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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年09月26日

J1第24節 川崎×G大阪@等々力

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勝ち点38で6位につける川崎。一方、勝ち点40で4位まで浮上してきたG大阪。共に今シーズンの目標は言うまでもなくリーグタイトルであり、そのためには独走を許している名古屋との勝ち点差をこれ以上離されるわけには行きません。「終盤に向けての大一番」(川崎・高畠勉監督)という位置付けは、おそらく双方共通の認識。何度となく激突してきた両雄のビッグファイトは、20837人を集めた等々力です。ゲームは、「スタートからオフェンシブに入れたのがよかった」と西野朗監督も言及したG大阪が攻勢に。5分には宇佐美のパスを受けたルーカスが、鋭いターンから強烈なシュートを枠内へ飛ばすも相澤がセーブ。9分には安田の柔らかいスルーパスに宇佐美が飛び出し、GKをかわしてシュートを放つもボールは左ポスト直撃。これ以外にも、2トップが前をしっかり向いて仕掛けるシーンが目立ち、「スピーディーな展開」(橋本)を創り出します。すると12分、左サイドからのCKをショートで出した遠藤は、二川からのリターンを大外まで打ち上げ、高木が頭で折り返した所に詰めたのは中澤。ややGKへのファウルにも見えましたが、高山啓義主審の判定はゴール。勢いのままに、まずはG大阪が先手を取りました。さて、いきなりの失点を食らった川崎。中村が体調不良でベンチスタートとなり、ボランチは古巣対決となる稲本と横山のコンビ。「イナさんが前に行くんで、僕はある程度守備で耐えてから出ていくイメージ」とは横山ですが、相手の勢いに押される格好で、なかなか攻撃にまでは関与できません。この苦しい時間帯で、チームに勢いをもたらしたのは右SHの田坂。谷口をベンチに追いやり、出場停止以外はすべてのゲームでスタメンと成長著しい25歳が、劣勢の中盤を覆そうと奮闘する中、21分に決定的な仕事をしてみせます。横山が中盤でボールを奪うと、パスをもらった田坂は躊躇なく相手DFラインの裏へ絶妙のフィード。収めた黒津は並走していた高木を緩急で翻弄すると、右足で豪快に揺らしたネット。今シーズンから確固たるレギュラーポジションを得た2人で、シンプルな形から奪った同点弾。ゲームは振り出しに戻りました。以降、31分には川崎が再び裏へフィードで走らせた黒津の折り返しから、ヴィトール・ジュニオールがフィニッシュを取ったものの、藤ヶ谷がファインセーブで阻み、38分にはG大阪、武井のスルーパスからルーカスが狙うと、相澤のセーブに遭い、拾った宇佐美のシュートは大きくバーの上へ外す、という双方1回ずつの決定機を創り合うにとどまります。この要因としては、川崎側から見ればやはり中村の不在。横山も非常に技術が高く、狭い局面打開などはまったく問題ありませんが、長いクサビや大きなサイドチェンジといったパスでは14番に一日の長があり、どうしてもダイナミックさが出てこなかったのは否めないでしょう。対するG大阪は「本来のパフォーマンスではまったくない」(西野監督)遠藤をボランチ起用し、「ヤットがフルじゃない分、みんなの運動量が上がっている」(橋本)のは確かなのですが、今日に限っては二川の不調が誤算。個人的には日本屈指のプレーメーカーだと思っている彼が、普段では見られないようなミスを連発。これが伝播したのか、両チームともイージーなミスが散見され、この2チームの対戦らしからぬ内容で前半は終了しました。後半はまずG大阪が攻勢。50分には二川のクロスにルーカスが頭で合わせますが、枠の左へ。56分、遠藤のピンポイント高速パスをルーカスが狭いスペースで止めてから素早くシュートを枠内に。60分にも安田、橋本と繋いで最後は宇佐美がフィニッシュ。チャンスを創り続けます。押し込まれる展開に、たまらず高畠監督もとうとうジョーカー投入を決断。62分、ヴィトールに替えて中村を右サイドの攻撃的な中盤へと送り込みます。すると「ケンゴが出てきてかなりディフェンスを強いられる時間もあった」と西野監督が話したように、やはり絶対的なキーマンを組み込んだ川崎が一気に形勢逆転。65分にはジュニーニョのスルーパスに、ラインギリギリで飛び出した田坂のシュートは藤ケ谷がファインセーブ。66分、中村の思い切ったミドルはDFに当たり、こぼれにジュニーニョが反応しますが、わずかに届かず。等々力の空気も一変します。67分には両チームが同時に選手交替。川崎は稲本OUTで谷口IN。G大阪は二川OUTで「スピードをアクセントに」(西野監督)と平井IN。システムも平井の1トップで、その下に右から宇佐美、遠藤、ルーカスと並べる4-2-3-1にシフト。また、これには「ヤットの状態があまりよくなかったが、あまりにも拮抗して替えづらかったのでディフェンスに負担がかからないように」(西野監督)という側面もあったようです。ただ、この交替策を経ても、川崎ペースは覆らず。G大阪は79分、安田の左クロスから4分前に投入された佐々木が右ポストにぶつけるボレーを放ちますが、川崎も80分に小宮山、83分に谷口とフィニッシュまで持ち込み、流れを明け渡しません。そしてゲームが動いたのは最終盤の86分。川崎は鋭いカウンター、中村とジュニーニョのパス交換から、最後は途中出場の矢島が狙いましたが、DFに当たってバーの上へ。「明らかにCK」(稲本)のように見えましたが、高山主審の判定はゴールキック。川崎が抗議をしている隙に、G大阪は素早くリスタート。藤ケ谷、安田と左サイドで繋ぎ、遠藤が中へ入れると、「シュート以外の形が取れなかったので思い切って打った」というルーカスの強烈なミドルが激しくゴール右上に突き刺さります。「切り替えが遅れたかなというのはあった」と高畠監督。「こういうゲームでは相手のキッカケをもらわないとなかなか入らないのかな」と橋本。確かに高山主審のジャッジやゲームコントロールに不安定な部分があったのは否めませんが、最後は「あんまりレフェリングとかは気にせずできる選手が揃っている」(橋本)G大阪が、よりゲームの潮目を読み切って勝ち点3を獲得する結果になりました。    AD土屋




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