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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年09月21日

高円宮杯ラウンド16 FC東京U-18×青森山田@西が丘

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第2試合は、参加チーム中唯一の3連勝に無失点のオマケ付きでグループ首位通過を果たしたFC東京U-18と、静岡学園、立正大淞南、千葉U-18と高体連所属が3チーム同居したグループを2位で抜けてきた青森山田というカード。東京を見に行く回数が多いというご指摘は、諸事情あるのでお許し下さい。一方、青森山田は新チームになってから初観戦。柴崎岳(3年・青森山田中・鹿島内定)、櫛引政敏(3年・青森山田中・清水内定)のJ内定コンビや、プレーリズムの変化が印象的だった三田尚希(3年・上松中)、成田鷹晃(3年・むつ田名部中)など、選手権でもプレーを見た選手がいたので、当時とどれくらい変わっているのかを楽しみにゲームへと入りました。まず、先にリズムを掴んだのは青森山田。割とシンプルにDFラインから斜めにフィードを入れたり、サイドにボールが入ったらアーリークロスを選択したりと、いわゆる“裏”を早めに取るような形を多用することで東京のラインを押し下げ、バイタル付近でセカンドを積極的に拾って、中盤での主導権を握ります。どうしても注目もマークも集まる柴崎が「本人も自分で考えたんじゃないかな」と黒田剛監督が語ったように、少し低い位置からゲームをコントロールする中で、素晴らしいプレーを見せたのは、その柴崎とドイスボランチを組んだ差波優人(2年・青森山田中)。前述のセカンド奪取はもちろん、「割と前の方にいた」(黒田監督)ことで、攻撃への積極的な関与も目立ち、17分には三田のクロスを柴崎がスルーした所に走り込んで、枠内へシュート。チームに勢いを与えます。25分には右サイドでボールを持った柴崎が、GKとDFの間にさすがと思わせるようなクロスを供給。成田、三田と届かなかったものの、30分過ぎまでは黒田監督も「やれてる手応えはあったと思う」と話した青森山田のペースで推移していきました。ところが32分、その青森山田に手痛いミス。東京GK三浦龍輝(3年・町田JFC)のなんでもないクリアボールを舛沢樹(2年・五戸中)が空振り。拾った秋岡活哉(3年・FC東京U-15むさし)は冷静に左スミへフィニッシュ。「やられた訳じゃないんだけど徹底できなかった一瞬のミス」(黒田監督)を確実に突いた東京が、ラッキーな形とはいえ苦しい中で先制ゴールを挙げました。これでようやく少し落ち着いてゲームをコントロールし始めた東京はさらに39分、江口貴俊(3年・FC東京U-15むさし)がヘディングで左へ送ると、鋭いカウンターに。佐々木陽次(3年・富山北FC)のスルーパスを受けた秋岡は、左へ持ち出すとそのまま左足でゴール右スミにねじ込む、ファインゴール。「人間的にもトボケたヤツ(笑)」と倉又寿雄監督に評されたストライカーの今大会2度目となるドッピエッタ。ゲームの流れとは対照的に、東京が2点にリードを広げてハーフタイムに入りました。後半も48分には武藤嘉紀(3年・FC東京U-15深川)が、同じく48分に前岡信吾(3年・FC東京U-15深川)がシュートを放ち、東京が攻勢かと思われましたが、54分に黒田監督がほとんどフィニッシュワークに絡めなかった成田を諦め、舘川一成(2年・北上南中)を前線に送り込むと、再び青森山田に流れは傾き、57分には柴崎のスルーパスから決定機になりかけた場面は東京CB小林聖弥(2年・FC東京U-15むさし)が間一髪でクリア。60分には、差波が左へ展開すると柴崎がフリーでドリブルシュートを放ち、三浦がなんとかストップ。66分、三田が左へ送り、橘一輝(3年・野洲高)のクロスを舘川がフリーで合わせましたが、ボールは枠の左へ。止まらない猛攻。69分、橘、佐々木俊希(3年・G大阪堺JY)と回して、差波のミドルはここも三浦のファインセーブ。「ウチは後半に強いのが持ち味だが、青森山田も運動量がまったく落ちなかった」と舌を巻いたのは倉又監督。東京が押し返し切れません。71分には佐々木が右サイドを切り裂き、エリア内で倒れるも、俵元希主審はノーホイッスル。74分には中央、ゴールまで約20mの距離から柴崎が右スミを狙ったFKは、三浦が全身を伸ばして掻き出し、スコアは動かず。倉又監督も75分に2枚替え。前岡と岩田拓也(1年・FC東京U-15むさし)をスイッチし、さらに佐々木を下げてU-16日本代表の野沢英之(1年・FC東京U-15深川)を送り込み、「岩田をトップ下に置いて、4-2-3-1で中盤を厚くする」(倉又監督)ことで、反発力の発露に期待します。すると76分、FKのシーンで野沢は周囲を見渡して素早くリスタート。村松知稀(2年・FC東京U-15深川)のクロスから、最後は松藤正伸(3年・FC東京U-15深川)のヘディングがクロスバーを直撃。1年生の機転で、東京が1つチャンスを創出します。しかし、83分にはその野沢に痛いミス。後ろに下げたパスが相手へのスルーパスになってしまい、舘川が抜け出す大ピンチ。ここも、この3ヵ月あまりでは最も伸びたと個人的に思っている小林が鋭いタックルで舘川をストップ。期待の野沢にとっては、1つ勉強になったかもしれません。86分の乳井大(3年・ラインメール青森FC U-18)が放ったワンバウンドミドル、90+4分の柴崎が蹴った無回転気味FKも共に三浦が弾き出し、後半はスコア変わらず終了のホイッスル。「今日の出来には納得してない」と倉又監督も渋い顔でしたが、良くないなりにゲームを締めた東京が、昨年に続いてベスト8へ名乗りを挙げました。正直言って「“献上”した失点が最後まで尾を引いた」(黒田監督)「前半で2点取れてなければやられてた」(倉又監督)と、両指揮官が表現は違えどニュアンスは似たような言葉を使ったように、32分の1点がゲームの行方を大きく左右しましたし、ゲーム内容は青森山田の方が間違いなく良かったと思います。ただ、「いい形が創れたと思う」(黒田監督)青森山田と東京の差は、チャンスを決め切る力。例えば秋岡の2点目と、60分の柴崎や66分の舘川が狙ったシュートで考えれば、難易度は同じくらいか、あるいは前者の方が難しかったかもしれません。それをモノにするかしないか。そしてそれをモノにしたのが、どの試合でも常に全力で前線からプレスを掛け続けて、チームを助ける重要な役割を果たしている秋岡だったという所に、東京の強さが凝縮されていたと私は感じました。    AD土屋


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