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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年09月20日

高円宮杯ラウンド16 広島ユース×C大阪U-18@西が丘

foot!
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今日から大会はラウンド16に突入。今回は継続してチームを見てみようと思い、大和で勝った2チームが登場する西が丘に来てみました。第1試合は、磐田、神戸、柏とクラブユースが居並ぶグループを首位で通過してきた広島ユースと、1次ラウンドは苦しみながら何とか3位に滑り込んで勝ち上がってきたC大阪U-18の対戦。両者はそれぞれプリンス中国とプリンス関西の王者でもあり、言ってみれば西の横綱クラスの激突が東京で見られることは、非常にラッキーだと思います。広島はトップと同様の3-6-1、C大阪は小暮大器(1年・パルチーダFC竜ヶ崎)が2トップにしては左に開き過ぎだし、左SHにしては高過ぎるような、変則の4-4-2とも4-5-1とも取れるような布陣でスタートしたゲームは、「相手はどんどんプレッシャーに来ると聞いていたんで、マーカーを外したら縦とか裏とか逆サイドを狙ってた」と森山佳郎監督が語った通り、縦へのクサビをワンタッチで落とすと、ワンタッチで横にズラして、逆サイドや裏への展開という形を思う存分に体現した広島が主導権を奪取。技術の高さは申し分ないものの、手数がどうしても掛かってしまうC大阪とは、攻撃の回数はほぼ同じでも、シンプルな分だけゴールまで近付く回数は増えていきます。すると18分、浅香健太郎(3年・吹田JFC千里丘)が左へ展開し、ボランチの早瀬良平(3年・サンフレッチェ広島JY)は右へ大きなサイドチェンジ。受けた砂川優太郎(3年・サンフレッチェ広島JY)が鋭い突破からクロスを上げると、逆サイドでフリーになった岡本洵(3年・松山三津浜中)が難なく頭で押し込み、広島がまずは先制。さらに25分、カウンターから野津田岳人(1年・サンフレッチェ広島JY)は素晴らしいスルーパスをピンポイントで通し、岡本はGKとの1対1も冷静に制して右スミへ流し込みます。これには森山監督も「1点目と2点目は素晴らしかった」と笑顔。狙い通りの形から、広島が早々に2点のリードを奪いました。個人的に今年の広島を見るのは初めてで、昨年は茶島雄介(現・東京学芸大)と中山雄登(現・流通経済大)という傑出したドイスボランチが、トップチームのように最終ラインまで降りて、低い位置からゲームをコントロールする印象でしたが、今年の早瀬と1年生の平田惇(1年・サンフレッチェ常石FC)で組むドイスボランチは「攻撃のダイナミックさが出る」と森山監督が評したように、前への推進力が高く、時にはかなり前方まで飛び出して行くので、攻撃の厚みという面では昨年のチームを上回っているような印象を受けました。一方のC大阪は、なかなかボールが効果的に回らない現状に、大熊裕司監督も右SHの秋山大地(1年・C大阪U-15)とボランチの田中慶太(3年・ヴェルディSS小山)を入れ替えて、中盤での局面打開を図りますが、ミドルゾーンまでボールは運べるものの、そこから先へは侵入できず、U-16日本代表では不動のエースだという南野拓実(1年・C大阪U-15)も時には独力で仕掛けていきましたが、やはり広島の壁は厚く、シュートまでは持ち込めません。加えて、前半終了間際の45+1分には、田中がGKからのスローイングでカウンターに入った砂川を体で止めてしまい、2枚目のイエローカードで退場に。C大阪にとっては踏んだり蹴ったりの45分間になってしまいました。迎えた後半は「相手は関係なくどんどん行こうぜと。どんどんゴールを目指していこうと」(森山監督)いう広島のアグレッシブさが爆発。55分には左サイドを川森有真(3年・FC四日市)が抜け出し、シュートをGKが弾いたこぼれに早瀬が詰めて3点目。61分には左サイドから砂川の蹴ったFKが、ゴール前の密集をすり抜けて右スミへ吸い込まれ4点目。68分、早瀬が川森との巧みなワンツーでGKと1対1の状況を創り出し、冷静に5点目。73分、選手交替に伴い、2シャドーの一角へポジションを上げていた平田が、野津田の素晴らしいスルーパスを受けて、まるでストライカーのようなシュートをニアサイドに叩き込んで6点目。特にこのゴールは、ゲームを通じてかなり出色のパフォーマンスを見せていた1年生コンビで挙げたというのもそうですし、形も綺麗だったので、非常に価値のある1点だったのではないでしょうか。C大阪も76分、広島DFラインのつまらないミスをキャプテンの夛田凌輔(3年・サザンウェイブ泉州FC)が奪って出したパスに、走り込んだ秋山が思い切り良く左足を振り抜くと、ゴール左スミに突き刺さり、一矢を報います。ただ、「大人になりきれず、みっともない所を見せた」(森山監督)失点で終わらなかったのは広島の強さか。終了間際の90+2分、砂川のパスから完全に右サイドを抜け出した川森がグラウンダーのラストパスを送り、途中出場の藤井貴之(2年・吹田JFC千里丘)が押し込んで7点目。「後半は相手も10人になったので、オマケみたいな所」と森山監督は話しましたが、最後まで攻撃の手を緩めなかった広島が、圧勝でベスト8進出を決めました。全体的に見ると、細かい技術でも広島の方がわずかに上回っていましたが、最も差を感じたのはオフ・ザ・ボールでの動きの質。広島は前述したように、ワンタッチで繋いでいる間に誰かしらがボールから離れた所で必ずフリーランニングを始めており、出す側もそれがわかっているのでスムーズに幅の広いアタックができると。C大阪も狭い局面での技術はチームとしても相当高かったものの、ややみんながみんな足元で受けたがる傾向があり、広島に揺さぶりをかけるまでには至らなかったように見えました。このゲームに関しては、退場者の有無に関わらず、広島が一枚上手だったと思います。    AD土屋


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