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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年09月05日

キリンチャレンジカップ2010 日本×パラグアイ@日産

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今日は珍しく代表戦の取材に行かせてもらったので、その模様をレポートしたいと思います。というか、ウチの企画で散々色んな所に行ってもらった原さんの日本代表監督初陣ですから、行かないっていう選択肢はないですよね。対戦相手も「絶対に勝ちたい相手」(長友佑都)のパラグアイ。個人的にはワールドカップ屈指のCBコンビという印象を持ったアルカラスとダシルバや、ドルトムントで香川真司とコンビを組むバリオス、日々野さんを虜にして止まないサンタクルス、さらに亘さんのアミーゴ“ジョニー”もしっかりスタメンに名を連ねており、見所十分です。原ジャパン注目のシステムは4-2-3-1。1トップには森本貴幸、その下には右から松井大輔、本田圭佑、香川が並び、ドイスボランチは中村憲剛に、代表デビューとなった細貝萌のコンビ。最終ラインは右から内田篤人、中澤佑二、栗原勇蔵、長友で構成し、GKには川島永嗣。離脱した長谷部誠を除いて、招集された7人の海外組は、いずれもスタメンとなりました。ゲームが始まると、2分にいきなり細貝が速いクサビを入れて、森本がターンから前を向き、最後はDFにクリアされたシーンがありましたが、「怖がらずに前にボールを当てていこうということは確認してやった」とは原博実代行監督。代表デビューの細貝が、ファーストプレーでチームの共通認識だった積極性を打ち出すと、10分にも松井のドリブルから、香川がFKを獲得。これを本田がワンバウンドで枠へ飛ばし、草津の廣山望にゴールを奪われた経験を持つビジャールがワンハンドで弾き出しますが、惜しいシーンを創出。さらに15分にも中村が左へ展開すると、本田のクロスに森本が飛び込むシーンも。ここまでの15分間は、中村によくボールが集まり、日本が攻勢に出ます。しかし、16分に中村のミスからカマーチョが左サイドを抜け出し、細貝が何とかクリアしたシーンを境にパラグアイがペース奪還。22分にはベラの横パスに、スルーしたサンタクルスがカマーチョからの浮き球を受けて、ダイレクトボレーを枠の右へ。27分にはカマーチョのパスから、バリオスがミドルを枠内へ飛ばし、川島がセーブ。流れが一転します。この要因として考えられるのは、4-3-3を敷いたパラグアイで、ワールドカップの対戦時同様、中盤アンカーに入ったネストル・オルティゴサの存在。TVでも十分感じられた、驚異のずんぐりむっくり体型は健在で、遠くから見ると荒川良々を思わせますが、ボールへと絡む意識の高さは特筆モノ。受けた後は好プレーと凡ミスが半々くらいだったために、基点の形成で流れを引き寄せる程度にとどまりましたが、もう少し彼に技術やアイデアがあれば、なかなか彼へのマークを絞り切れなかった日本は、致命傷になっていたかもしれません。さて、30分を過ぎると再び流れは日本へ傾きます。ここでのキーマンは香川。「この蒸し暑さで体が動かないと言っていた」とは原代行監督ですが、この辺りの時間帯から幅広い動きを見せ始め、35分には本田、森本と繋いだボールに抜け出し、シュートチャンスはダシルバのクリアに遭ったものの、39分には左サイドで2人のDFの間をワンタッチのキレで置き去るプレーを披露すると、「アレが香川の一番得意なプレー」と原代行監督も称賛。再び日本ペースでハーフタイムに入りました。後半はいきなりパラグアイにビッグチャンス。46分、オルティゴサが右へ展開すると、バリオスはマーカーを引きずりながら強引にシュート。こぼれ球をフリーの“ジョニー”ことサンタナが左足で叩きますが、ボールはわずかに枠の右へ。ここまででパラグアイ最大の決定機。スタジアムに安堵の溜め息が充満します。以降はやはり日本が主導権。55分、香川が右へ素晴らしいグラウンダーパスを送り、内田は中央からフリーで走り込む森本を目視してクロスを上げるも、ボールはDFに引っ掛かりCKへ。頭を抱える森本と内田。森本にしてみれば、この4分後に岡崎との交替を迎えたため、非常に悔しいシーンだったのではないでしょうか。60分を過ぎると、29.0度のコンディション下で、両チーム共に運動量は低下気味に。そんな中で、ゲームが動きます。64分、香川からパスを預けられた中村は、一度収めると素早く縦へ高速パス。「すごくいいボール」を走りながら確実にコントロールした香川の、右スミを狙ったシュートはビジャールも及ばず、ゴールを揺らします。「自分らしいゴール」と自らも納得の一撃。原代行監督からも「いい時間帯に入れてくれた」とおなじみのフレーズが飛び出すような先制ゴールで、日本がリードを奪いました。ところが、67分には日本に信じられないミスが発生。栗原が川島へ戻したバックパスが短く、かっさらったバリオスが独走。1対1は川島が防ぎ切って事無きを得ましたが、パラグアイのマルティーノ監督が、「得点を決められるシーンはあった」と嘆いたのは、おそらくこの一連。つまらないミスであわやというシーンを招いてしまった栗原は、直後に負傷退場。やや後味の悪いプレー内容になってしまいました。以降は双方メンバーも数人替わり、なかなか流れの中からチャンスが生まれそうな香りは薄くなっていきます。それでも終盤は、火曜日から日本で練習していたというパラグアイがラッシュ。76分には細かいパスワークから、途中出場のペレスがシュートを放つとDFがブロック。84分、トーレスのCKからダシルバが頭で枠を捉えるも、中村がライン上で決死のクリア。88分には注目選手の1人だったと勝手に思ってたのに、86分なんて最終盤になってやっと登場してきたエスティガリビアが左サイドからいい突破を見せるも、シュートまでは行けず。同点ゴールは奪えません。90分には駒野友一もしっかり試合を閉めに入って、タイムアップ。原代行監督も、勝利の瞬間はジャンプこそしなかったものの、2回手を叩いて控えめに喜びを表現。新生日本代表が、集まった65157人の観衆へ「日本全体が望んだ結果」(川島)を届けることに成功しました。見事勝利を挙げた原代行監督。会見で駒野を最後に起用したことについて質問されると、「PKあったら蹴るかと聞いたが、「いや…」と言っていた」と一言。やっぱり原さんは原さんでした。    AD土屋


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