルを放って気勢を上げると、7分には決定機。難波のポストワークが乱れたこぼれをジュニーニョが拾って、ドリブルから中へ。ヴィトール・ジュニオールのパスをフリーで受けた黒津のシュートはバーの上へ。9分にも田坂のパスカットからカウンター発動。ジュニーニョのラストパスは、またも黒津に届きましたが、フィニッシュは左足にヒットせず。ゴールには至らなかったものの、「精度がJ2とは比べものにならない」(横浜・八角剛史)カウンターの脅威をちらつかせながら、ポゼッションでも圧倒した川崎が一方的に押し込みます。ただ、「前半のいい時間帯に点が取れていれば、もう少し楽にゲームを進められた」と高畠監督が話せば、「リズムが取れなかった序盤に失点しなかったことは大きかった」と八角も振り返ったように、最初の15分を過ぎると少しずつ相手のスピードやパワーにアジャストし始めた横浜が落ち着きを取り戻し、ゆっくりとボールを回す時間も増えていきます。逆に川崎は、27分にジュニーニョが浮き球を相手DFラインの背後に落として黒津を走らせ、飛び出した横浜GK関が何とかクリアしたシーンを創り出すも、これが前半最後のゴールを予感させるチャンス。「カウンターもうまく守れてたし、遅攻にさせればそんなに怖くはなかった」とは八角。ボールキープの割にはあまり効果的な攻撃を繰り出せないままに、45分間を消費。スコアレスでハーフタイムを迎えました。後半はいきなり46分、早川のミスを誘発した川崎が黒津、ジュニーニョとエリア付近で繋ぐも、シュートまで行けず。47分には鳥栖の高地がわずかにゴール右へ外れるミドルをお見舞い。譲らぬ殴り合い。54分には川崎。左サイドからジュニーニョが折り返すと、飛び込んだ田坂のシュートはバーの上。64分は横浜。カウンターからカイオが左へ送ると、えぐった難波の折り返しは中とわずかに合わず。互角の攻防が続きます。そんな中、先に動いたのは岸野監督。67分、前線で奮闘した難波に替えてエデル投入。すかさず高畠監督も72分には2枚替え。稲本と黒津を諦め、谷口と矢島を送り込み、終盤に向けてパワー増強を図ります。すると、ここから「自信を持ってやれてる時間帯」(八角)を創り出したのは横浜。73分、エデル、カイオで左サイドを崩しにかかり、DFともつれてこぼれたボールを野崎が枠へ飛ばしますが、相澤がファインセーブ。77分、八角が出した最高のスルーパスにカイオがフリーで抜け出し、GKとの1対1は相澤にぶつけてゴールとはいきませんでしたが、一気にギアが上がります。そしてさらにチームを加速させたのは、76分に幅広い範囲を動き回って攻撃のリズムを生み出していた高地に替えて投入された、川崎からレンタル中の久木野。78分には狭いスペースから枠へ飛ばすシュートを放つと、1分後にも左サイドから思い切りのいいカットインシュート。積極性を打ち出します。そして迎えた82分、右サイドで武岡が粘ったボール、柳沢がクロスを送ると、ファーで待っていたのはまたも久木野。173センチが宙を舞い、ヘディングでゴールに突き刺します。「点を決めてこいと言われて出た。等々力でやる違和感はヤバかった」という久木野のキツい恩返し弾。終盤に来て、横浜がリードを奪ってみせました。しかし、1週間で2つのタイトルレースから脱落する訳にはいかない川崎もまさに執念。88分、ヴィトールのCKを小宮山がニアでフリックすると、ボレーでゴールへねじ込んだのはエースのジュニーニョ。土壇場での一撃は、チームを危機から救い出す同点弾。ようやく等々力も爆発します。横浜から見れば、CKの直前に野崎を下げて根占を投入する準備ができていましたが、ピッチへ入る直前にホベルトが負傷したため、誰が替わるのかと、このタイミングで替えるのかがハッキリしないまま、結局交替なしで始まったCKでの失点。八角も「マークがこんがらがっていた」と悔しそうに語りました。90+3分に川崎が途中出場の楠神のラストパスから、ヴィトールが迎えた逆転への決定機は横浜GK関がファインセーブで切り抜け、直後に長いホイッスル。終盤に激しく動いたゲームは延長戦へともつれ込むことになりました。92分にカイオのパスから八角がミドル。95分に柳沢のFKから武岡がヘディング。まず飛び出したのは横浜。しかし、ボールを触りたがるカイオが少し引き気味にポジションを取り始めると、勢いは失速。川崎にペースが移ります。99分、森のラストパスからジュニーニョがうまいトラップでDFを外して放ったシュートは枠の左へ。105分、ヴィトールのスルーパスから、またもオーバーラップを敢行した森のクロスに矢島が頭で合わせるも枠の右へ。ジワジワと横浜を攻め立てると、110分に輝きを見せたのは「チームとして仕掛けが少なかったんで、突っ掛けて行こうと思っていた」という途中出場のルーキー。ジュニーニョからのパスを左サイドで受けた楠神は、インフロントで美しい放物線を描くと、ボールは巻いた外側のポストを叩いてゴールの中へ。残り10分でとうとうこのゲーム初めて川崎がリードを奪いました。それでも粘る横浜。120分のまさにラストプレー。右サイドから武岡が上げたクロスにニアで八角が潰れると、最後は前線に上がっていたCBの渡邉がゴール左スミに流し込みます。ベンチからも選手、スタッフが全員飛び出し、アウェイゴール裏も沸騰。起死回生の同点ゴールと思われました。ところが、中井恒副審の右手に持ったフラッグが指し示したのはオフサイド。横浜の奇跡は幻となり、川崎が薄氷の勝利を手に入れる結果となりました。「惜しかったとかなんとかは基本的に考えてなくて、勝たなければ」とは岸野監督。「こういう試合に勝つことでウチは次に繋げることができたはずなので残念」とは八角。横浜にしてみれば、結果という意味で考えると確かに逃した魚は小さくなかったと思います。ただ、相手のコンディションを差し引いても、一定以上にやれていた部分が多かったのは十分な収穫。「もっとウチは自信を持ってやっていい」という八角の言葉にも頷ける、素晴らしい健闘でした。 AD土屋
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